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論文と見出し
アメリカ便り第一便(2002年4月11日)
  • アフリカ系アメリカ人の躍進
  • ニューアーク市長選挙
  • 世界貿易センター跡は最大の観光スポット
  • ラトガース大学ティーチイン
本文より抜粋


 2002年4月1日に日本を発ち、同じ日にニューヨークに着いて、すでに10日あまりが過ぎました。やっと住むところも決まり、研究体制が整いましたので、「アメリカ便り」第一便をお送りします。これからも折に触れて、お送りしようと思っています。


アフリカ系アメリカ人の躍進


 私が初めてアメリカを訪れたのは1973年6月にアメリカ合衆国国務省の招待で50日間アメリカ各地を旅したときでした。その後1983年、85年、90年、92−93年、95年、96年、98年、2000−2001年と8回アメリカを訪問しており、今度が10回目です。
 来るたびに気づくのはアフリカ系アメリカ人の躍進と地位の向上です。私がこれから1年間滞在するラトガース大学のキャンパスの一つがあるニュージャージー州ニューアーク市は、ニューヨークからハドソン川をへだてて電車で20分ほどのところにありますが、とくにアフリカ系アメリカ人の多い街です。ビザ取得のための書類の作成をはじめ何かとお世話になり、こちらに来てからも親切にしていただいているデズレイ・ゴードンさんも親切なアフリカ系アメリカ人女性です。1986年5月13日にニューアーク市長に選ばれ、それ以来4期連続16年間市長を務めている民主党の66歳のシャープ・ジェームスさんもそうです。



アメリカ便り第二便(2002年4月19日)

  • すでに真夏の暑さ
  • 途方もなく広く、大きなラトガース大学
  • 傑出した大学をめざして
  • クィーンズ・カレッジからラトガース・カレッジ、ラトガース大学へ
  • 日下部太郎とウィリアム・グリフス
  • ラトガース・日本会議

本文より抜粋


すでに真夏の暑さ


 アメリカの気候の変化の大きさに驚いています。
 4月第1週のニューヨークはまだ冬で、6日と7日の週末に街を歩いたときは肌寒く、夜にミュージカルを見に行った時には冬装束でした。日本から来年の冬用にと思って持ってきた手袋を取りだしたくらいでした。毛皮のオーバーを羽織っている女性がいました。7日(日)からサマータイムに入ったとき、なぜまだ冬なのにサマータイムなのかと不思議に思いました。
 8日にニューアークに移ってからも寒く、14日(日)に市内の大きなブランチ・ブローク公園(Branch Brook Park)で催された観桜会(Cherry Blossom Festival)に行く前にはこの寒さでは桜は咲いていないのではないかと心配していたくらいでした。でも、当日は暖かく、桜は満開でした。日本では今年は春の訪れが早く、3月末に桜の満開を楽しんできましたので、今年は二度、桜を愛でています。
 こちらの桜は日本よりは大柄です。開会式で挨拶した、首都ワシントンの観桜会にもニュージャージー・プリンセスとして出席する若い女性は背はそう高くなく、小太りでした。いかにもこちらの桜にふさわしい貫録のある、ふくよかな美人でした。



アメリカ便り第三便(2002年4月26日)

  • 首都ワシントンで反戦デモ
  • テロリズムは人間の悲惨な状態から生まれる
  • 巨大なデモンストレーション
  • なぜアメリカは嫌われるのか
  • 石油戦争
  • 急激に増大する軍事費
  • 高まる不安と不満
  • 単独世界一を望むアメリカ人
  • 柳の林の墓地
  • 8人の日本人
  • 蘇る墓
  • 人類と宇宙の歴史に特記されるような研究所をめざして
  • 第三便追記(2002年4月27日)
  • 第三便後日譚(2002年9月11日)

