月別アーカイブ: 2007年9月

福田康夫内閣の発足にあたって

中西 治

自民党の「総裁選挙劇」が終わり、福田康夫さんが総裁となりました。いま自民党員が求めているのは小泉・安倍型の威勢のよい麻生さんではなく、おっとり型のユーモアがあるような、ないような福田さんです。小泉・安倍型の政治家はもう懲り懲りでしょう。おかげで参議院議員選挙で惨敗しました。それにしては麻生さんはよくとりました。

私もどちらかと問われれば、福田さんです。野党とすれば、福田さんよりも麻生さんの方がたたかいやすいでしょう。福田さんと麻生さんの二人のうちのどちらかしか、自民党の総裁となれず、日本国の総理となれないのは寂しい限りです。自民党は、日本社会は、そんなに人材がいないのでしょうか。

今日の衆議院本会議の第一回投票で福田さんが338票、民主党の小沢一郎さんが117票、参議院本会議の決選投票で福田さんが106票、小沢さんが133票を獲得しました。憲法の規定で衆議院の議決が優先され、福田さんが内閣総理大臣に指名されました。

参議院で小沢さんが福田さんを27票上回ったことは与党にとって大きな衝撃です。改めて先の参議院議員選挙で失ったものの大きさを痛感しているでしょう。参議院で与党が過半数の支持を得ない限り、政治は一歩も進みません。

自民党の新しい執行体制はこのような状況を打開しようとするものです。幹事長の伊吹文明さんは国民新党の亀井静香さんの派閥を引き継いだ人です。総務会長の二階俊博さんはかつて宮沢内閣不信任案に賛成して自民党を離党した人で、小沢さんの側近でした。伊吹さんと二階さんの仕事は国民新党と民主党を自民党の味方にすることです。当面の課題はインド洋での海上自衛艦の給油問題で野党を味方につけることです。福田さんは民主党との大連立を考えているのではないでしょうか。私が福田さんなら考えます。

古賀誠さんを総裁直属の選挙対策委員長とし、来るべき衆議院議員選挙に備えています。与党は衆議院の先議事項である来年度の予算と関連法案を来年3月までに衆議院を通してから総選挙と考えているようですが、果たしてそれまで保つでしょうか。

新内閣の人事について言うべきことは何もありません。これが「背水の陣」でしょうか。安倍改造内閣は1か月もたなかったのです。ほとんど変わっていない新内閣は短命です。次の総選挙まで、いや、今国会限りかも知れません。この内閣では総選挙はたたかえないでしょう。福田さんはもっと思い切った、大胆な、斬新な内閣を組むべきでした。

どたばた劇の最後はあっけないものでした。何の見せ場もありません。すべて黄昏でした。

いまも福田さんの内閣総理大臣としての初の記者会見を聞きましたが、心に残る言葉はありませんでした。これが福田さんなのでしょう。

間二郎教授、ご逝去

中西 治

深く尊敬する間二郎教授が2007年9月初めに亡くなられました。
81歳でした。
今日、大学に行って、初めて知りました。
間教授は『クリスマス・キャロル』、『ディヴィッド・コパーフィールド』、『二都物語』などで有名な19世紀のイングランドの作家チャールズ・ジョン・ハファム・ディケンズ(1812-1870)の研究者でした。
教授は松村昌家編『ディケンズ小辞典』(研究社出版、1994年)に「ディケンズと女性」を寄せています。
教授の最大の業績はディケンズの最後の作『我らが共通の友 (Our Mutual Friend)』(1864-1865)の翻訳です。
この翻訳書は1997年に筑摩書房から3冊の文庫本で出版されました。
私はこの書を大学図書館の出版物に紹介しました。
紹介された題名は『我らが共通の女』でした。
間教授と私は顔を見合わせ、笑いました。
間教授は私たちの研究所の会員です。
教授は大学でも研究所でも私を強く支えて下さいました。
私は深く感謝しています。
間二郎教授。
また、お会いしましょう。

