「20世紀における民族と国家」

20世紀の初め、世界は欧米の数カ国によって支配されていた。21世紀初めの現在、ほとんどの植民地・半植民地は独立国となった。しかし、経済的には少数の国の覇権の下にある。また、科学・技術の発達によって、相互依存は深まり、広域統合と諸民族の接近・融合に向かっているが、他方で、「北」と「南」の格差と対立は深まっている。
ソ連の枠組みのなかにおける諸民族と統合と解体を研究してきた立場から、この問題について、4回の講義を試みる。テーマはひとつであるが、講義はそれぞれ独立したものである。いずれも、焦点はa・b・c・dのように絞るが、大きな枠組みのなかで話したい。
(参考文献 木村英亮『増補版 ソ連の歴史』、山川出版社、1996,1848. 同上『20世紀の世界史』、山川出版社、1995,2429.)
1. ロシア革命と中央アジア諸民族 ウズベク人とカザフ人
ロシアにおけるソヴェト政権の成立は、1917年11月のペトログラートから21年のグルジアまで3年以上の時間のひろがりと百以上の諸民族の参加した革命であった。ある意味では、それは1991年まで続き、失敗に終わったということもできる。
- 1916年の中央アジア諸民族の徴集反対蜂起
- ロシア人中心のタシケント・ソヴェト成立からソ連邦成立まで
- 民族的境界区分とウズベク共和国の成立
- 土地・水利改革と集団化・工業化、ロシア人移住増加と名称民族高出生率
2. 東アジアにおける日本とロシア 朝鮮人とモンゴル人
モンゴルと朝鮮の両民族の歴史は、日本・ロシア・中国の関係のなかで形成された。朝鮮は1910年に日本に併合され、45年に独立したが、朝鮮人はロシア、中国にも居住する。モンゴル民族はロシア(ブリヤート共和国)・中国(内モンゴル自治区)・モンゴル(モンゴル国)に分離した。
- シベリア出兵とモンゴル人民革命におけるブリヤート・モンゴル人
- 日中戦争と極東の朝鮮人の中央アジアへの強制移住
- 張鼓峰事件、ノモンハン事件から第二次世界大戦まで
- ソ連解体とモンゴル人、朝鮮人の存在
3. ソ連解体と旧ソ連の諸民族 チェチェン人とタタール人
ソ連崩壊は、共産党解体、ソ連解体 、社会主義崩壊という3つの内容をもつが、こっこではソ連解体を中心とする。ソ連解体期、緒民族は主権宣言などをおこなったが、バルト緒民族の他は必ずしも解体を望んでいたわけでなく、それはロシアのエリツィンのイニシアチブによるものであった。
- ロシアのなかの第2の民族タタール人と抑圧反乱を繰り返したチェチェン人
- 多民族地域コーカサスと革命前、第二次世界大戦期のチェチェン人の受難
- ソ連解体とロシア連邦の形成
- ソ連・ロシアのなかのロシア正教とイスラム
4. 21世紀の民族と地域 中国、キューバ、ベネズエラ
ラテンアメリカ緒民族は、先住民、白人、黒人、混血の複雑な人種構成をもち、 さまざまな形で、国境を越えたつながりが成立しており、同胞意識がある。20世紀には民族自決(それぞれの民族が独立国家を形成する)が原則であったが、今日においては、国際的な連帯の強化を模索しており、広域統合と緒民族の接近、融合へ向かっている。
- 中国の民族政策、民族自決から地域自治へ
- ウイグル、チベットの歴史と現状
- キューバ革命、カストロ政権の47年
- ラテンアメリカにおける民族と国家、新たな国際的連帯に向かって
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