月別アーカイブ: 2006年11月

英知の栄冠200

宮川 真一

創価大学創立者の池田大作SGI会長の教育・平和・文化への貢献を讃え、本年10月7日、世界の大学・学術機関から「200番目」の名誉学術称号が授与された。これは、中国最高峰の師範大学である「北京師範大学」の名誉教授称号である。謝辞に立った池田会長は、次のように真情を吐露した。「この栄誉を謹んで報告申し上げたい、3人の方がおります。そのお一人は、中国の周恩来総理であります。もうお一人は、旧ソ連のコスイギン首相であります。そしてさらにお一人は、英国のトインビー博士なのであります。」ここでは、これら3人の人物を中心に「英知の栄冠200」を振り返りたいと思う。

20世紀を代表する大歴史学者トインビー博士との出会いこそ、池田会長にとって、世界の知性との対話の原点であった。トインビー博士から、“人類の直面する諸問題を語り合い、未来の平和を一緒に展望したい”と招へいされ、1972年に対談が開始されるのである。2年越し40時間に及ぶ対話を収めた対談集は、世界26言語で発刊。その後、この対談集を出発点として、いまでは世界一流の識者との対談集は42件を数える。

旧ソ連のコスイギン首相との最初の出会いは1974年の秋、クレムリンの執務室であった。首相は池田会長に「あなたの根本的なイデオロギーは何ですか」と尋ねる。池田会長は即座に「仏法を基調とした平和主義であります。文化主義であります。教育主義であります。そして、その根底は人間主義であります」と回答する。この時池田会長は、信念の大教育者・牧口常三郎初代会長を源流とする、「平和」「文化」「教育」という創価の根本の路線を世界に宣言した。首相は深くうなずきながら「この原則を高く評価します。この思想を私たちソ連も実現すべきです」と賛同している。1975年、池田会長は第1号となる名誉博士号をモスクワ大学から授与された。同大学のこれまでの名誉称号授賞者には、ゲーテ、シラー、ダーウィンなど人類史に輝く巨人が名を連ねる。その後、池田会長は名誉教授の称号も授与されている。モスクワ大学のサドーヴニチィ総長はこう述べる。「純粋に個人で為した功績に対し、わが大学の2つの称号を受けられた方は、池田博士が初めてであり、現在のところ唯一の方であります。モスクワ大学『名誉教授』の称号は、博士の行動と教育活動を顕彰するには、ささやかなものかもしれません。しかし、モスクワ大学にとっては特別な意味をもっております。特筆すべき出来事として、大学の歴史に残ることは間違いありません。」

池田会長が周恩来総理と会見したのは、1974年の冬、寒い北京の夜であった。周総理は、若き日の日本留学の思い出も淡々と語った。その心をしのびつつ、池田会長は会見の翌年、日本の大学として最初に、新中国からの留学生6人を創価大学に迎えた。そして、周総理が大変好きであった桜を大学に植樹し、「周桜」と命名している。今月の3日、創立者の名誉学術称号200の受賞を記念するシンポジウムが創価大学で開かれた。その席上、中国・湖南師範大学の朱新建客員教授は、次のように語っている。「世界から池田先生に贈られた200の名誉学術称号―そのうち、中国からの受章は70を超えています。先生の中日友好への一貫した無私のご貢献、その偉大な人格に対する最高の評価です。中国では、1968年の中日国交正常化提言、74年の周恩来総理との会見など、池田先生が築かれた友好の“金の橋”を知らない人はおりません。皆、池田先生のことを周恩来総理と同じように敬愛しています。」

東京大学で宗教学を専攻する市川裕教授は、「1975年の旧ソ連時代に、モスクワ大学が名誉博士号を最初に授与したときから、200番目の北京師範大学による今回の授与に至るまで、その授賞理由が一貫して変わっていない」という事実に言及。市川教授はその授賞理由を「卓越した宗教指導者で社会文化活動を通した民間外交の推進、大学の創設者で平和教育の推進と人材育成、国連とともに世界平和へ尽くす献身的活動、世界の知識人と対話し世界にメッセージを発信し続ける哲学者」に整理している。

このように、「人間主義」を基調とした平和・文化・教育の活動が高く評価される時代になったことを嬉しく思う。

20世紀の謎

中西 治

今日は勤労感謝の日でした。良い休日をお過ごしのこととお慶び申し上げます。

ロシア語文献研究指導も3回目を迎えます。

今回は前回に引き続き、ロイ・メドヴェージェフ著『ロシアにおける社会主義とは』の第一章「ソヴェトの社会主義」を読みます。

1991年8月のソヴェト共産党の禁止、同年11月の同党財産の没収、同年12月のソヴェト同盟の解体などのときに、どうしてこれらの措置に抗議するひとつのストライキも、ひとつの集会も開催されなかったのでしょうか。