本文より抜粋


首都ワシントンで反戦デモ


 2002年4月20日(日)首都ワシントンで催された「Stop the War(戦争をやめよ)」ラリー(示威運動)を見てきました。最初は早朝出発、深夜帰宅ということで諦めていたのですが、第一便で紹介したジェン・カリフ教授にお会いしたところ、朝6時に私の自宅に自動車で迎えに来て下さり、夜は自宅まで送って下さるというので、いっしょに連れていっていただくことにしました。バス代は往復で30ドル、およそ4000円です。ニューアークから首都ワシントンまでは高速道路をとばして、およそ4時間のところです。途中に休憩を入れて4時間半ほどです。
 今度のラリーは、アメリカの全国青年学生平和連合(National Youth and Student Peace Coalition )、全国平和公正連合(National Coalition for Peace and Justice)、9-11 緊急全国ネットワーク(9-11 Emergency National Network)、ニユーヨーク市反戦労働者(NYC Labor Against the War)などのグループが共催したもので、多くの団体が後援していました。



アメリカ便り第四便(2002年5月9日)

  • 21世紀はどうなるのか
  • 大きな戦争なしに、民主的な地球コミュニティへ
  • 中国とアフリカに注目
  • 3国同盟・3国協商からベルサイユ・ワシントン、ヤルタ・ポツダムへ
  • アメリカとソビエトで革命
  • 工業革命・知識革命の時代にふさわしい政治的枠組へ
  • 現在と未来は私たちの手の中に

本文より抜粋


21世紀はどうなるのか


 今回のアメリカでの研究テーマは、21世紀の世界がどうなるのかです。この問題を考える上で、大変参考になる論文がありますので、これを紹介しながら、21世紀の地球を考えてみたいと思います。
 それは、アメリカ西海岸のシアトルにあるワシントン大学のジョージ・モデルスキー教授とインディアナ大学のウィリアム・トンプソン教授の共同論文「21世紀における地球政治の長と短」です。
 モデルスキーさんは、すでに、1978年の論文「地球政治の長波とネーション・ステート」で日本でも知られている方ですが、今回紹介しますのは、千年紀が終わるのを機会に、1999年にトンプソンさんと連名で発表したものです。
 このために、前の論文が16世紀以降の500年間を対象としていたのに対して、今回の共同論文は10世紀以降の1000年間を対象としています。もっとも大きな違いは、前の論文がもっぱら世界的勢力の興亡という観点から論じていたのに対して、今回の論文は、進化論の立場から論じていることです。



アメリカ便り第五便(2002年5月16日)

  • モデルスキー長波理論の進化
  • 悲観論が多いアメリカの21世紀論
  • 世界勢力、ユーラシア大陸を移動
  • 世界的勢力、西ヨーロッパからアメリカへ
  • ニューアーク市長に現職が5選される

本文より抜粋


モデルスキー長波理論の進化


 第四便で紹介した、ジョージ・モデルスキー(George Modelski)さんの地球政治の長波理論について、もう少し詳しくお伝えします。
 私がモデルスキーさんのことを初めて知ったのは、1978年の彼の論文「The Long Cycle of Global Politics and the Nation State(地球政治の長波とネーション・ステート)」によってでした。
 彼は、この論文で、1492年にコロンブスがアメリカに到達した、15世紀末以来の地球政治をおよそ100年を単位とした、世界的勢力(world power)の興亡の歴史として、描いていました。
 16世紀にはポルトガル、17世紀にはオランダ、18世紀と19世紀にはイギリス、20世紀にはアメリカが世界的勢力の地位にありました。
 モデルスキーさんは、これらの国々は、いずれも、つぎの四つの段階を経てきた、としていました。
 第一は、世界戦争の勝者として世界的勢力が登場する段階です。第二は、新しい世界勢力が新しい世界秩序を形成する段階です。第三は、世界勢力が世界秩序の維持に当たる段階です。第四は、新たな挑戦者が登場する段階です。この段階では、幾つもの勢力が競合します。



アメリカ便り第六便(2002年5月31日)

  • 一人ひとりに壇上で学位記を手渡すラトガ−ス大学
  • 黒人女性初の下院議員シャーリー・チズムさんに名誉博士号
  • いつの日か黒人の大統領が
  • 心に残る演説
  • 人間は一人ひとりがきわめて個性的
  • 教育は社会全体が行うもの
  • 人間はどこに属し、誰に忠誠心を持つのか
  • 歴史の復讐と未来の衝撃
  • 多様な帰属意識
  • グラウンド・ゼロ(地上に何もなし)

