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2010年7月3日

タイの赤シャツ制圧その後: ウボンラーチャターニー中央刑務所訪問記

高橋 勝幸 (23時34分)

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2010年6月17日(木、9:20-13:40)僕は、ウボンラーチャターニー中央刑務所へ赤シャツの被拘留者を訪ねた。ウボン大学の同僚、学生、地元赤シャツ、バンコクの人権NGOの6人に僕がついていった格好だ。ウボン県は非常事態宣言が5月16日以来布かれている。一説によると、82人に逮捕状が出されている。僕の訪問時には、男性20人、女性6人の26人が拘留されていた。僕らが面談したのは、男性15人、女性6人の21人である。訪問の目的は、逮捕の経緯、取調べの状況と拘留の状態を知ることであった。判決前の人がなぜ刑務所に拘留されているのかはわからない。

監房の広さは8m×8mの64平米だという。食事、水浴び、排泄も同じ監房で行なわれている。3食付で、9時、12時、4時に提供される。監房にある書籍は仏教関係のみである。監房でテレビドラマを見ることはできる。午後10時就寝。

女性の監房は他の犯罪者と一緒。エイズ患者、麻薬で捕まった人もいる。他の犯罪者からは政治犯として疑いの目を向けられる。みな肌色の囚人服を着用していた。下着、生理用品が欲しいとのこと。家族親戚の訪問可。一般の訪問は事前に、訪問相手の氏名を伝えること。訪問日は制限されている。見舞品として「危険物」を差し入れすることを防止するため、果物などは刑務所で購入しなければならない。服の差し入れ可。

最初に手分けして男性5人と面談した。僕は要領を得なかったので、手持ち無沙汰な拘留者と話すことにした。

男性(1):
5月19日に県庁が燃えたとき、現場にいなかった。6月初旬に捕まった。入所して約1週間になる。同室に20人が収容されている。すべて赤シャツだ。狭苦しい感じはしない。食事はよい。サービスはいい。

男性(2):
ワーリン郡在住。自営の商売の他、日雇い。子供2人。チャックトンロップ(戦旗掲揚グループ。ウボン最大の赤シャツ・グループ)の会員。ほとんど活動に参加していない。しかし、5月19日は県庁にいた。県庁舎の2階から火が出た。軍人、警官は火を消そうともしなかった。当局が人民を射撃した。6月9日午前8時にワーリン市場で捕まった。武器所持と県庁焼き討ちの容疑で逮捕された。県庁焼き討ちの罪は重い。武器所持が本当なら、なぜ現行犯逮捕しなかったのか不思議である。証拠はない。ウボンの警察佐官が取り調べた。写真を提示され、その中に写っている人物を知らないかと尋問された。写真を見ても誰も知らなかった。保釈されたら、証人がいるので裁判で戦いたい。取り調べ、手続きに時間がかかりすぎる。監房ではニュースが入らない。仏教の本しか置いていない。監視人はいい。腹が立つことに、プアタイ党議員も職員も見舞いに来ない。[戦旗掲揚グループは民主党を非難し、プアタイ党を支援していた。]

次に6人と面談した。

男性(3):
66歳。市内在住。チャックトンロップの会員。警察から電話があって、出頭を命じられた。県庁の焼き討ち時に、庁内に建つラーマ5世王の像の東側で、自分が驚いて両手を挙げている写真が証拠になった。その日、私は県庁の外にいたが、警察の射撃の音を聞いて、子孫たち(仲間)を助けようと、敷地に入ったのだった。それまでは年寄りはみな外にいた。まだ、県庁は燃えていなかった。警察、軍、警備員が立っていた。自分は大通りに戻った。小さい火が建物からあがった。国王は関係がないので、国王の旗を柵から外して、警察に渡した。兵は庁舎を守らなかった。消防車も来なかった。100人もいれば消火できたはずだ。点火したのが誰かは知らない。県庁には放火すべきではなかったと思う。今回のデモには、3月12日から王宮前広場で15日間、4月10日から3日間ラーチャダムノーン、その後ラーチャプラソンに15日間滞在した。ウボン県庁前の夜の集会にも、時間があれば参加した。現在、自分には5人以上の政治集会への参加(非常事態法違反)、焼き討ち、公共物破損の容疑がかかっている。拘留は2回延長され、24日間既に拘留されている。6回まで延期できる。人権の立場から、援助してほしい。

