新春講演会、開かれる

中西 治

2010 年 1 月 17 日 (日) 16 時 15 分から 2 時間以上にわたって「かながわ県民センター」で恒例の新春講演会が開催されました。講師は中国武漢大学日本研究センター執行主任熊沛彪教授、演題は「東亜国際体制の変遷と東アジア共同体について」でした。教授の中国での学生で、現在日本に留学中の方々も参加され、活発な論議が展開され、予定の時間をはるかにこえました。

初めに、教授は東アジアの国際体制の歴史を概観しました。論は、古代中国を中心とする華夷体制に始まり、 1920 年代のワシントン体制、 1930 年代から 40 年代にかけての東亜新秩序、第二次大戦後の冷戦体制への従属、冷戦後の「一超諸強 (唯一の超大国米国と諸強国の並存) 」とグローバル時代の到来、東アジア共同体構想の登場に及びました。

ついで、教授はこの構想の問題点を五つ指摘しました。政治体制の多様性、経済発展の不均衡、文化背景の相違、現実の矛盾と対立、安全保障協議の欠如です。

教授は自由貿易協定 (Free Trade Agreement) を大変重視し、 2010 年 1 月 1 日の ASEAN (東南アジア諸国連合) と中国との自由貿易協定を、ヨーロッパ、北アメリカに継ぐ三番目の共同体の発足と位置づけました。 ASEAN と中国のあいだにはすでに共同体が形成されていると言うのです。日本と韓国が加入していないので不完全な東アジア共同体です。

結論として、教授は東アジアとヨーロッパ・アメリカは違うので、アジアでは東洋の思想や知恵を活用しながら、新しい共同体のパタンを創造しなければならないと主張します。

これに対して受講者から、東亜の範囲は、共同体はどのような方向に向かうのか、ユーラシア共同体の可能性は、社会主義の理念は、中国は共同体についての理論をどこの国、誰に学ぶのか、宗教は理念になりうるのか、中華人民共和国は EU (ヨーロッパ連合) のような共同体であり、さらに、東アジア共同体をつくる必要があるのか、中国が東アジア共同体構想に賛意を表しているのは国際協調の一環ではないのか、などの質問が出されました。

これらの論議の続きは 2011 年に武漢大学で開かれる予定の私たちの研究所と武漢大学との共同シンポジウムでおこなうことになります。

熊教授の講演のビデオを DVD 化し始めています。完成次第、放映し、ユニバーサル・ユニバーシティ・インターネット (UUI) を発足させます。DVD を放映していただける方、 1 月 31 日までに中西にご連絡下さい。よろしくお願いします。

2010 年 4 月 18 日 (日) 午後に「横浜市青葉区民センター」で理事会と研究会、 5 月 16 日 (日) 午後に「かながわ県民センター」で総会記念講演会と総会を開催します。
いずれも詳細が決まり次第、それぞれ改めてお知らせします。

良い愉しい日々を!