本文より抜粋


一人ひとりに壇上で学位記を手渡すラトガ−ス大学


 私がお世話になっている、アメリカ合衆国ニュージャージー州立ラトガース大学で第236回学位記授与式が行われました。今年、学位記を授与される者は全員で1万737人、学部を卒業して学士の学位を授与された者が7505人、大学院を終えて修士または博士の学位を授与された者が3232人でした。ラトガ−ス大学はもちろん、ニュージャージー州の大学の歴史においても、一つの大学で1年間にこれほど多くの人に学位記を授与した年はないようです。
 これだけの人が一堂に会することはできませんので、学位記授与式はニューブランズウィック、ニューアーク、キャムデンの三つのキャンパスで2002年5月23日、24日、31日の3日間にわたって行われました。私はニューアーク・キャンパスで挙行された学位記授与式にすべて参加しました。
 学位記授与式のことを"Commencement"と言います。これは、動詞"commence"(始める、開始する)の名詞で、もともとの意味は、開始、です。それを、アメリカでは、学位記授与式、に使っています。このことは大変重要な意味を持っていると思います。アメリカの大学では入学式はありません。したがって、アメリカの大学生または大学院生が初めて大学で参加する儀式が、学位記授与式であり、開始の式なのです。学位記授与式は大学の終わりの式ではなくて、新たな人生の始まりの式なのです。



アメリカ便り第七便(2002年6月18日)

  • 国際的体制を動かす要因―権力、富、秩序、帰属意識
  • 地球の未来像―民主的地球秩序、非国家的地球秩序、諸文明の衝突、体制的崩壊
  • 覇権なき一極か、覇権戦争か
  • 21世紀は私たちにかかっている
  • 1960年代から1970年代初めに日本社会に質的変化
  • 自民党単独政権崩壊の要因―社会構造の変化、意識の変化、指導層の腐敗
  • 国公式参拝は日本国家が過去の戦争を賞賛するもの
  • 戦争が起これば、逃げよ
  • 現職軍人がブッシュ大統領を激しく批判
  • アメリカ本土を常時戦時態勢に
  • フセイン大統領を暗殺してでも政権打倒を
  • 朝鮮・韓半島と中国・台湾の問題は自主的平和的解決を
  • 小泉首相は鳩山、岸、中曽根の潮流の人
  • 憲法をめぐる二つの潮流がはっきりと
  • 朝鮮・韓半島の平和とともに日米軍事関係の見直しを
  • 地球上で語られるすべての言葉でホームページを

本文より抜粋


国際的体制を動かす要因―権力、富、秩序、帰属意識


 アメリカ中東部のケンタッキー大学政治学准教授スチューアート・カウフマン(Stuart J. Kaufman)さんは、1999年夏の『International Studies Review(国際研究レビュー)』誌に「Approaches to Global Politics in the Twenty-first Century: A Review Essay(21世紀における地球政治への諸接近法:批評論文)」を寄せています。この雑誌の同じ号には、私の「アメリカ便り」ですでに紹介した、モデルスキーさんとトンプソンさんの論文「21世紀における地球政治の長と短」およびファーガソンさんとマンスバックさんの論文「千年紀のかわりめにおける地球政治」が掲載されています。
 カウフマンさんのこの批評論文は、これらの論文を含めて、一連の21世紀論をまとめて紹介し、批評したものです。今回は、このカウフマンさんの批評論文を中心にして21世紀を考えてみたいと思います。
 カウフマンさんは、国際的体制を動かす主な要因として次の四つをあげています。第一は現実政策(realpolitik)、つまり、権力の追求です。第二は富を追求する経済体制です。第三は秩序を維持する社会的技術(Social technology)です。社会的技術というのは、聞き慣れない用語ですが、社会的秩序を維持するための手段と方法です。第四は集団への参加者を明確にする帰属意識です。



アメリカ便り第八便(2002年9月11日)

