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設立記念講演会を終えて ―新しい船出に際して

岩木 秀樹

2002年3月17日、かながわ県民センターにおいて、地球宇宙平和研究所中西治理事長による設立記念講演会が開催された。

2001年10月1日の地球宇宙平和研究所準備委員会の発足、12月15日の設立総会の開催、2002年1月28日の特定非営利活動法人設立認 証の申請を思い起こすと感慨深いものがある。まだ始まりの始まりに過ぎないが、第1回講演会を開催することができ、多くの方に感謝をしたいと思う。

講演会には皆さんお忙しい中、九州など遠路から43名の方々がお越しになった。その後の懇親会にも23名が参加され盛況であった。

講演会のテーマは「現在の国内・国際情勢と地球宇宙平和研究所の役割」であり、研究所の将来を指し示すものであった。宇宙・地球・人類の誕生から説き起こし、時間的にも空間的にも長いスパンで考察し、人間の幸福と平和を希求するものであった。

戦争と革命の時代であった20世紀はあまりにも犠牲が大きかった。20世紀の教訓とは内外の紛争は武力ではなく平和的に解決することを確認した ことである。講演では、21世紀初頭の国内・国際情勢にも触れられ、大きな転換点である現在、人類の全ての成果に学びながら、宇宙的視野で考え、地球的規 模で活動することが重要であると指摘された。

私がこの講演会で最も印象深かった点は、「やられてもやり返さない」思想である。紛争の絶えない世界にこの言葉は非常に重い。また実行すること は言葉で発するほど簡単ではないのも事実であろう。しかし幸福と平和を求めて止まない人類は、古来より「やられてもやり返さない」思想を昇華するために宗 教や哲学を作ってきたといっても過言ではないであろう。

他者の痛みや苦しみへの共感が根底にある「抜苦与楽」の仏教の思想。「ひとりの者を救う者は世界をも救う」のユダヤ教の思想。目には目をではな く、悪しき者には手向かわず、「人もし汝の右の頬を打たば、左をも向けよ」のキリスト教の思想。戦争の家から平安の家への「ジハード(絶え間ない努力)」 を説くイスラームの思想。「やられてもやり返さない」思想は、このような古今東西の思想と通底し比肩するものであろう。

私たちの新しい船出に際して、この思想を高く掲げ、さらに現実化、具体化、理論化を図り、地球と宇宙の平和構築に寄与していきたい。