最近の日本の政治情勢について

中西 治

昨年 8 月の総選挙で民主党が大勝し、自民党から民主党への政権交代が実現した。国民の多くはこれを歓迎した。最近の世論調査によると、鳩山内閣の支持率は低下し、不支持率が支持率を上回った。

なぜこのようなことになったのか。

鳩山さんの指導力が不足しているからである。普天間問題しかり、後期高齢者医療問題しかりである。加えて、鳩山さんと小沢さんの金銭問題が国民の鳩山内閣離れを促している。このまま行くと、夏の参議院議員選挙で民主党は勝てない。小沢さんでは選挙はできない。小沢さんは参議院議員選挙までに幹事長を辞めるであろう。

自民党は鳩山さんと小沢さんの金銭問題に的を絞り、二人を追い落とし、鳩山内閣を退陣に追い込もうとしている。このところの国会での自民党幹部による鳩山・小沢批判は異常である。かつて政府・与党で指導的な地位にあった人々が次々と国会で、鳩山・小沢非難を繰り返し、罵声を浴びせている。非難している人と非難されている人はかつて同僚であった。恥ずかしい。このことが分からないようである。情けない。

自民党はこのようなやり方では参議院選挙に勝てない。国民はとっくに自民党と民主党の指導者がもともと保守の同僚であり、ともに金権政治にまみれた人々であることを知っている。それでも自民党よりはまだましだと考えて、民主党に日本の政治を託した。いま自民党が為すべきは、これまでの自民党の政策の二番煎じではなく、民主党以上に革新的な新しい政策を提示することである。自民党はこれができない。自民党は鳩山・小沢の民主党とたたかうことを望んでいる。麻生政権時の民主党と同じである。民主党は敵失によって勝った。自民党の狙いも同じである。次の参議院議員選挙で自民党が大敗すれば、自民党の自壊現象はいっそう進む。

現在は 20 世紀後半の政治体制から 21 世紀初頭の新しい政治体制への移行期である。

変革はすでに始まっている。このチャンスを潰し、後戻りさせてはならない。新しい人、新しい考え、新しい展望が開け始めている。政治には善意と崇高な理念が必要である。不屈で、忍耐強く、決定的なときに果断に行動する実行力が必要である。

鳩山さんが普天間問題でそれを発揮することを期待している。そうすれば、鳩山さんは歴史に残る政治家となるであろう。そうでなければ、民主党は鳩山さんでは参議院議員選挙をたたかえなくなるであろう。

歴史はジグザグの道を歩みながら進んでいく。