  • 9・11事件一周年
  • 犠牲者に多額の募金
  • 意気軒高なブッシュ大統領
  • 実行犯の捜査、早々に打ち切り
  • 実行犯とオサマ・ビンラディンとの関係は
  • オサマ・ビンラディン、アルカイダは今
  • WTCの破壊は1993年が序曲で、9・11が本番
  • アフガニスタン攻撃は2001年初めから計画
  • 9・11事件は警告されていた
  • ソ連、アフガンの罠へ
  • アフガニスタンは諸帝国の墓場
  • アメリカは対外政策の転換を

本文より抜粋


9・11事件一周年


 今日、2002年9月11日はあの事件から丁度1年目です。アメリカでは世界貿易センター(World Trade Center = WTC)があったニューヨーク市、国防総省(ペンタゴン)のあるバージニア州アーリントン、アメリカの民間航空機が一機墜落したペンシルべニア州シャンクスビルをはじめ各地でさまざまな催しが行なわれました。あの事件で37人の男女を失ったここラトガース大学でも三つのキャンパスで追悼式が催されました。私も午後2時30分からニューアーク・キャンパスで開かれた会に出ました。
 ニューヨークのWTCの跡地であるグラウンド・ゼロ(Ground Zero)では追悼式が挙行されました。グラウンド・ゼロとはもともとは軍事用語です。たとえば、原爆の爆心地のように爆撃の中心を意味し、そこから何メートルというように測ります。また、衝撃的な大きな変化のスタート地点という意味でも使われています。私は2002年5月30日に遺体の捜索と整理が終わった式典を見に行ったときに、地上に何もなし、がぴったりだと思いました。



アメリカ便り第九便(2002年9月30日)

  • ラーングホン著『地球一体化の到来―その進化と現在の結果』
  • 地球一体化はコミュニケーションズ革命の結果
  • 国家と国家関係は垂直型かピラミッド型
  • 新しい活動体は水平的
  • 通貨市場で国家と国際機関の役割が低下
  • 人間社会の将来は正しい判断にかかる
  • コミュニケーションズ革命の第一段階は蒸気機関車と電信
  • 第二段階はロケット
  • 第三段階はファックス、e-メール、インターネット
  • 18世紀の国家はフランスが適正規模
  • アメリカとロシアが19世紀末−20世紀に地球的規模の支配を
  • ソビエトとアメリカは地球一体化時代には大きすぎる
  • 私的な人道主義的組織が国連と並んで
  • ローマ帝国の崩壊、中国王朝の解体、ルネッサンス、宗教改革以上に興味をそそるもの
  • 政府が為すべき仕事とは
  • 地球的経済・財政制度の新しい管理機構を
  • 新しい地球的秩序とは
  • 国連の改組と新しい地球的安全保障機関の創設
  • 軍隊よりは強力な警察力を
  • 地球的資本主義のプラスとマイナス
  • 地球的資本主義の道徳的美徳とは
  • ラーングホン教授はイギリスの知識人
  • 日本と朝鮮の不幸な歴史に終止符を
  • 東アジアの平和への寄与を

本文より抜粋


ラーングホン著『地球一体化の到来―その進化と現在の結果』


 私が属しているラトガース大学の地球的変化統御センター(Center for Global Change and Governance)の所長リチャード・ラーングホン(Richard Langhorne)教授の大学院セミナー「地球システムの進化」に9月の新学期から出席しています。
 ラーングホン教授は1940年の生まれで、今年62歳です。教授はイングランド東南部のケント大学で修士の学位をとられたあと同大学で国際関係史の講師を務められました。その後ケンブリッジ大学国際研究センター所長を経て1993年から連合王国(イギリス)外務・連邦省のシンクタンクであるウィルトンパークの所長をされていましたが、ラトガ−ス大学が1995年に新しいセンターの設立を決めたときに初代所長として招かれました。実際にセンターが活動を開始したのは1996年ですが、教授は設立準備段階からずっと所長をされています。2001年9月から1年間の研究休暇中はファーガソン教授が共同所長として所長職を務められました。この共同所長制は今学期も続いています。



