第2回グローバル・アカデミーに参加して

中西 治

2009 年 7 月 19 日に第 2 回グローバル・アカデミーに参加しました。

まず、片山博文さんの報告「フレデリック・ソディのエコロジー経済学」について。

ソディといっても知らない人が多いでしょう。私も知りませんでした。ソディは 1877 年生まれ。 1898 年にオックスフォード大学を卒業、化学を専攻。放射性元素を研究。 1919 年から同大学化学教授、1921 年にノーベル化学賞受賞、1956 年に死去。私が大学を卒業した年に亡くなっています。私より二世代上です。しかも、自然科学者。知らなくて当然でしょう。

この人が 1912 年に、もしもエネルギーの供給が止まったならば、現代の文明社会は突然終局を迎えるであろう。この危機を逃れる可能な道は原子核転換による問題の解決しかないであろう、と言いました。そして、さらに、1933 年には、もし原子エネルギーが現在の経済状況に組み入れられれば、科学文明の行き過ぎを意味する、すなわち単に破壊への引き金を引くものではなく、即時絶滅を意味する、と言いました。何という先見の明でしょうか。

研究者はこのくらいの先見性がなければなりません。

私はできるだけ異なる学問の専門家の話を聴くようにしています。とくに、自然科学者の。社会科学者が思いもつかない発想を学ぶことができます。

つぎに、林亮さんの報告「国際関係論は西欧近代を如何に超克するか」について。

私たち日本人は明治までは主として中国・朝鮮、それに少しオランダに学び、明治以降はヨーロッパに学び、第二次大戦後はアメリカ・ソヴェトに学びました。国際関係論はアメリカからの輸入の学問でした。私はそれにソヴェトと中国の研究成果を入れる努力をしました。そして、到達したのが宇宙地球史であり、地球宇宙平和学です。

国際 (International) は 20 世紀の概念です。 21 世紀は地球 (Global) と宇宙 (Universe: Cosmos) の時代です。核エネルギーと人類の出合いは不幸なものでした。核兵器の廃絶とこのエネルギーの平和利用は人類共通の課題です。私たちの研究所は、この時代にふさわしい新しい学問をつくりだすとともに、人類共通の課題を解決する研究所です。

片山さんと林さんの二つの報告はともにそれをめざしたものでした。新しい知見を得ました。ありがとうございます。