男性(4):
63歳。市内在住。チャックトンロップの会員。6月9日逮捕され、6月10日より拘留。プアタイ党の見舞いがないのは不満に思う。5人以上の政治集会参加、焼き討ちの容疑。5月19日、家にいたので、集会には参加していない。ただその朝、スタット寺院でタイヤが燃えているのを目撃した。県庁の焼き討ちはよくない。人民の財産の破壊であり、賛成しない。残念なことである。軍警の仕業だと思う。王宮前広場で3月12日から3日間、デモに参加したが、楽しかった。政府は正しくない。

次いで、4人の男性が現れた。

男性(5):
28歳。日雇い。6月14日に逮捕された。5人以上の政治集会参加、焼き討ちの容疑。5月19日に現場(県庁)にいなかった。2年前に撮られた写真が証拠になっている。不当だ。

男性(6):
51歳。ワーリン在住。日雇い。チャックトンロップの会員。焼き討ち、武器所持、爆発物所持の容疑。5月19日県庁で石を握っている写真が証拠となった。5月19日のその時、県庁そばの寺の前にいた。子供を2時ごろ学校へ迎えに来たのだ。銃弾の音を聞いて、走って県庁敷地に入った。怒って、思わず地面に転がっている石を握った。火はまだ上がっていなかった。火災を目撃していない。集会にも参加していない。5月25日に逮捕され、拘留されて12日になる。拘留が2回延期された。自分も妻もムスリムでナラティワート県出身。自分はナラティワートでも貧乏で、ウボンに仕事を探しに来た。ウボンでも貧乏して、赤シャツを支持した。妻の先夫は軍人で国境警備のため、ワーリンの基地に異動になった。彼は妻子に対して責任を果たさなかったので、自分は彼女に同情し、結婚した。子供をもうけた。先夫との間の2人の子と合わせて、3人の子がいる。父親の自分が逮捕されたので、子供は学校に通っていない。誰も見舞いに来ない。電話番号もわからない。妻子はナラティワートに帰った可能性がある。(落涙。両手の指を僕たちを隔てる金網に絡ませながら、切々と訴えた。)

男性(7):
50歳、日雇い。チャックトンロップ。チャチョンサオ出身。仕事を探しに2007年にウボンに来た。チャックトンロップのラジオ、「ウボンの人民の声放送」の警備員をしていた。月給3,000バーツ(食住支給)。5月20日の昼前後に捕まった。放送機器が没収された。拘留されて1ヶ月近くになる。ラジオ放送による教唆、大衆騒乱の容疑。3月12日から4月8日まで王宮前広場でデモに参加した。仕事柄、赤シャツを支持している。赤シャツの意見は正しいと思う。県庁の焼き討ちについては知らない。監房には仏像と国王の写真があり、仏を敬っている。

男性(8):
26歳。仕事はガス輸送車の運転。チャックトンロップ。5月19日、スタット民主党議員の家の付近にいるところを写真に撮られた。赤シャツが反対運動をしていた。仕事中に通りがかり、ちょっと寄ったに過ぎない。電話が警察からかかってきた。出頭し、そのまま収容された。チャックトンロップにも会員になって、1ヶ月しか経っていない。

男性(9):
日雇い(小作含む)。チャックトンロップ。焼き討ちの容疑。6月12日から拘留され、4日になる。5月19日当日、自分はタラートノーイ(市場)にいた。証拠写真も似ているが、自分ではない。サンティ・アソークへの抗議運動にも行っていない。王宮前広場のデモには2-3日行った。小5、中1、中3の3人の子がいる。妻は腰を痛め、働けない。自分なしでは、家族は食べられない。