アメリカ便り第十便(2002年10月19日)

  • 2002年11月5日は中間選挙の投票日
  • 民主党は上院での多数を維持できるのか
  • 共和党は下院での多数を維持できるのか
  • 初のアフリカ系ニューヨーク州知事が生まれるのか
  • 南部でアフリカ系連邦上院議員、ヒスパニック州知事誕生か
  • ニュージャージー州で民主党上院議員候補者が交代
  • アメリカ民主主義は金持ち民主主義
  • ミゾリー州の女性上院議員が900万ドル、11億円を集める
  • 候補者名簿の変更をめぐって州と連邦の最高裁判所で裁判
  • ハワイ州では死亡した下院議員候補者がそのまま名簿に
  • パシー・タケモト・ミンクさんは女性運動の草分け
  • ハワイで40年振りの共和党の州知事なるか
  • 一年間の部屋代と食費が180万円
  • 235万円が4人家族の貧困ライン
  • もっとも年収の多いのはアジア系
  • 年収10万ドル以上の少数派人種がニュージャージー州に7万341人
  • ダウジョウンズ株価は777ドルまで下がるのか
  • イラクでの軍事力行使権限を大統領に
  • 石油のために血は流さない
  • 1962年のキューバ危機の再現を

本文より抜粋


2002年11月5日は中間選挙の投票日


 アメリカでは4年ごとに大統領選挙が行なわれます。その中間の年に任期2年の下院議員435人全員の改選と任期6年の上院議員100人のほぼ三分の一に当たる人の改選が行なわれます。アメリカの上院議員はアメリカ合衆国を構成する50の州から2人ずつ選出されていますが、1回の選挙で2人が同時に選ばれるのではなく、1回の選挙では1人が選ばれ、改選の時期がずれるようになっています。今回の選挙で上院議員が改選される州は34であり、16の州では上院議員の選挙は行なわれません。また、任期の終わった州知事の選挙も一部の州で行なわれます。
 これらの一連の選挙を中間選挙といいます。いまアメリカでは11月5日(火)の投票日をめざして激しい選挙戦が展開されています。今回はこの選挙と私のアメリカでの生活やアメリカ人の生活状況について書きます。



アメリカ便り第十便追伸(2002年10月25日)

  • マイナーパーティーの活躍
  • ほぼ現状維持か
  • チェチェンからロシア軍の撤退を
  • ウェールストン上院議員、飛行機事故で死去

本文より抜粋


マイナーパーティーの活躍


 今回の中間選挙でもう一つ注意すべきことがあります。それはいわゆる「メジャーリーグ(大政党)」である共和党と民主党の政治に満足できない人々の運動です。これらの人々は「マイナーパーティー(小政党)」を組織するか、無所属で活動しています。
 1992年の大統領選挙では大金持ちのロス・ペローさんが改革党を旗揚げして共和党の前のブッシュ大統領と民主党のクリントンさんのたたかいに割り込みました。また、2000年の大統領選挙では消費者運動のラルフ・ネーダーさんが共和党の今のブッシュ大統領と民主党のゴアさんと並んで緑の党から立候補しました。結果的にはペローさんは前のブッシュ大統領の票を割って当選の覚束なかったクリントンさんを大統領にすることになりました。ネーダーさんは逆にゴアさんの票を食って今のブッシュ大統領に当選をもたらしました。大統領選挙ではまだこのように消極的な形でしか影響を与えていませんが、草の根では一定の力を持つようになっています。



アメリカ便り第十一便(2002年11月10日)

  • 上下院選挙では共和党、州知事選挙では民主党が健闘
  • 共和党、ミネソタ、ミゾリー、ジョージアの上院議員職を民主党から奪う
  • 民主党、ミシガン、イリノイ、ウィスコンシン、ペンシルベニアの知事職を共和党から奪う
  • 戦争反対のバーバラ・リーさん、81%の高率で再選
  • 亡くなったタケモト・ミンクさんが下院議員に当選
  • 移行期間の上院に独立党の議員が誕生
  • 州ごとに違う売上税
  • ウェールストンさんはユダヤ系移民の子供
  • プーチン大統領に未来はない

