月別アーカイブ: 2013年12月

81歳の誕生日を迎えて

中西 治

歴史家とは自然と人間を観察し、それを歴史的に位置づけ、記述し、後世に残す人である。

私は2014年1月11日に出版される『ビッグ・ヒストリー入門』で137億年前の宇宙の誕生から今日までの自然と人間の変化を記した。さらに、今日から人間の死滅、地球・太陽・宇宙の消滅に至るまでの過程を描いた。

人間の死滅、地球・太陽の消滅と言っても、それは何十億年も先の話である。せいぜい100年ほどの寿命の人間がいまからそれに恐れおののくことはない。「生者必滅」を認識し、一千年、一万年ぐらいの先を見ながら、100年間の人生をこの大宇宙のなかでいかに生きるべきかを考えればよい。

中国では樹を育てるのに10年、人を育てるのに100年の歳月が必要であるという。

『ビッグ・ヒストリー入門』が上梓されたことで世界の「ビッグ・ヒストリー」研究・教育は新しい出発点に立った。私はこれからも次々と本を出版し、幼児を含むあらゆる世代の教育に積極的に取り組む。私の新しい人生が始まった。

新春シンポジウムのお知らせ

事務局

下記のように新春シンポジウムを開催いたします。皆さんのお越しをお待ちいたしております。なお、新年宴会については追って詳しくお伝えいたします。

新春シンポジウム「ビッグ・ヒストリーと私たちの将来」

2014年1月12日(日)午後5:15から6:45まで(5時開場)
かながわ県民センター(横浜駅西口5分 電話:045-312-1121) 711号室(42名対応)

報告者(敬称略) 
中西治、片山博文、桜井薫、辻村伸雄

討論者(敬称略)
岡田邦生、渡辺宏、岩木秀樹

新年宴会

2014年1月12日(日)午後7:00から9:00まで
会費3000円程度
場所はかながわ県民センター近くですが、追って詳しくお伝えいたします。

*新年宴会のみの参加も歓迎いたします。予約の都合がありますので、参加希望者は1月9日までに、事務局までご連絡下さい。

特定非営利活動法人地球宇宙平和研究所設立12周年記念日にあたって

中西 治

本日は12年前の2001年12月15日に私たちの研究所が設立総会を開いた日です。

この日から今日までの日々が走馬灯のように思い出されます。改めて研究所を創り、支え、発展させたすべての方々に心から厚く御礼申し上げます。

研究所は2011年12月に設立10周年を盛大に祝い、現在、2021年の設立20周年に向けて着実に発展しています。2012年にユニバーサル・ユニバーシティーを開校し、2013年に単行本『ビッグ・ヒストリー入門』を出版し、市販します。

理事会は現在、全力を挙げてこの本の編集・出版に取り組んでいます。本日、総編集を終え、印刷・製本に着手します。新年、2014年1月12日に開催されるシンポジウム・新年宴会までにはお手元に届きます。単行本の出版は今後も体系的・継続的におこないます。

今回の経験に学び、一冊ごとに良いものにし、新しい思想と学問の創造・発展、地球と宇宙の平和のために寄与します。

今後ともいっそうのご指導・ご支援をお願いいたします。

ますますのご健勝をお祈り申し上げます。

日米戦争開始72周年にあたって

中西 治

本日、2013年12月8日は72年前の1941(昭和16)年12月8日に日本軍が真珠湾を奇襲攻撃し、日米戦争が始まった日です。私は当時、国民学校3年生、8歳でした。ラジオで放送された大本営発表「帝国陸海軍は今8日未明、西太平洋において米英軍と戦闘状態に入れり」をいまも覚えています。

1945年8月15日に日本がポツダム宣言を受諾し、第二次大戦で敗北してから68年、あの戦争は遠い昔のこととなりました。

新しい戦争の足音が急速に近づいてきています。安倍晋三首相は本気で戦争の準備を始めたようです。「国家安全保障会議」の設置に続く「特定秘密保護法」の制定です。

私は今回の「特定秘密保護法」を1925(大正14)年4月22日に制定された「治安維持法」と同じような法律であると考えています。

「治安維持法」第1条は「国体を変革し、または、私有財産制度を否認することを目的として結社を組織し、または、情を知りてこれに加入したる者は10年以下の懲役、または、禁錮に処す」と規定しています。

この条文は1928(昭和3)年の改正で「国体を変革することを目的として結社を組織したる者、または、結社の役員、その他の指導者たる任務に従事したる者は死刑、または、無期、もしくは、5年以上の懲役、もしくは、禁錮に処」すとなりました。

1941年3月10日の改正でさらに「5年以上の懲役、もしくは、禁錮」が「7年以上」になりました。

最高の刑罰は最初の「10年以下の懲役、または、禁錮」から最後は「死刑、または、無期、もしくは、7年以上の懲役、もしくは、禁錮」になりました。

戦前と戦中の日本を知らない人のなかには「どうして戦前の日本人は戦争に反対しなかったのですか」と問う人がいます。戦前・戦中にも戦争に反対した人はいたのですが、この人々は「治安維持法」によって弾圧されました。「治安維持法」は当初「国体を変革し、または、私有財産制度を否認する」者を対象としていましたが、実際には、それは拡大解釈され、天皇制に反対する人や共産主義者だけでなく、大本教をはじめとする宗教団体や戦争に反対する平和主義者、政府の政策を批判する人々などにも適用されました。彼らは逮捕され、厳しい取調べをうけ、「転向」を迫られ、天皇と国家への服従・忠誠を強いられました。こうして日本は戦争体制を確立し、戦争を起こし、拡大していきました。その結果が敗戦でした。

2013年12月6日に成立した「特定秘密保護法」は「我が国の安全保障に関する情報のうち特に秘匿することが必要であるものの漏えいの防止を図り、もって我が国及び国民の安全の確保に資することを目的」としています。

罰則として「特定秘密の取扱いの業務に従事する者がその業務によって知得した特定秘密を漏らしたときは、十年以下の懲役に処し、又は情状により十年以下の懲役及び千万円以下の罰金に処する」と規定しています。

また「外国の利益若しくは自己の不正の利益を図り、又は我が国の安全若しくは国民の生命若しくは身体を害すべき用途に供する目的で、特定秘密を取得した者は、十年以下の懲役に処し、又は情状により十年以下の懲役及び千万円以下の罰金に処する」と規定しています。

特定秘密を漏らした公務員だけでなく、特定秘密を取得した者も罰せられます。 「特定秘密の指定」をおこなうのは行政機関の長であって、その人だけが特定秘密の内容を知り、特定秘密に指定されていることを知っています。国民は「特定秘密とは何か」を具体的に知ることはできません。国民は取得した情報が「特定秘密か、そうでないか」分かりません。

私は「治安維持法」がかつて果たした役割を情報化時代において「特定秘密保護法」が果たすのではないかと危惧しています。はしなくも両者はともに当初の罰則を「10年以下の懲役」に処すこととしています。戦争はふたたび国を滅ぼし、多くの人々を不幸にします。この道を断ち、将来に禍根を残さないために「特定秘密保護法」はできるだけはやく廃止すべきです。

私たちの研究所は現在、理事会が『所報』第8号を単行本『ビッグ・ヒストリー入門――137億年の歴史を語る』として出版するために全員で編集委員会を組織し、全力を集中して努力しています。原稿も全部そろい、編集も最終段階に入っています。ISBN(出版者記号)を確保し、新刊書を市販できるようになりました。

このような時代だからこそ私たちは平和に徹した、時代にふさわしい新しい思想と学問を創造しなければならなりません。新しい本がそのための一助になることを願っています。

2013年12月8日