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抱きしめ合う知恵を

のぶおパレットつじむら

「宙(そら)読む月日」第15回

新年が明けた今朝、NHKで、NHKスペシャル シリーズ「遷宮」第1回「伊勢神宮〜アマテラスの謎」が放送された。

番組によれば、倭国が日本と名乗り、日本人が独自の式年遷宮を始めたのは、強大な唐の文明に対抗するためであった。

初め日本人は山や太陽、自然そのものを神として信仰していた。太陽は岩上祭場で祀り、天に突き出した岩の上に太陽を表す鏡を天に向けて奉納した。

それが途中から、太陽はアマテラスという人の姿をした神に変わり、祭場も岩陰になり、人が生活するのに必要な衣服や食器を奉納するようになった。 天皇家はアマテラスの子孫であるという権威づけのためには、太陽は自然そのものでなく人の姿をしている必要があった。

日本が国家として初めて編纂した正史である『日本書紀』は、第1巻から順に書かれたわけではない。 日本書紀は全編漢文で書かれていて、文体を見ると、途中のα群、初めのβ群、最終巻の順に書かれたことがわかるという。

当時の近代史であるα群は、来日した中国人によって正しい古代中国語で書かれた。アマテラス含む神話から始まるβ群は、来日した中国人から中国語を習った日本人が書いた。「鎮座」「常世」という中国語にはない和製漢語が多く、中国語としては誤りだらけの内容である。β群は後から付け加えられた。

兄弟や親戚に皇位を譲るという習わしを破って孫に皇位を継がせたかった持統天皇は、天上のアマテラスが孫のニニギを遣わして地上を支配させるという天孫降臨神話で、自分のやりたいことを正当化する必要があった。だから神話の部分は、(当時の)現在にとって都合の良い過去として付け加えられたものである。以上が、わたしが番組から学んだ内容だ。

日本人が中国人に精一杯反抗しても、そもそもDNA鑑定によると日本人の祖先の約4割は中国大陸からやって来た(『Discover Japan』2012年8月号特集「ニッポン人はどこから来たの?」枻出版社 参照)。しかも、『日本書紀』を書いた当時は、自分たちの文字を持っていなかったから、独立を宣言するための歴史も中国語で書かねばならなかった(漢字をもとにしてひらがなやカタカナが生まれるのはその後のことである)。

これらのことからも中国は親で日本は子であることがわかる。日本の始まりは子の親離れのようなものであった。

2013年12月26日、安倍晋三首相は靖国神社を参拝した。これは日本の軍国主義を封じた第二次大戦後の国際秩序に対する反抗である。アジア太平洋地域を侵略したことの反省とその後の友好平和の努力を踏みにじり、自らの不戦の誓いを破るものである。文明の親としての中国、民主主義の親としての米国への反逆である。安倍首相は日本のルーツも、民主主義も、不戦の誓いもないがしろにしている。日本を大日本帝国に戻そうとしている。

そのような人間が相争って共に滅んでいく事態を避けようという思いを原点として、オーストラリアのデイヴィッド・クリスチャンはビッグ・ヒストリーを、ロシアのアコプ・ナザレチャンはメガ・イストーリヤを打ち立てた。ところが、これらは自らを科学的世界観であるとし、これらの産みの親である神話的・宗教的世界観と対決している。これらもまた子の親離れの段階にある。

子が親から自立するためには一時の反抗期が必要だろう。しかし、いつまでもそうしているわけにはいかない。子もまた親となり、次の世代を生み、育み、抱きしめる番が来る。何より、親がいなければ子は存在しなかった。それが反面教師であろうが何であろうが、自分が今存在し生きている、その一点だけで親が存在した意味がある。

正月を一家団欒で過ごすのは、人間が仲睦まじく愛情をもって暮らしていくための知恵のひとつである。それは学問を経ずとも人びとが学び知っている大事なことである。だから人びとは毎年毎年集い合うのだ。日本も、ビッグ・ヒストリーも、今日この時に人びとが実践している偉大な知恵に学ばねばならない。その知恵は、親と子が、兄弟親戚が、抱きしめ合い、抱きしめ合うように接する光景の中にある。わたしたちは、抱きしめ合うために生まれてきたのだ。

2014年元旦

2014年の新春を寿ぎます

中西 治

安倍晋三首相が本日、2014年1月1日に発表した年頭所感には「強い日本」、「積極的平和主義」、「新しい国づくり」、「誇りある日本」などの言葉が散りばめられています。

そのめざすものは憲法を改定し、日本を戦争ができる国にすることです。この道は明治以降に日本が歩み、失敗した道です。今回は米国と組んで戦おうとしています。

米国を含めて世界の人々は日本軍国主義復活の危険を感じています。彼らが求めているのは日本が中国や韓国などの近隣諸国と争うのではなく、仲良くすることです。

2014年1月11日に私たちの特定非営利活動法人地球宇宙平和研究所は『ビッグ・ヒストリー入門』を出版します。9.11と3.11の出来事に対処する新しい学問の提起です。

私たちは毅然として戦争に反対し、あらゆる国との平和、友好、学術・文化交流に努めます。

ご活躍とご多幸をお祈り申し上げます

2014年元旦