最後に12時半過ぎに、女性の逮捕者6人と面談した。

女性(1):
23歳。料理店勤務。チャックトンロップ。(リーダーであるトーイの家で、筆者は会っている)拘留は5月24日から22日になる。5月19日午後、民主党事務所、同党議員スタットの家、県庁と3箇所で反対運動に参加した。県庁にいるところを写真に撮られた。県外の友人から涙の電話があった。何も知らない友人は警察に写真を突きつけられて、彼女の友人の居場所を聞かれたというのだ。その日、県庁で兵が人民を銃撃したので、頭に血が上った。(涙ぐみながら)足を撃たれた人も、捕まって同じ監房にいる。撃った人はどうなっているんだ。6人が負傷し、一人は重傷だ。ゴム弾を使えばいいのに、実弾を使う必要はない。県庁は新しく建てることができる。しかし、家族は生命を取り戻せない。赤シャツはテロリストだといわれている。農民に武器はない。銃を売買しているというのか。兄弟同志が民主主義を要求して立ち上がった。我慢ならなかった。監房ではニュースを知る権利もない。4,5日前にこっそり新聞を読んだ。

女性(2):
ノーポーチョー・ウボン。5人以上の政治集会参加、焼き討ちの容疑。寝食の状況よくない。睡眠薬がないと眠れない。5月の初旬にラーチャプラソン(バンコクの集会)からウボンに戻った。(金網越しに握手を求める)

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2010年6月5日

UUI と GA のお知らせ

事務局 (23時23分)

下記のように UUI と GA を開催いたします。奮ってご参加ください。なお当日、 UUI 講義録 (中西治理事長講義) 第 1 号 DVD セット (1,000 円) を販売いたします。よろしくお願いいたします。

2010 年 7 月 18 日 (日)
横浜市青葉区区民活動支援センター  会議室 1

● ユニバーサル・ユニバーシティ・インターネット (UUI) 第 2 回公開講義
時間: 13:30-15:00
講師: 小倉志郎さん (コスタリカに学ぶ会世話人)
テーマ:「軍隊を捨てた国コスタリカに学んで」

● 2010 年度第 1 回  グローバル・アカデミー (GA 地球大学院)
時間: 15:10-16:40
講師: 渡辺宏さん (本研究所副理事長)
テーマ:「日本の戦後社会を考える」

参加費: いずれも会員、非会員ともに無料

2010年6月2日

鳩山由起夫首相の辞意表明に寄せて

中西 治 (11時30分)

鳩山由起夫さんが 2010 年 6 月 2 日午前 10 時過ぎに首相を辞するとの意志を表明しました。合わせて、小沢一郎さんにも幹事長職を辞するようにと述べました。私はいずれも当然であると思います。これでやっと民主党は今夏の参議院議員選挙をたたかえるようになりました。なぜこうなったのでしょうか。

第一は鳩山さんは首相の器ではなかったのです。指導力がなかったのです。言葉に重みがなかったのです。

第二は普天間問題です。鳩山さんが本当に国外・県外移転を考えていたのならば、まず、沖縄に行き、沖縄県民と話し合い、ついで、米国に行き、オバマさんと直接話し合い、日本国民の強い意志を伝えるべきであったのです。それを外務大臣や防衛大臣にまかせ、辺野古への移転を認める日米外務・防衛担当者の共同声明を準備させるようでは最初から腰が引けていたのです。

第三はお金の問題とそれに対する対応です。

私はそれでも昨年の政権交代と今回の辞意表明を歓迎します。主権者が日本の政治の方向を決めるようになりました。私は主権者の一人として、これからも積極的に発言し、行動します。

2010年6月1日

『所報』第5号の編集・発行について

中西 治 (8時16分)

『所報』第 5 号について 4 月 19 日に下記のメール 2 通を送りました。すでに 2 本の原稿が中西に寄せられています。第 5 号の編集・発行を次の要領でおこないます。