本文より抜粋


上下院選挙では共和党、州知事選挙では民主党が健闘


 2002年11月5日のアメリカの中間選挙結果がほぼ明らかになりました。
 ブッシュ大統領の与党である共和党が注目の上院で改選議席20を22にして2議席増やし、非改選議員29を含めて選挙前の49議席から51議席となり、上院の定数100人の過半数をこえて多数派になりました。民主党は選挙期間中に一人が飛行機事故で亡くなり49議席となっていましたが、死亡者を含めた改選議席14が11となり、2議席を失い、1議席が未確定で、非改選議員36を含めて47議席となって選挙前の50人の議員を擁する多数派から少数派に転落しました。1議席は改選されなかった民主党寄りの無所属議員です。



アメリカ便り第十二便(2002年11月30日)

  • ジョセフ・ナイ著『アメリカン・パワーのパラドックス』
  • 9・11にすべては変わる
  • パワーとは何か
  • アメリカ、20世紀の指導的国家に
  • 21世紀のパワーはハードとソフトのミックス
  • 21世紀の地球的挑戦者はどこか
  • ヨーロッパがもっとも手強い相手
  • アメリカ、21世紀を越えて指導的パワーに
  • アメリカは20世紀に本当に唯一の指導的国家であったのか
  • アメリカは強い国か弱い国か
  • 日本は1930年代の歴史に率直な反省を
  • ジェームズ・ローズナウ「グローバリゼーションを越えて」
  • 感謝祭を迎える

本文より抜粋


ジョセフ・ナイ著『アメリカン・パワーのパラドックス』


 アメリカの国際政治学者ジョセフ・ナイ(Joseph S. Nye Jr.)さんが大変面白い本を書きました。ナイさんは日本でも良く知られている国際関係の研究者で、1964年からハーバード大学で教えていましたが、クリントン大統領の下で1993−94年に国家情報会議(National Intelligence Council)議長、1994−95年に国防次官補(Assistant Secretary of Defense)を務め、とくに「冷戦」終結後の日米関係の見直しで活躍しました。1995年にハーバード大学に復帰し、現在はハーバード大学ケネディ記念行政大学院(Kennedy School of Government at Harvard University)の院長をしています。この方が『アメリカン・パワーのパラドックス:なぜ世界唯一の超大国が一人では歩めないのか(The Paradox of American Power: Why The World's Only Superpower Can't Go It Alone )』Oxford University Press, 2002. を上梓しました。



アメリカ便り第十三便(2003年1月1日)

  • 謹賀新年
  • 論文「日本社会と日米関係
    ―20世紀世界システムから21世紀地球秩序への転換の中で―」
    1. はじめに
    2. 20世紀世界システムの変遷
    3. 19−20世紀の日米関係と日本社会
    4. 20世紀世界システムから21世紀地球秩序へ
    5. 21世紀地球秩序と新しい地球安全保障機構・地球経済財政金融機構の創設
    6. 21世紀の日本社会と日米関係
    7. むすび

本文より抜粋


謹賀新年
2003年の新春をお慶び申し上げます。
ますますのご活躍とご多幸を心からお祈りします。
年頭にあたりこれまでの研究をまとめた試論的な論文をお送りします。


論文「日本社会と日米関係
―20世紀世界システムから21世紀地球秩序への転換の中で―」


特定非営利活動法人地球宇宙平和研究所理事長 中西 治


1 はじめに


 地球は1970年代以降急激に進んでいる情報革命により急速に一体化し、知識情報社会へと向かっている。2001年9月11日の出来事は現在の国際システムが今回のような問題を統御できないことを示している。本論文はこのような出来事を繰り返さないために現在の国家を中心とした国際連合や国際通貨基金(IMF)、国際復興開発銀行(世界銀行)、世界貿易機関(WTO)の他に個人とそのグループにより新しく地球安全保障機構と地球警察および地球経済財政金融機構を創設するように提案している。また、20世紀が生み出した人類共通の財産である国際連合憲章と日本国憲法の理念を21世紀において実現するために努力しなければならないことを主張している。