これは「世紀の謎」だという説があります。

ロイ・メドヴェージェフは、これは決して謎ではなく、それはそれまでの数十年間の誤った、多くの点で冒険主義的な政策の当然の結果であったと主張しています。

ロイ・メドヴェージェフの論拠は明解で、説得力があります。なるほどそういうことであったのかと教えられることが多いです。

初めての方もぜひご参加下さい。

講義のご案内

事務局

下記のように講義を行います。遠いところではありますが、気楽に来ていただきたいと思います。学生や留学生も参加する予定です。なお懇親会の準備の関係から出席希望者はご連絡をいただければ幸いです。

テーマ:「イスラームと平和-なぜ戦争に、どうすれば平和に-②」
場所:岩木秀樹宅(下記を参照)
日時:11月19日(日)午後2時から4時まで、午後4時から6時まで懇親会

講義概要

現在、イラク、パレスチナ、アフガニスタン等のイスラーム世界では戦争が続いている。なぜ戦争になったのか、どうすれば平和が訪れるのかを、考えていきたい。イスラーム誕生の背景や教義、寛容な要因を説明し、歴史的な共存形態を見ていく。また近代の西欧とイスラームとの関係や中東諸国体制の成立を論じ、現在の戦争の淵源をたどっていく。今後どうすれば、イスラーム世界に平和が訪れるのかを展望し、さらに地球社会の 未来を模索していく。なお講義の後、懇親会をしながら、出席者と様々な問題について懇談していきたい。

地球宇宙平和研究所 事務局 岩木秀樹

入門スペイン語講座のご案内

事務局

地球宇宙平和研究所では、下記の通り入門スペイン語講座を開催いたします。これは2007年2月26日から3月7日にかけてのキューバ学術交流に向けてのものですが、学術交流に参加されない方ももちろん歓迎いたします。奮ってご参加ください。参加希望の方は事務局までご連絡をいただければ幸いです。

  • 講師:浪木 明 ナミキMIE コンサルティング代表、アルク語学カウンセラー
  • 日時:2007年1月14日(日)、2月4日(日)午後1時から3時まで(全2回・各回完結)
  • 場所:青葉区区民交流センター 会議室4(1/14)会議室1(2/4)
  • 東急田園都市線田奈駅改札を出て左側1分
  • 受講料:各回1,000円
  • 内容:スペイン語初心者を対象とする実用演習講座。アルファベット、ローマ字の読み書きが出来れば十分です。キューバダンスのサルサを使って数を覚えたり、コミュニケーションのスキル向上を目指します。

米国中間選挙結果を歓迎する

中西 治

米国の中間選挙結果が明らかになりました。民主党が下院で多数を制し、上院でも過半数に迫っています。米国の新聞 “USA TODAY” によると、最終選挙結果の予測 (カッコ内は現在) はつぎの通りです。

共和党 民主党 その他
上院 49 (55) 49 (44) 2 (1)
下院 203 (232) 232 (202) 0 (1)
知事 22 (28) 28 (22) 0 (0)

1994年のニュート・ギングリッチ革命以来の共和党優位時代の終焉です。ジョージ・W・ブッシュ時代の終りの始まりです。

ブッシュ大統領の罪は重いです。9・11の報復としておこなわれたアフガニスタンとイラクに対する戦争によって、どれほど多くの人が亡くなり、傷つき、不幸になったことでしょうか。

政治家が犯した過ちの結果は深刻です。米国民がこれに遅まきながら気づいたことを私は歓迎します。2004年の選挙でブッシュさんを大統領に再選すべきではなかったのですが。

アフガニスタンとイラクの現状は米国が戦争を始める前よりも悪くなりました。内戦状態です。米国はいろいろと理屈をつけて居残りを策することを止め、ただちにこれらの地から手を引くべきです。

その地域の問題はその地域の人が解決する、これが鉄則です。

私は問題の解決に一歩近づいたことを心から喜んでいます。

爆笑問題・太田光がんばれ。

高橋 勝幸

2006年10月2日の新聞の全面広告「安倍さん、本当に憲法 変えちゃう気ですか。」少なくとも朝日と読売には広告が掲載されました。太田光と中沢新一が並んで腕を組んで立っていました。カラーです。「安倍さん、本当に憲法 変えちゃう気ですか。」このメッセージが広く届いたことを期待したいと思います。

爆笑問題の太田光はなかなかいいと思います。私はファンです。太田光は1965年生まれで、私と同じ年であります。この世代は、高校、大学で60年安保世代あるいは70年安保世代の教員の影響を受けているのではないかと思われます。

