脳梗塞にならないために、脳梗塞を再発しないために (1)

中西 治

人間の身体は精密機械である。その司令塔は脳である。この脳の正常な機能を害する脳梗塞は恐ろしい病気である。厄介な病気である。脳梗塞とは脳の血管が詰まり、血が流れなくなったり、血流が悪くなったりすることによって生ずる病気である。私の場合は左の手と足の動きが鈍くなったにとどまったが、右の手と足に障害が起こった人の中には言語障害などを併発する人がいる。リハビリテーションとはこの鈍くなった機能を回復するために病人(患者)と治療専門家(療法士)が共同でおこなう作業である。私は前後6か月ほどの入院によるリハビリによって、やっと何とか歩けるようになったが、左手はまだ十分に機能していない。

私の脳梗塞の徴候は2010年6月20日(父の日)の早朝にあらわれた。前日、6月19日に予兆があった。夕方、パソコンの前を離れ、立ち上がろうとしたとき、足に異変を感じた。足が思うように動かなかった。これが左足だけだったのか、左右両足であったのかはっきりと覚えていない。すぐに治ったので庭に出て大きくなった梅の実をとった。大収穫であった。

実はこの2年ほど前、2008年に朝のラジオ体操のあと顔を洗おうと思って洗面台の前に立ったとき、急に足がよたよたとして座り込み、立ち上がれなくなったことがあった。這いずりながら食堂に行き、椅子に手をかけてやっと起きあがった。近くの医院で診察を受けた後、主治医の紹介で洋光台駅から一つ大船よりの港南台駅近くの済生会横浜南部病院に行った。精密検査の結果、脳には異常がなく、腰から足への血行が良くないということであった。血行を良くする薬をいただいた。この時は長いあいだ待たされたあと、診察と検査を受けているあいだに治っていた。その後、用心のために、この薬を常用していたが、この病気を甘く見ていた。

今回も初め、2年前の症状がふたたび起こったと思った。早速、薬を飲んだ。ついでに、手元にあったワインを飲んだ。前に血行を良くする薬をいただいたときに、医師に「アルコールはどうですか」と尋ねたところ、「血行を良くするから、少しなら良いでしょう」ということであった。美味しい白ワインを飲み、よい気分で寝た。これが悪かった。夜中12時ころにトイレに行ったときは何とかベッドに戻れたが、明け方6時前にトイレに行ったときには、ベッドに戻れず、途中、畳の部屋でダウンした。それでもなお脳梗塞とは思わず、腰から下への血行が悪いと思いこんでいた。

午前6時に名古屋の二男夫婦に電話をかけ、これから救急車で入院するので、後を頼むと伝えた。ついで、119番した。救急車はすぐ来た。済生会横浜南部病院に運び込まれた。(続く