アメリカ便り第十四便(2003年1月12日)

  • 中間選挙結果が確定
  • ブッシュ大統領の作戦勝ち
  • ロット共和党上院院内総務、失脚
  • 第108議会、召集
  • ネーション・ステートの同盟からネーション・ステーツへ
  • 失業給付金の追加支給延長と経済刺激策発表
  • 民主党の2004年大統領候補は誰か
  • 第十四便追記 「ネーション・ステーツ」の用語について

本文より抜粋


中間選挙結果が確定


 2002年11月−2003年1月のアメリカの中間選挙結果がやっと確定しました。
 上院議員選挙では決選投票にもつれ込んだルイジアナ州で民主党の女性現職ラーンドルーさんが64万2974票、52%を獲得し再選されましたが、最終的には共和党が改選議席20を22に増やし非改選議員29と合わせて選挙前の49議席から51議席となり、上院の定数100人の過半数を制し、少数派から多数派になりました。民主党は改選議席14(選挙中に亡くなった議員を含む)から12となり、2議席を失い、非改選議員36と合わせて48議席となり、多数派から少数派に転落しました。あとの1議席は非改選のバーモント州選出の民主党寄りの無所属議員です。選挙前の欠員は選挙中に亡くなった議員を除いて0でした。
 下院議員選挙でも決戦投票が行なわれたルイジアナ州第五選挙区で民主党が勝利しました。得票数が接近していたために当選者が確定していなかったニューヨーク州第一選挙区では民主党の新人が共和党の現職を2400票ほどの差で敗って当選し、コロラド州第七選挙区では共和党の新人が民主党の新人を400票ほどの差で敗って当選しました。



アメリカ便り第十五便(2003年3月7日)

  • 旅は人間を変える
  • 9人の大統領が奴隷を所有
  • 「すべての男性は平等につくられる」
  • すべての人は個性的に生まれる
  • 奴隷制支持者主導で憲法制定
  • 奴隷制をめぐって合衆国分裂へ
  • 南部でアメリカ連盟国を結成
  • 奴隷解放とジムクロウ
  • 初の女性議員、第一次大戦と第二次大戦への参加に反対
  • 「私には夢がある」
  • 夢はまだ実現せず
  • 風とともに去らず
  • 1500万ドルでルイジアナを購入
  • 1869年にアメリカ大陸横断鉄道完成
  • 岩倉使節団がたどった道を
  • アメリカ大陸からユーラシア大陸へ
  • アメリカの未来には希望がある

本文より抜粋


旅は人間を変える


 2003年2月1日から30日間汽車で北アメリカ大陸を南北東西に一周する旅をしました。広大な自然と美しい景色を愛で、多くの人々と出会い、学び、貴重な経験をしました。旅は人間を変えます。この旅を私は勝手に「アメリカ歴史の旅」と名付けていますが、旅について報告する前にアメリカの歴史を振り返っておきたいと思います。
 近代アメリカの歴史は1492年にイタリアの探検家コロンブス(Columbus)がスペインの援助を受けてアメリカ大陸に到達した時に始まります。アメリカの地名は同じくイタリアの探検家アメリゴ・ベスプッチ(Amerigo Vespucci)の名にちなんだものです。当時北アメリカ大陸には200万人から500万人の先住民が住んでいたといわれています。この地にポルトガル、スペイン、フランス、スウェーデンなどのヨーロッパ大陸の人々が到来しました。
 イギリスによる本格的な植民はこれらの国々からは遅れて16世紀末に始まりました。最初の植民地は未婚の女王エリザベスに捧げてバージニアと名付けられました。1620年にはピューリタン(清教徒)の一団が信教の自由を求めてメイフラワー号で到達し、プリマス植民地を作りました。




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『アメリカ便り』( 「アメリカ便り」第一便〜第九便を編集)は定価800円、『続・アメリカ便り』( 「アメリカ便り」第十〜第十五を編集)は定価1000円になります。。


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『アメリカ便り』(第一便〜第九便)は定価800円、『続・アメリカ便り』(第十〜第十五)は定価1000円となります。
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