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2012年12月の総選挙結果について(下)

中西 治

他方、民主党は比例区で前々回2100万、前回2980万、今回960万となり、当選者も61名,87名、30名となりました。民主党は小選挙区でも前々回2400万、前回3340万、今回1350万となり、当選者も52名,221名、27名となりました。民主党は比例区でも小選挙区でも前回と比しておよそ2000万の票を失いました。

共産党の比例区での得票数は前々回と前回はともに490万でしたが、今回は360万に減り、当選者は前々回および前回の9名から8名となりました。小選挙区での得票数は前々回490万、前回290万、今回470万ですが、当選者はいずれも0名でした。

社民党は比例区で前々回370万、前回300万、今回140万であり、当選者は6名、4名、1名でした。小選挙区では前々回99万、前回130万、今回45万であり、当選者は1名、3名、1名でした。

国民新党は比例区で前々回110万、前回120万、今回7万であり、当選者は前々回2名、前回も今回も0名でした。小選挙区では前々回43万、前回73万、今回11万であり、当選者は2名、3名、1名です。

つまり、比例区では既成政党は民主党、自民党から社民党、国民新党に至るまですべての政党が得票数を大幅に減らし、それらの票が新しい政党に回りました。

比例区で維新は得票数1220万、得票率20%、当選者40名、未来はそれぞれ340万、5%、7名、みんなは前回の300万、4%、3名から520万、8%、14名となり、得票数は220万増えました。

簡単に言うと、民主党から離れた有権者2000万のうち1700万ほどが維新と未来とみんなの3党に移りました。

小選挙区での維新の得票数は690万、得票率は11%、当選者は14名、みんなはそれぞれ280万、4%、4名、未来は290万、5%、2名でした。

小選挙区制は前々回の2005年に自民党を大勝させ、前回の2009年に民主党を大勝させ、今回の2012年にふたたび自民党を大勝させました。自民党が大勝したときの小選挙区での同党の得票率は2005年が47%、2012年が43%でした。民主党が大勝した2009年の同党の得票率は47%でした。小選挙区で40%以上の得票率があれば、大勝するのです。

小選挙区制は得票数で1位を占める候補者の多い政党に実際の得票率よりもはるかに多い当選者を生み出す虚像の制度です。このことを主権者も、主権者によって選出された政治家も認識し、とくに与党の政治家は小選挙区制によって与えられた過大な数に驕ることなく、謙虚に慎重に権限を行使することが必要でしょう。

権力を預かることは全国民の命を預かることです。すべての国民の生命・財産を守り、衣食住を保障し、医療・社会保障制度を整え、国民が安心して幸せな一生をおくれるように努力しなければなりません。権力を預かる人は自分に投票してくれた人々だけではなく、投票してくれなかった人々についても配慮しなければなりません。

民主党の多くの指導者たちはそのことを十分に自覚せず、自党内の争いに終始し、約束したことを守らないだけでなく、約束しないことを国民に押しつけたのです。権力を預かる資質がまだなかったのです。日本が今後どのようになるのかについては改めて論じます。

2012年12月の総選挙結果について(上)

中西 治

中西治UU学長が年頭に発表された文を2回に分けて掲載いたします。―事務局

2012年12月の総選挙結果について      中西 治

2012年12月の衆議院議員選挙で自由民主党は前回2009年8月の選挙による119議席から294議席に増え、民主党は前回の308議席から57議席に減りました。自民党は単独で総議席480のうちの過半数240をはるかにこえる議席を獲得しました。

公明党は前回の21議席から31議席になり、自公を合わせると、325議席となりました。自公連立政権は総議席の3分の2(320議席)をこえる大政治勢力となりました。
一見、自民・公明両党は日本国民の圧倒的多数の支持を得ているかのようにみえます。しかし、実際はそうではありません。

第一に指摘すべきは投票率の低さです。今回の投票率は59%です。有権者10人のうち4人が棄権しました。しかも、白票や無効票などがきわめて多かったといわれています。日本の有権者の半数近くは政治の現状に失望し、すべての政党に期待していません。憂慮すべき状態です。

第二は自民・公明両党はともにこのところ総選挙のたびに得票数を減らしています。

今回の比例区における自民党の得票数は1660万(当選者数以外の数字はすべて概数)、得票率は27%、当選者は57名です。公明党の得票数は710万、得票率は11%、当選者は22名です。合わせても2370万、38%、79名です。投票率が59%ですので、全有権者に対する比率は22%ほどです。自公両党の支持者は有権者5人のうちの1人です。

しかも、前回2009年8月の総選挙における比例区の自民党の得票数は1880万、得票率は26%、当選者は55名でした。公明党の得票数は805万、得票率は11%、当選者は21名でした。自民党は220万、公明党は95万、それぞれ前回より得票数を減らしています。

さらに、前々回2005年9月の小泉郵政解散による総選挙結果と比較すると、その減少はいっそう顕著です。このときの自民党の得票数は2580万、得票率は38%、当選者は77名でした。公明党の得票数は890万、得票率は14%、当選者は23名でした。この7年間に自民党は920万、公明党は180万の支持者を失っています。

にもかかわらず、今回、自民党も公明党も勝利したのはなぜでしょうか。それは小選挙区制のおかげです。投票率の低さのおかげです。多党乱立のおかげです。自公両党の選挙協力のおかげです。

小選挙区での自民党の得票数も前々回の3250万(得票率47%、当選者219名)から前回の2730万(38%、64名)、さらに今回の2560万(43%、237名)と減っています。この7年間に得票数は690万も減少していますが、当選者は前々回の219名、前回は64名、今回は237名となり、当選者は前々回に比して18名増えています。

小選挙区での公明党の得票数は前々回98万、前回78万、今回88万です。7年間に10万減りましたが、当選者は前々回8名、前回0名、今回9名となり、前々回より1名増えています。