脳梗塞にならないために、脳梗塞を再発しないために (2)

中西 治

2011年6月21日に済生会横浜市南部病院の主治医から磁気を利用し、三次元的な断面画像をつくり出すことのできるMRI(Magnetic Resonance Imaging=磁気共鳴画像)による検査結果が伝えられた。病名は右大脳基底核のラクナ梗塞。原因は高血圧と糖尿病。点滴治療をおこなう。2週間、穿通枝に抗血小板薬を入れ、再発を予防する。以上であった。主治医の説明と後に横浜市立脳血管医療センターでいただいた資料によると、つぎのようなことであった。

「ラクナ梗塞」というのは脳梗塞の一種であり、脳の内部にある小さな動脈の流れが悪くなって起こる小さな梗塞である。脳梗塞にはこの他に、心臓内でできた血栓が脳動脈に流れ込んで血管が詰まる梗塞、「心原性脳塞栓症」と脳の大きな動脈が動脈硬化によって狭くなったり、詰まったりして起こる梗塞、「アテローム血栓性脳梗塞」の二つがある。この三種の「脳梗塞」と脳の血管が破れて脳の中に出血する「脳出血」および脳の表面を走っている動脈が破れて、頭蓋骨と脳の間にある「くも膜」という膜の内側に出血する「くも膜下出血」の三つを纏めて「脳卒中」という。さらに、症状や徴候が出現しても、24時間以内に回復し、後遺症を残さないものを「一過性脳虚血発作」という。これを含めて「脳血管障害」と総称する。

今回、私は南部病院の主治医から画像の説明をうけたさいに、「あなたは過去に一・二回脳梗塞になっていますよ」と言われ、今回の障害を起こした「大きな一つの点」と他の場所にある「小さな二つの点」を指摘された。

2008年には同じ南部病院でCT(Computed Tomography=コンピュータ断層撮影)の画像を見ながら、「脳梗塞はありません」と言われて、安心し、喜んだのであるが、今回の「小さな二つの点」はそのときのものであろうか、それとも、その後のものなのであろうか。CTとMRIの精度の違いによるものであろうか。いずれにしても、2008年の症状は「一過性」のものであったが、間違いなく今回の「脳卒中の前触れ」であった。「脳梗塞ではなく、腰に何らかの障害があり、それにより血行が悪くなっている」と言われたことで脳梗塞の可能性を軽視したのは私の不覚であった。私はあの段階以降、自身の健康状態に注意するようになっていたが、もっともっと注意すべきであった。

今回、発症したとき、妻から開口一番「自業自得よ」と言われた。私も「その通りである」と思った。私の身体は誰のものでもなく、私自身のものである。私はこの身体とすでに78年間付き合ってきている。私の健康の維持は誰の責任でもなく、私の責任である。

私がこの一文を書いているのは自戒とともに、読者の皆さんに一人でも多く脳梗塞になっていただきたくないからである。「脳梗塞には必ずその前兆がある」「自分の頭であるから、その気になって注意すれば、それは分かる」「注意して生活すれば、脳梗塞にならなくてすむ」と思うからである。(続く