  1. 理事全員により編集委員会を組織する。理事長が責任者となる。応募者は原稿を中西にメールで送り、中西が各編集委員に転送する。全応募原稿が揃った段階で編集委員会が各原稿の掲載の可否を決定する。
  2. 第 4 号で実施した執筆者負担金を第 5 号では課さない。出版費用は研究所財政と販売代金により補填する。
  3. 内容と執筆者の多様化を図るために次のようにする。「ベトナム特集」論文等の他に、一般論文等も掲載する。書評および所員の主要業績 (とくに、2001 年以降の業績) 一覧表を掲載する。掲載文は、書評・業績一覧表を別として、1 人 1 篇とし、枚数は自由とする。
  4. 原稿 (書評・業績一覧表を含む) 提出希望者は 7 月 31 日までに題名 (仮題でも可) または書名などを付して中西にメールで申し出る。
  5. 9 月 30 日を原稿提出締切日とし、12 月 15 日を発行日とする。

本編集・発行の要領を『ニューズレター』第 20 号に掲載し、全会員への周知徹底をはかる。意見・要望等は中西にメールで送って下さい。

2010年5月19日

ユニバーサル・ユニバーシティ・インターネット (UUI) 開校にあたってのご挨拶

中西 治 (13時53分)

特定非営利活動法人 (NPO) 地球宇宙平和研究所 (IGCP) は、このたび「ユニバーサル・ユニバーシティ・インターネット (UUI) 」を開校しました。2010 年 4 月 18 日の開校式で、中西治が開校を記念して「私の人生哲学」と題して、添付の講義をおこないました。

UUI はインターネットを利用した新しいタイプのユニバーシティです。誰もが、何時でも、何処でも、何語でも、IGCP のメーリングリスト (ML) を通じて、1 万 2 千字以内の講義をし、講義を読むことができます。IGCP の正会員と賛助会員はすでに中西の講義をメールと文書で受け取っています。一般にも IGCP のウェブサイトで公開されています。また、『講義録』第 1 号 (DVD 付き) が定価 1,000 円で発売されています。

IGCP 会員以外の方で、IGCP の ML により講義を受信し、講義をおこなうことを希望される方のために、新たに「UUI 会員」制度を設けました。UUI 会員の会費は入会の日から 1 年間 1 千円です。すでに最初の会員をお迎えしました。「 UUI 運営申し合わせ」も添付します。是非ともご検討のうえ入会いただきたくご案内申し上げます。

第 2 回 UUI 公開講義の講師は小倉志郎さんです。時と場所は、2010 年 7 月 18 日 (日) 13 時 30 分から 15 時まで、横浜市青葉区区民活動支援センター会議室です。講義題目は「軍隊を捨てた国コスタリカに学んで」です。

『講義録』購入、入会申込みなどの連絡は、UUI 担当の浪木明理事にお願いします。

2010年5月17日

総会と講演会の報告

中西 治 (9時21分)

昨日、2010 年 5 月 16 日に IGCP の第 9 回総会と講演会が開かれ、無事終了しました。

総会では下記の四つの議案が承認されました。

本年 9 月のロシア旅行については、2010 年 9 月 5 日 (日)〜11 日 (土) に実施することとし、岡田邦生さんと浪木明さんに日程の調整をお願いすることにしました。

あとは岡田さんと浪木さんから直接、情報が伝えられます。

ユニバーサル・ユニバーシティ・インターネット (UUI) については、UUI 会員第 1 号の申し出がありました。

「UUI 講義録」第 1 巻 (DVD 付き) 定価 1,000 円が浪木明さんと遠藤美純さんの努力で完成しました。

ご希望の方は浪木明さんに申し込んで下さい。

講演会では中西治が添付のレジュメにもとづいて「現在の世界と日本」について講演しました。

ご一覧願えれば幸いです。

2010年5月3日

ユニバーサル・ユニバーシティ・インターネット (Universal University on the Internet=UUI) 運営申し合わせ

事務局 (18時04分)