第1回講義「戦争を環境の観点から考える」開講のお知らせ

事務局

すでにお知らせしましたとおり、下記のように2007年度第1回講義を行います。研究所としましても、環境の観点から戦争と平和を考える初めての機会になります。ぜひ多くの皆様のご参加をお待ちいたします。

また2008年1月13日(日)午後5時半からかながわ県民センターで新春講演会を開催する予定です。講師としてお招きしたい方がいらっしゃいましたら、事務局までお知らせください。

2007年度教育事業 統一テーマ「現代における戦争と平和」

第一回講義 「戦争を環境の観点から考える」

講師:片山博文(桜美林大学准教授)
日時:9月23日(日)午後5時から7時まで
場所:かながわ県民センター710号室

※なお講義の参加費は1回につき、会員1000円、非会員1200円。4回連続参加の場合は会員3000円、非会員4000円となっております。

安倍さんの辞意表明によせて

中西 治

安倍さんが今日午後2時に首相の地位から辞任すると発表しました。なんとも無責任な人です。日本国首相の地位をなんと思っているのでしょうか。

首相の地位を預かるということは日本国の1億2700万人、すべての人の命を預かるということです。その中には自民党から共産党までの支持者、無党派の人々、おぎゃあと生まれた幼子から高齢者まで、すべての人が含まれています。

首相の地位はきわめて重いのです。

私は安倍さんが首相になったときに、この人には日本国首相になる資格がないと思いましたので、メーリングリストを使っての政治的意見の表明を止めようと思いました。朝鮮の核実験問題があったので、早々にこの誓いを断念しました。

先の参議院議員選挙で大敗したのに安倍さんが続投を宣言したとき、なんとも政治と選挙の分からない政治家がいるものだと思いました。いずれ四面楚歌となり、政権を投げ出すと思いました。その日が来ました。私はこの日を歓迎します。

自民党は9月14日に総裁選挙を告示し、19日に新しい総裁を選ぶといわれています。新しい首相はそう遠くない時期に衆議院を解散し、信を国民に問うことになるでしょう。

その主要な争点は海上自衛隊のインド洋での給油活動の継続の問題です。有権者は安全保障の問題で自己の意見を表明しなければなりません。

日本の将来にとってきわめて重要な意味をもつ選挙となります。いよいよ主権者の出番です。

第4期理事会第3回会議・シンポジウム報告

事務局

2007年9月9日に理事会とシンポジウムが開催されましたので報告いたします。

特定非営利活動法人 地球宇宙平和研究所 第4期理事会第3回会議・シンポジウム報告

2007年9月9日(日)午後4時から5時半まで、かながわ県民活動サポートセンター711号室で、理事11名(書面表決者含む)、監事1名が出席し、第4期理事会第3回会議が開催されました。

  • まずキューバへの学術交流についての報告があり、今後の方針についての意見交換がなされました。
      1. 準備は順調に進み、10月以降にキューバ大使を表敬訪問し、さらなる交流の充実を図り、またスペイン語講座も開催されることとなった。
      2. キューバ大学や日本研究者との交流を恒常化させ、意義あるものにすること
      3. 交流の映像や音声を残し、記録に残すとともに今後のプロモーション活動に役立てることになった。
      4. ピーススタディツアー“沖縄-戦跡と基地の旅-”も、今後日程を調整しながら、3~4泊程度で研究会や沖縄の大学等とのシンポジウムも行い、充実したものにすることになった。
    • 所報第2号は当初の予定通り、10月末〆切、12月発行を目指し、出来るだけ赤字を減らす努力をしながら発行することになった。
    • 新春講演会2008年1月13日(日)午後5時半から、かながわ県民活動サポートセンター711号室で行われれる予定だが、会員の皆さんに講師の希望を募ることとになった。
    • 「9条を広める会」について、今後とも会員の皆さんの意見を聞きながら、会員の活動として位置づけていくことになった。
    • 研究所の中長期的展望について、以下のような様々が意見があり、今後とも議論を継続することになった。
        1. 内容の割に集まる人が少ないので、他のNPOとの連携を深めながら、広報のやり方を工夫する必要がある。
        2. 会員の皆さんに欲しい情報を提供する。
        3. あらかじめ出席できる日程を事前に調整する。
        4. 会員には聞くよりも主体的に話が出来る機会を作っていく。
        5. 理事の自覚や各理事への役割分担を明確にする。
        6. 今後学術交流についてはイニシャティブを持った人が責任を持って運営していく。
        7. インターネットを使った教育活動を充実させていく。
        8. 内外の機関や大学との交流・提携を充実させていく。
        9. 専任の研究員をおくかどうか議論していく。
                        1. 理事会の後、2007年度の教育活動の皮切りとして、午後6時から8時半まで同室で、シンポジウム「現代における戦争と平和」が開催された。報告者とテーマは以下の通りです。

