ベトナム訪問を終えて

中西 治

私たちの地球宇宙平和研究所代表団が 2009 年 9 月 1 日から 8 日間ベトナム社会主義共和国を訪問し、無事けさ帰国しました。

代表団はホーチミン (旧サイゴン) 市でバンラン大学と人文社会科学大学、首都ハノイでベトナム社会科学院を訪れ、ベトナムの現状と将来、日本の現状と日本・ベトナム関係、私たちの研究所とベトナムの大学・研究所との今後の交流について意見を交換しました。

障害者の施設や日本語を教える小・中学校を見学し、現地で活躍する日本人実業家の方々、総領事館と大使館の外交官の方々から種々お教えをいただきました。

ベトナム戦争中のホーチミン市近郊の戦場クチで、小柄なベトナム人が一人やっと通れるような狭いトンネルをくぐりました。戦争証跡博物館、水上人形劇をみました。ホーチミン廟を訪れ、ハロン湾を船で巡航し、世界遺産の景観を身近に見ました。自然がつくり出した美しさに心を打たれました。

街はオートバイで溢れています。次々と押し寄せるオートバイと自動車と自転車の大波があっという間に大洪水となり、街を埋め尽くします。それでもこれらの車は奇跡的に流れていました。私たちの自動車の運転手が危うく衝突しそうになった二人乗りのオートバイの男女に「死にたいのか」とどなっていました。私たちの車の運転手の一人も出勤途中のバイクの事故で右手の各所に擦り傷を負いながら、左手だけで右手をかばいつつ運転をしていました。人々は命がけで車に乗っています。生きています。

私はかつて東京で、北京で、上海で、武漢で交通の大渋滞を見ました。ベトナムはそれらをはるかに超えています。

200 万都市サイゴンが短期間に急速に 800 万都市ホーチミンに発展しました。急激な都市化に対策は追いついていません。交通戦争です。いまはオートバイですが、いずれ間もなく自動車です。この戦争はまだ拡大します。この戦争に勝つことが現在のベトナムの最大の課題です。ハノイの社会科学院でこの問題も取り上げました。道路の拡幅、市内環状高速道路網の建設、公共交通機関の拡充、地下鉄の建設、都市機能の分散・移転などの抜本的対策が必要です。

日本も中国も交通戦争に勝利しつつあります。米国との戦争に勝ったベトナム人民も、交通戦争に勝利するでしょう。クチでトンネルを掘ったベトナム人民です。ホーチミンでも、ハノイでも「アナ (坑) 」を掘って勝利するでしょう。

ベトナムは矛盾に満ちています。矛盾は発展の源です。ベトナムは大発展するでしょう。

ベトナム人民の平和と幸せ、日本人民との平和と友好を願っています。

私たちの研究所の活動の幅を広げようと思っています。

2009 年 9 月 8 日 17 時
ベトナムから帰国した日に