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中華人民共和国遼寧省阜新市人民政府代表団の歓迎宴

植木 竜司 (2007年4月23日 0時37分)

4月21日、都内で中華人民共和国遼寧省阜新市人民政府代表団の歓迎宴が行われました。

歓迎宴は、4月17日から24日までの日程で中華人民共和国遼寧省経済貿易代表団が訪日し、その中に私たち研究所と関係の深い阜新市の代表団も含まれており、この機会を利用して設けられたものです。

この歓迎宴には、阜新市側から阜新市人民政府対外経済貿易局の趙軍局長、対外経済貿易局の王志偉副局長、招商処の韓文明副処長、招商一局の高慶豊局長の4名が、日本側は中西治理事長、西多英治さん、王元さん、植木竜司の4名、合計8名の方が参加されました。

阜新市側の参加者からは、遼寧省経済貿易代表団阜新市人民政府代表団の訪日の目的や日本での活動、現在の阜新市の経済状況やこれからの展望、阜新市の産業・農業について、対外経済貿易局、招商処の業務内容や役割などについてのお話がありました。

趙局長からは、阜新市は中国でも有名な炭鉱の町であったが、石炭は枯渇しつつあり、現在は経済構造を転換しようと試みている段階であり、そのために中央政府や省政府が力を入れて阜新市を支援しているとし、阜新市として現在、外国企業の誘致、中国国内でも有数の製造業が盛んな都市である隣接する瀋陽市の製造業のサポート役としての産業促進、一年中強い風が吹く気候を利用した風力発電事業、残りわずかとはなっているが石油の高騰によって需要が増している石炭に関連した炭鉱業の促進などを進めていることが紹介されました。また、阜新市には豊富な人的資源があり、今回の訪日団と同じ飛行機で数十名の研修生が日本に来たことや、今回の訪日でいくつかの日本の企業と交流したことなども述べられました。

日本側の参加者からは、以前の阜新市訪問の感想や、日本での夕張市の例などを交えた資源型都市の経済構造転換に関するお話、人的資源をより活かしていくための教育について、中西理事長が現在進めている阜新市における教育事業の紹介などが述べられました。

阜新市の未来について意見を交換し、阜新市が10年後、20年後には今では想像がつかないほど変化し発展すること、阜新市のような都市の発展に取り組むことこそが中華人民共和国政府が現在行うべき第一の課題であること、社会の底辺にいる人たちの幸せのために働き、政策を実行していくことが政治や行政を預かっている者の役割であることなどで、両者の意見が一致しました。

趙局長は宴席の最後に、今回の参加者4人の阜新市訪問を歓迎するとし、早い時期にぜひ実現させてほしいと述べられました。

終始和やかでたいへん有意義な懇談となり、阜新市代表団の方々もたいへん喜んでくださいました。

今回の遼寧省経済貿易代表団の訪日は今月上旬の温家宝首相の訪日に関連して実現したものであり、ここ数年冷え込んでいた日中関係が大きく動き出したことを印象付けるものでした。その中にあって、この歓迎宴は日本との関係がまだ少ない都市である阜新市がこれから日本との交流を増大していくきっかけとなるような大きな意義を持つ会となったのではないかと思います。

阜新に滞在して

植木 竜司 (2007年3月15日 12時06分)

昨年10月5日より約5ヶ月間、中華人民共和国遼寧省阜新市に滞在する機会を得ました。阜新蒙古族自治県(以下、阜蒙県)に昨年設立された「中西治外語研究中心(以下、センター)」の日本語教育コース設立準備のお手伝いが目的だったのですが、センターの枠を越えて阜新市、阜蒙県の様々な方面の方々と友好を広げることができました。

阜新市は中国東北の遼寧省の北西部に位置する総面積10355平方キロメートル、総人口約193万人の都市です。阜新市は5つの区、2つの県、国家クラスのハイテク農業パーク、省クラスの経済技術開発区を管轄しています。阜蒙県は阜新市内にある2つの県の中の一つです(中国では「市」の下に「県」がある)。阜新市は市下に農業社会と工業社会が混在しています。総人口193万人のうち、都市人口は約78万人、農村人口は約114万8千人です。中心産業は炭鉱業、火力発電で、かつて中国で第一の露天炭坑であった海州露天炭坑、アジアで第一の火力発電所であった阜新発電所があります。