  1. この申し合わせは特定非営利活動法人地球宇宙平和研究所 (以下、研究所と略称) が 2010 年 4 月 18 日にユニバーサル・ユニバーシティ・インターネット (Universal University on the Internet=UUI ) を開校したこ とに伴っておこなうものである。
  2. 研究所正会員および賛助会員は研究所のメーリングリスト (ML) を通じて文書で講義をおこない、研究所ウェブサイト管理者がウェブサイトに掲載する。
  3. 講義は一回 400 字原稿用紙 30 枚、 1 万 2000 字以内とする。言語は如何なる言葉であってよいが、 ML 送信およびウェブサイト掲載が困難な言語については当該講義担当者を中心に対策を講じる。録画・録音などはおこなっても、おこなわなくても良い。
  4. 講義担当者に謝礼を支払わない。 UUI が印刷物・ CD ・ DVD などを編集・制作・販売する場合、著作権は UUI に属し、当該講義担当者に所定の印税を支払う。印税の額は別に決める。 UUI が編集・制作・販売しない講義について著作権は当該講義担当者に属する。
  5. 研究所正会員および賛助会員以外の者で UUI において講義をし、研究所 ML を通じ講義を受信したいと希望する者のために UUI 会員制度を設ける。
  6. UUI 会員は入会金なしで、 1 年間会費 1 千円を研究所に支払うものとする。会費は入会の日から起算し、以後、継続可能とする。
  7. UUI 会員は研究所会員になることができる。その場合、入会金 (正会員 5 千円、賛助会員 2 千円) と年会費 (正会員 5 千円、賛助会員 3 千円) を支払うが、 UUI 会員としての会費 1 千円は研究所年会費の一部に充当する。研究所会員は『所報』および『ニューズレター』の無料配布を受けることができる。
  8. UUI 会費の振込先は下記とする。郵便振替口座番号: 00120-7-16913 口座名称:特定非営利活動法人  地球宇宙平和研究所
  9. 浪木明理事を UUI の運営責任者とする。

以上

2010 年 4 月 29 日

2010年4月30日

10. すべての人が教える人であり、学ぶ人である ―私の人生哲学

中西 治 (0時00分)

地球宇宙平和研究所は自由な人間の、自由な意志に基づく、自由な集団である。各人の思想・信条は自由である。それを自由に表明し、自由に行動する。同時に、他の人の思想・信条を尊重する。互いに切磋琢磨しながら、時代にふさわしい新しい思想・信条をつくり出す。どの思想・信条が正しいかは実践の中で明らかになる。

地球宇宙平和研究所が創設するユニバーサル・ユニバーシティ・インターネットは、すべての人に開かれた教育機関であり、すべての人が教える人であり、学ぶ人である。地球宇宙平和研究所の研究所員(正会員と賛助会員)はUUIにおいて、誰でも、何時でも、何語でも、何についても講義し、受講できる。当面、講義はIGCPのメーリング・リスト(ML)を通じて文章でおこない、IGCPのウェブサイトに掲載される。可能な場合は録画・録音され、DVD化される。いずれインターネットを通じて地球全体に放映されるようになるであろう。

研究所員以外の人々もUUI会員として、講義者となり、受講者になれる。

UUIは初めささやかな一滴であるが、いずれ大河となり、大海に注ぎ、全地球に広がるであろう。

その日をめざして努力したい。

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2010年4月29日

9. 宇宙も、地球も、人間も生き物 ―私の人生哲学

中西 治 (0時00分)

宇宙も、地球も、人間も生き物である。このところ頻発する地震・津波やハリケン・台風はそのことを示している。万物は流転し、変化する。私の生涯も間もなく終わる。100歳まで生きたとしても、あと20年ほどである。死とともに私は居なくなる。肉体は滅んでも、精神は残るという。私の心の中にはいまも両親をはじめ身近な人々、恩師、友人、知人など多くの人々の懐かしい思い出が存在する。私が居なくなったあとも、私のことを心に残して下さる人がいるであろう。精神が残るというのはこういうことである。文とは有り難いものである。私がいなくなっても、この文章を含めて私の文を読んで下さる方もおられるであろう。文のお陰で、私はいつまでも人々と接することができる。

