月別アーカイブ: 2004年1月

ニューズレター No.4 特集「憲法問題とイラク派兵」

事務局

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巻頭言
・「自衛隊のイラク派遣に反対し、憲法9条を守り、その精神を地球全体に広めましょう!
−2004年の年頭にあたって−」(中西 治)

特集 「憲法問題とイラク派兵」
・「イラクへの自衛隊派兵は憲法違反」(藤田 尚則)
・「憲法問題とイラク派兵」(加藤 幸廣)
・「憲法九条と日本の使命」(小林 宏紀)
・「国家主義への警戒を」(澤入 恵子)
・「広島の記憶」(竹本 恵美)

・「プーチン政権について−第8講の若干の補足−」(木村 英亮)
・「松井やよりさん逝きて1年」(佐藤 智子)

・会員紹介(大江 平和・掛川 三千代)
・「書評 松井孝典著『宇宙人としての生き方 アストロバイオロジーへの招待』」(佐藤 仁志)

・2003年度後期連続講義「現代人間国際関係史
・新春講演会「自衛隊イラク派遣・憲法改定とマスコミ」(上田 哲)
・委員会報告
・事務局からのお知らせ

連続講座「スキル分散英語講座」

事務局

講師: 浪木明 (ナミキMIEコンサルティング代表、アルク語学カウンセラー、名門会プロ英語講師)
日時: 2004年1月17日(土)〜3月6日(土)毎週土曜日午後7:00〜8:30
場所: かながわ県民活動サポートセンター 709号室(ただし、2月21日は710号室、2月28日は705号室)
受講料: 全8回 1万円 / 各回 1500円 (各回完結)
内容:

  1. 音法によるリスニング力強化(テープ使用)
  2. 文法によるリーディング力向上(英文記事使用)
  3. 分散による英語学習法カウンセリング

迎春 今年も楽しく! ―映画「赤い月」を見て―

中西 治

2004年の新春をお慶び申し上げます。

昨年末、クリスマスイブの日に映画「赤い月」の試写会に招かれて、見てきました。作家のなかにし礼さんの同名の小説を映画化したものです。日本から一旗揚げようと中国東北に移り住み、1932(昭和7)年に日本が武力ででっち上げた傀儡国家「満州国」で関東軍の支援のもとに有数の造り酒屋・森田酒造を築き上げましたが、1945(昭和20)年8月の日本の敗戦により没落した一家の物語りです。主人公は一家の主婦波子。なかにし礼さんのお母さんがモデルです。演ずるのは常盤貴子。彼女は昨年テレビで放映された「流転の王妃・最後の皇弟」で日本から嫁いだ王妃役を務めています。

波子は一家が豪邸に住み栄華を極めたときにも、家財を失い流浪の身となったときにも二人の子供を連れて強かに生き抜きます。波子を取り巻く男たちは窮地に陥って脆さを見せ、死を急ぎます。

夫勇太郎(香川照之)はまだ46歳、これから一から出直しましょうという波子の言葉を振り切って自ら妻子のもとを去り、厳寒のもとでの労働で亡くなります。初恋の人、関東軍中佐大杉寛治(布袋寅泰)はソビエト軍に対する戦闘で突撃の先頭に立って戦死します。愛人の関東軍諜報員氷室啓介(伊勢谷友介)は足に負った銃傷の痛みに耐えかねてアヘンに頼り、中毒となり、死に瀕します。この氷室を波子は必死に看病し、彼の命を救います。

夫が亡くなった直後に愛人を献身的に看護する波子を女学生の長女美咲と小学生の次男公平はなじります。子供たちの私たちの命は何なのよという非難の言葉に波子はこう答えます。「あなたたちの命と母さんの命はつながっているの、ひとつの命なのよ!私が死んだらお前たちも死んでしまう。だから私は生きなければいけない。生きるためには愛し合う人が必要なのよ。」

ラスト・シーンは日本への帰国船が出る港へ向かう貨物列車です。男たちが無蓋の車上に立ち、値打ちの無くなった紙幣を空に向かって投げ捨て、「五族協和」と「王道楽土」に騙された、「満州国」は何だったのか、と叫びます。波子はこの声を聞きながら「それでも楽しかった」と呟きます。

中国東北の荒漠とした大地に輝く「赤い月」が印象的です。

映画を見たあと久し振りに銀座の街を歩きながら最近の日本の動きと日本の将来を考えていました。

2003年に日本は第二次大戦後初めて自衛隊と称する軍隊を国外に派遣することになりました。現在の日本の状況と映画のなかの出来事とが重なります。

1931(昭和6)年に日本軍が中国東北で事を起こしたときも不況のさなかでした。あのとき日本は戦争と侵略によって世界的な経済大恐慌からの脱出を図りました。対外進出と膨張は一時的に成功しましたが、わずか15年ほどで結果は無惨な敗北に終わりました。

今また日本は同じ道を歩みつつあります。今回も不況のさなかです。進出先はイラクです。「人道支援」の名のもとに武力を背景として石油利権と復興事業の国際的な奪い合いに加わっています。

他人の不幸の上に築かれた幸せは長くは続きません。とくに他国の人びとの不幸の上に築かれた幸せは。人間は常に未来に希望を持って力強く生き抜いていかなければなりません。これがこの映画が教える教訓です。

2001年12月15日の設立から3年目を迎える今年を特定非営利活動法人地球宇宙平和研究所の飛躍の年にしたいと願っています。ひとときも戦争に荷担することなく、平和に徹します。美辞麗句に惑わされず、目先の成否に一喜一憂することなく、長期的展望を持って多面的な活動を展開します。

私たちの研究所が目指しているのは先人の教えに学びながら21世紀以降の人類の指導的な思想を作り出し、運動のあり方を示すことです。

今年も楽しく!

ご健勝とご多幸を心からお祈りします。

2004年元旦