私は昨年10月にここ阜新での生活を開始し、センターを通じて高校・中学の日本語の先生である戴英鋒さん、白長虹さんや遼寧工程技術大学で日本語を学ぶ学生さんたちと交流を持つとともに、阜新蒙古族自治県蒙古高校の日本語の授業に参加したり、蒙古族実験中学や東梁中学の先生方と交流をするなどの機会を得ました。

農村での滞在も経験することができました。阜蒙県下のいくつかの村へ行ったのですが、その中でも招束沟郷は大変印象に残っています。センターを通じて知り合いになった遼寧工程技術大学1年生の韓向才さんのお招きで、今年2月に韓さんの御実家のあるこの村に1泊2日滞在したのですが、韓さんの御両親をはじめとする村の人びとに歓迎してもらい交流を持つことができました。

センターは阜蒙県にありますが、私はずっと阜新市市街(区)に住んでいました。その中で11月末ごろから、阜新市在住の日本語が話せる人が集まって勉強会を行っている「日本語コーナー」に参加をしてきました。この「日本語コーナー」は阜新市民政局副局長の趙作奎さんや阜新市天縁飲品有限会社社長の劉剛さんを中心に、留学生・研修生として日本滞在経験がある人や個人的に日本や日本語に興味を持ち勉強を続けている人など約20人のメンバーが参加し、毎週土曜日に集まって日本文化や日本語についてすべて日本語で勉強するという会です。このメンバーの方々は日本語ができることもあり、個人的に特に親しくお付き合いさせていただきました。彼らは近い将来、この日本語コーナーを「中日ビジネス協会(仮称)」として公式に発足させ、阜新と日本の間の人材交流・経済交流・文化交流や阜新市内における日本語教育の普及などを行う機関にする構想を持っており、すでに協会設立に向けて動き出しております。

阜新は確かに中国の中では「田舎」といわれる都市の一つかもしれません。上海や北京はもちろん瀋陽と比べても阜新は「小さな」都市です。しかし私は阜蒙県の農村を見たときでさえ「貧しい」という印象を持ちませんでした。それは、私が後発発展途上国であるネパールの農村を見た経験があったからだと思います。阜新にも貧しい人、生活が苦しい人がいるわけですが、それでも多くの人びとの「衣食住」は満たされており、ほとんどの子どもたちが小学校・中学校の教育を受けられています。このような地域が発展していくことはさほど難しくはないであろうと感じました。

私は阜新に足りないものの一つとして「国際性」があげられると思います。しかし特に中日友好を願い中日交流を促進しようとしている人、中学・高校で日本語を勉強したことがある人はたくさんいます。私はセンターや日本語コーナーがこれから阜新市の中日交流を進め、そのことが阜新と日本の間だけではなく、阜新市の国際化自体を促進するのではないかと考えています。センター・日本語コーナーに関わった一日本人としてこれからも、阜新で出会った一人ひとりとの友情を大切にしながら、私の立場で阜新と日本の交流を促進していきたいと考えています。

中日両国の教育・学術交流について ―中国東北遼寧省阜新蒙古族自治県便り

植木 竜司 (2007年1月28日 17時28分)

前回に引き続き、中華人民共和国阜新蒙古族自治県の中西治外語研究中心(中西治外国語研究センター)で日本語や日本文化等について研究をされている白長虹さんと戴英鋒さんが書かれた文章を紹介します。今回は「中日両国の教育・学術交流について」です。
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阜蒙県の紹介 ―中国東北遼寧省阜新蒙古族自治県便り

植木 竜司 (2007年1月23日 0時47分)

中華人民共和国遼寧省阜新蒙古族自治県(以下、阜蒙県)の職業教育中心に設置された「中西治外語研究中心(中西治外国語研究センター)」では現在、戴英鋒さんと白長虹さんが、日本語や日本文化等について研究されています。

戴英鋒さんは、阜蒙県の蒙古族実験中学で1999年より日本語の教師をされている方です。大学ではモンゴル文学を専攻されていたそうです。

白長虹さんは、阜蒙県の東梁学校で、本年7月まで中学生に日本語を教えられていた方です。現在は、日本語の授業が廃止されたため、小学生に国語と算数を教えられています。大学では日本語を専攻されていたそうです。

お二人が日本語で書かれた「阜蒙県の紹介」の文章と、「中日の教育・学術交流」についての文章を二回にわたって紹介します。今回は「阜蒙県の紹介」の文章です。

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