終わっちゃいましたけど、日本テレビ系の「爆笑問題のススメ」も面白かったです。いろいろな作家、文芸人を呼んで、対談する番組でした。ここでも、自民党批判、平和擁護、戦争反対の舌鋒をふるっていました。

TBSラジオの深夜番組(火曜。正確には水曜、午前1時)「爆笑問題カウボーイ」も昨年の8月(24日)、9月(14日)あたりは「シリーズ、太田はこう思う」(少なくとも10回)という特集を組んで、太田光が2時間ぶっ続けで戦争、平和、憲法9 条、靖国、テロ、イラク戦争、総選挙について毒舌を発していました。今年の8月はそれもなく、残念でした。お笑いで、がんばっているけれども、なかなか引き締めが厳しいのだろうと、想像します。

最近ではやはり日テレ系金曜午後8時から「太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中。」で毒舌を聞けます。これは模擬国会で、提出された法案をディベートします。可決されたものは実際に国会にもっていくことになっているそうです。10月6日の番組では、「『憲法9条の日』という祝日をつくります」という提案を太田総理が提出しました。太田総理は「これが何十年後か、何百年後かわからない。でも、その先には憲法9条というものが実は全然ばかばかしくない時代がおそらく来るだろう。・・・・・・憲法9条は究極の理想だから、これを何とか変えないように」と主張しましたが、否決されました。番組では、しばしば自衛隊、憲法9条をめぐって、石破茂元防衛庁長官と議論を戦わせますが、太田光も守りの姿勢に追い込まれ、平和を語ることの難しさを感じさせます。

爆笑問題、とりわけ、太田光の活躍は大きいと思います。爆笑問題は、いわゆる漫才師系の芸能人であり、テレビの露出度も高く、人気もあります。幅広い年齢層、人々に大きな影響力があります。太田はよく本を読んでいます。方向性も好きです。

憲法九条を世界遺産にさて、太田光と中沢新一の対談『憲法九条を世界遺産に』は21万部を突破しました。一方、本物の安倍総理の『美しい国へ』は48万部で2倍以上です。

対談集の中で、太田光は言います。「今、憲法9条が改正されるという流れになりつつある中で、10年先、20年先の日本人が、「何であの時点で憲法を変えちゃったのか、あの時の日本人は何をしてたのか」となった時に、僕達はまさにその当事者になってしまうわけじゃないですか」(16 -17頁)。これだけは、私は避けたいと思います。平和憲法を改悪した当事者になって、後生の人々から批判されるのは御免です。あの忌まわしいアジア太平洋戦争において、「こんなことになるのなら、なぜあのとき、もっと反対しなかったのか」といった件が、『きけわだつみのこえ』にあったと思います。私は、大学で、「言うべきことを、言うべき時に言うこと」を教わりました。しばしば、TPOを間違えますが。戦争は不条理です。人を殺すことがよくないということがわかっていても、殺さなければ相手か、上等兵によって殺される、身内や仲間が殺されれば復讐の炎が燃え上がります。戦争は絶対に許されません。

中沢新一は答えます。「現在の国際情勢などというものに押されるようにして憲法を改正してしまうと、僕たちの時代は将来の日本人にたいしてひどい汚点を残すことになってしまうでしょう」(17頁)。

中沢は言います。「あいかわらず、まともな異論を唱えようとする人々を黙らせてしまおうとする、嫌な精神土壌はそのまま生き続けているでしょう」(18頁)。

中沢は語ります。「平和憲法は世界の憲法の中の珍品だと思います。ところがいま、この世界の珍品を普通のものに変えようとして、改憲論が吹き荒れているわけです」(54頁)。

太田は言います。「この憲法は、アメリカによって押しつけられたもので、日本人自身のものでないというけれど、僕はそう思わない。この憲法は、敗戦後の日本人が自ら選んだ思想であり、生き方なんだと思います」(96頁)。

中沢は答えます。「日本の仏教は価値があるといえる。その仏教を日本人は大事に守ってきた。今さら、あれはインドからきたものだからダメだとか、中国人が途中で漢文のお経を入れたからダメだなんて、誰も考えないでしょう」(61頁)。

中沢は主張します。「そういう(憲法9条-筆者注)場所があることを知って、そこに心を向けることで、世界は正しい方向に向かっていける」(78頁)。「そういうものを簡単に捨ててしまったりしたなら、日本人は、大きな精神の拠り所を失うと思います。この憲法に代わるものを僕たちが新たに構築するのは、不可能です」(79頁)。

「安倍さん、本当に憲法 変えちゃう気ですか。」私は憲法9条を世界遺産にするのではなく、世界に広め、活かすべきであると考えます。憲法とは、我々が進むべき方向を示します。我々の意思であり、その実現のために不断の努力が必要であります。私たちは、平和憲法が世界の中で普通のものになるように、世界を変えなければなりません。