宇宙や、地球や、人類の長い生命に比べて、個々の人間の生命はきわめて短い。この短い一生を人間は命を大切にし、楽しい幸せな平和な生涯を過ごさなければならない。私が接してきた人はすべて良い人であった。なかには話しの合わない人がいた。相手もおそらくそうであったであろう。根本には考え方の違い、思想・信条の違いがある。私は異なる考えから大きな知的刺激をうけ、新しい観点を学んだ。世の中には良くない人もいる。私は良くない人とは深く付き合わないようにしてきた。相手が良くないことをしても、私は良くないことはしないようにしてきた。相手が良くないからといって、私も同じように良くないことをすれば、私も良くない人となる。

第二次大戦後、日本社会は、戦前と比べて、多くの人にとって住みやすくなった。これは多くの人々が敗戦の廃墟から日本を復興し、経済大国にし、医療・年金・福祉制度を確立するのに努力したからである。戦後、日本は外国に軍隊を送って、その地の人を殺していない。民主主義制度も基本的に確立した。日本人はこのことを誇ってよいであろう。

民主主義は多数者による少数者の支配である。少数者による多数者の支配よりは良いが、少数者が無視される場合がある。職のない人、住居のない人、飢えに苦しむ人、病に苦しむ人、生きることが難しく、自ら命を絶つ人がいる。さらに、地球上には貧困とたたかい、飢餓とたたかい、病苦とたたかい、生きるために必死に努力している多くの人々がいる。このような人々に救いの手をさしのべるのが成熟した社会である。

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2010年4月28日

8. 科学技術の発展にふさわしい知恵と知識をあわせもつ人間を ―私の人生哲学

中西 治 (0時00分)

1966年4月に日本の大学で教え始めてから2008年3月に大学を辞するまで私は42年間にわたって大学教育に従事してきた。現在は特定非営利活動法人地球宇宙平和研究所で研究と教育にあたっている。

地球宇宙平和研究所の研究と教育がめざすのは次のようなことである。

第一は地球上に住むすべての人間の幸せである。

第二は地球全体の平和であり、地球の戦争を宇宙空間に拡大させないことである。

第三は人類の文化をこれまでよりも一段と高みに上げることである。

第四は新しい高い文化を次の世代に伝え、さらに発展させることである。

第五は以上の目標を実現させるためにも、21世紀の科学技術の発展にふさわしい知恵と知識と技術を併せ持った人材を養成し、その水準をさらに高めることである。

いつの時代でも科学技術の発展と人間の生き方についての考え方=倫理・哲学とのあいだにはギャップが存在する。科学技術の発展は世代間で急速に継承され、さらに前進するが、人間の生き方についての考え方はその継承に時間がかかり、その発展はきわめて緩慢である。私たちの世代は両親や祖父母の世代よりもはるかに多くのことを知り、多くの技術を身につけているが、私たちは彼らよりもはるかに立派な生き方をしていると言えるであろうか。

現代の科学技術の急速な発展のもとで、このギャップは著しく拡大している。とくに、戦争技術の発展と人間の倫理の発展においてそれはきわめて大きい。かつて一人の人間が一人の人間と争って相手を傷つけ、殺めるようなことがあったとき、人は、いろいろと理由があったにしろ、人を傷つけ、殺めたことに心の痛みを感じたであろう。第二次大戦時に広島と長崎の上空で飛行機から原子爆弾を投下し、一挙に十数万の人を傷つけ、殺めた爆撃士に、かつて一人の人間を傷つけ、殺めたときに人間が負った心の痛みの十数万倍もの心の痛みがあったとしたら、原爆は投下できなかったであろう。いまではさらに遠く離れたところから核弾頭を付けたミサイルを発射し、相手をまったく見ないで、一挙に何十万人もの人を殺せるのである。

時代は大量破壊殺戮兵器を生み出す高い技術水準にふさわしい高い倫理を備えた知恵の人を求めている。知恵の人はこのような兵器をつくらないし、使うようなことはしない。私がめざしているのはこのような人間の養成である。

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