憲法9条は人類の誇り その精神を地球全体に広げましょう!

中西 治

特定非営利活動法人 地球宇宙平和研究所の皆様

新年あけましておめでとうございます。

自民党は昨年11月に新憲法草案を発表し、「戦力を保持せず、交戦権を認めない」現行憲法の第9条第2項を削除し、かわりに「自衛軍を保持する」とともに、自衛軍が「国際的に協調して行なわれる活動を行なう」ことを明らかにしました。これは日本の軍隊が外国で戦争するのを認めることを意味します。

私はこのような憲法9条の改悪に反対です。それは日本を戦争をしない国から戦争をする国に変えるものです。それはいつか来た道であり、もう一度、日本を滅ぼす道です。

ドイツの哲学者カントは18世紀末に恒久平和のためには常備軍を廃止しなければならないと提言しました。人びとがこの提言を受け入れるのに150年の歳月が必要でした。「紛争問題は平和的に解決し、軍隊を持ってはならない」との結論に人びとの多くが達したのは第二次大戦後でした。日本国憲法第9条はこの結論を法制化したものです。

憲法9条は人類が戦争と革命で大きな犠牲を払ったあとに辿り着いた到達点であり、人間の理性の所産です。1999年にオランダのハーグで開かれたハーグ平和市民会議は「各国議会は日本の憲法9条を見習い、自国政府に戦争をさせないための決議を採択すべきである」との呼びかけを採択しました。憲法9条は21世紀の人類がめざすべき目標であり、人類の宝であり、誇りです。

日本には自衛隊が存在し、現に戦争が行なわれているイラクに自衛隊が派遣されているのであるから、9条の改定は現状を憲法で追認するだけのことであるとの考えがあります。しかし、憲法で自衛隊を軍隊として認めるのか否かは大きな違いがあるのです。憲法9条があるから自衛隊はいまでも公然と軍隊と称し、戦闘行為を行なうことはできないのです。憲法9条は自衛隊の完全な軍隊化と戦争実施に対して厳重な歯止めとなっています。

日本国民が憲法9条の改悪を許すとすれば、日本が半世紀以上にわたって続けてきた戦争放棄と軍隊不保持の政策は妥当でなかったと 日本国民が認めることになります。これは日本に続いて戦争の放棄と軍隊の不保持をめざして努力している他の国の人びとに大きな衝撃を与え、この面での歴 史の発展をいちじるしく阻害することになります。日本人の責任は重大です。

日本国憲法第9条を維持し、他国にも同じ政策を採ってもらうために憲法9条の精神を地球全体に広め、人類史の発展に新しい展望を拓きましょう。

2006年元旦