月別アーカイブ: 2012年10月

フィクションの力:映画《希望の国》を見て

のぶおパレットつじむら

「宙(そら)読む月日」 第14回

先週の火曜(10月16日)、エネシフジャパンが主催した園子温 SONO Sion 監督の映画《希望の国》の試写会とトークショーに参加して来ました。 エネシフジャパンは、2011年に始まる3・11東日本地震・津波・原発災害を受け発足した有志の活動体です。「原発にも石油石炭天然ガスにも頼らない日本を創ろう。:500年後も1000年後も安心な国づくり」をモットーとして、日本を自然エネルギーにシフト(移行)させる(これがエネシフジャパンの意味です)べく、議員、学識者、市民共同の勉強会を2011年の4月から開いており、わたしも時折参加しています。(*37)

映画《希望の国》はフィクションです。舞台は東日本大震災から数年後の日本。福島県と同じく原発を持つ「長島県」という架空の地方自治体が、地震と津波に襲われ、再び原発事故が起こります。長島原発から半径20km圏内の鈴木家は強制避難となり、隣家で20km圏外の小野家は待機扱いとなります。映画ではこの2つの家族のたどる運命が、静かに美しく描かれていきます。福島発の原発災害があったにもかかわらず、また同種の過ちを繰り返してしまうという設定が、現在進行形の問題と格闘している罹災者(りさいしゃ)を必要以上に痛めつけることなく、かつ警世の意義を保つことを可能にしています。

試写会後のトークショーで園監督は、(国、地方自治体、電力会社ではなく)あくまで被災した家族を描いた理由を、「国が言ったからそうしよう、というのでは抵抗力は生まれない。個人、家族を単位として考えれば、考えるための基礎ができる」(主意、以下同様)からだと述べられていました。社会の矛盾やしわ寄せは、個人の生活に凝縮して現れるものです。

わたしはこの映画を見て、フィクションの力を改めて感じました。デイヴィッド・クリスチャン David CHRISTIAN の標榜するビッグ・ヒストリーは、科学と歴史学に立脚した万物のノンフィクションの物語です。科学と歴史学では当然、実証ということが重視されます。しかし、来るべき未来の破局は、現実のものとなり、「実証」されてしまってからでは遅いのです。その意味で、フィクションが果たす役割は大きいと言えます。

こんな時わたしが思い出すのが、ジョン・レノン John LENNON の歌う〈イマジン〉 Imagine です。過去に存在した現実、現に存在する現実にとらわれることなく、「想像してごらん」と歌いかける優しいメロディーが胸にしみわたります。(歌詞は動画をご覧ください。)

▼ John Lennon “Imagine” (1971)

最後に一つだけ「ネタバレ」をしましょう。 日本語で《希望の国》、英語で THE LAND OF HOPE (希望の地)というこの映画のタイトルは、映画の始まりではなく終わりに登場します。「それが希望なのか、絶望なのか、映画を観た後に判断してほしい」「映画というのはたくさんのメッセージを詰めこむメディア(媒体)ではなくて、巨大な質問状を突きつけるもの」であるという監督の思いからです。

映画自体は決して明るいとは言えない内容です。にもかかわらず、そうしたフィクションを通して自らを省み、現在の行動を変えていくことができるという”学び”の中にこそ、「希望の地」は輝くのでしょう。想像してごらん、この手のなかに「希望の地」を。


(*37) なお、昨年来原発見直しの気運が高まる一方で、脱原発・反原発を目指す人びとの間で、最終目標やそれを達成するための手順・路線をめぐり、仲たがいが起きているが、ここではそのことには触れない。この社会運動の顕著な特徴の一つは、そうした分裂と対立を含みつつも、裾野(すその)の広い参加者を得ていることである。一方で子を持つ母、若い女性たちの参加が目立ち、他方で「反原発は左翼のやるもの」というイメージを破って、右翼・保守だからこそ原発に反対するという人びとが現れている。

第4回 UU 三ツ沢キャンパス ベトナム語講座開催報告

中西 治

UU横浜三ツ沢キャンパスサロンにて、本日ベトナム語講座を開催致しました。参加者は、11名、新しくUUの会員になりました方も、おりました。

今回は、中西学長も出席してくださり、横浜三ツ沢キャンパスの素晴らしい出発になりました事、皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。ティータイムには、ベトナム研修生が腕を振るってくれて、大変美味しい料理を頂きながら、楽しくサロンの時間を作る事が出来ました。これからのベトナムの未来を考えながら、日本の良き所、ベトナムの良き所を、語学を通して発信して参りたいと考えております。

UU学長補佐 長谷部真理子

横浜三ツ沢キャンパスの発足、おめでとうございます。大変なごやか楽しい有意義な会でした。ベトナムの料理は美味しく、茶とコーヒも素晴らしい香りと味でした。長谷部真理子さん、ありがとうございます。貴キャンパスの発展を心から願っています。

中西 治