                          植木竜司 「ネパールにおける戦争と平和~マオイスト人民戦争と平和地帯宣言」
                          高橋勝幸 「タイから見た平和と平和運動」
                          林   亮 「東アジア共同体の安全保障枠組みをめぐって~グローバリゼーションの矛盾と戦争への道を回避するために」
                          木村英亮 「ベトナム戦争の性格と意義について」

                          いずれの報告も刺激的で、現代の戦争と平和の問題を考える大きなきっかけとなるものであり、時間を大幅に超えて論議が行われた。

                          報告を引き受けていただいた方、特に急遽お願いした植木さんと木村さんには感謝いたします。今後ともニューズレターや所報等で議論は続けていきたいと考えています。

                          2007年度教育事業 統一テーマ「現代における戦争と平和」

                          事務局

                          ●シンポジウム「現代における戦争と平和」

                          日時:9月9日(日)午後6時から8時まで
                          場所:かながわ県民センター711号室
                          http://www.kvsc.pref.kanagawa.jp/ JR横浜駅西口徒歩5分

                          司会兼討論者: 岩木秀樹

                          報告者及び報告テーマ(仮題):

                          • 植木竜司 「ネパールにおける戦争と平和 ~マオイスト人民戦争と平和地帯宣言~」
                          • 高橋勝幸 「タイから見た平和と平和運動」
                          • 林 亮 「戦争責任の恩讐をこえる~東アジア共同体の安全保障枠組みをめぐって~」
                          • 木村英亮 「ベトナム戦争の性格と意義について」

                          資料代:500円

                          ●連続講座 「現代における戦争と平和」

                          第一回講義 戦争と環境

                          講師:片山博文(桜美林大学准教授)
                          テーマ:「戦争を環境の観点から考える」
                          日時:9月23日(日)午後5時から7時まで
                          場所:かながわ県民センター710号室

                          第二回講義 現代世界の戦争と平和

                          講師:栗原優(創価大学教授)
                          テーマ:「現代世界の戦争と平和(1)
                          日時:10月14日(日)午後5時から7時まで
                          場所:かながわ県民センター709号室

                          *なお栗原先生の講義に参加される方は、栗原先生の御著書『現代世界の戦争と平和』ミネルヴァ書房、2007年、2800円をあらかじめ読んでご参加ください。

                          第三回講義 現代世界の戦争と平和

                          講師:栗原優(創価大学教授)
                          テーマ:「現代世界の戦争と平和(2)
                          日時:10月28日(日)午後5時から7時まで
                          場所:かながわ県民センター709号室

                          第四回講義 グローバル・コモンズ

                          講師:片山博文(桜美林大学准教授)
                          テーマ:「グローバル・コモンズの構築をめざして」
                          日時:11月11日(日)午後7時から9時まで
                          場所:かながわ県民センター709号室

                          *講義参加費
                          会員: 1000円/1講義、4回連続参加の場合3000
                          非会員 1200円/1講義、4回連続参加の場合4000