朝鮮の核実験について

中西 治

2009年5月25日に朝鮮中央通信は「同日、2回目の地下核実験を成功裏に実施した」と発表しました。

韓国の地震観測では、2006年10月9日の1回目の実験はマグニチュード3.58から3.7と言われていましたが、今回の実験は4.5と伝えられています。前回よりも核爆発の規模は大きいようです。

私はすべての核爆発実験に反対であり、すべての核兵器の保有に反対です。核戦争の脅威をなくすためには核兵器を廃絶しなければなりません。

私は今回の朝鮮の核爆発実験にも反対です。無駄です。いずれ核兵器はなくなります。

今回の朝鮮の行動は十分に予想されるものでした。今年4月5日に朝鮮が人工衛星を発射し、地球をまわる軌道に乗せたと発表したのに対して、国連安全保障理事会は同月13日に議長声明を発表し、この発射が前述の朝鮮の第1回核実験と関連して出された2006年10月14日の国連安保理決議第1718号に反するとしました。

朝鮮は安保理が朝鮮の人工衛星打ち上げ問題を議題としたことに抗議し、この議長声明に賛成した米国・中国・ロシア・日本が参加する6か国協議はその存在意義を失ったとして、今後これまでの合意に拘束されないと発表しました。朝鮮は核施設の無能力化作業を中断し、再び核兵器生産の道を歩み始めました。その結果が今回の核実験です。

この間、5月7日に朝鮮宇宙空間技術委員会は平壌で、4月5日に打ち上げられた人工衛星「光明星2号」は正常に運行し、地上基地との通信実験に成功した、と発表しました。この報道は中国の新華社通信によって5月8日に伝えられましたが、日本ではほとんど話題になりませんでした。

私はここにいたるまでに双方にもっと適切な対応策があったと思っています。私はその都度、意見を表明しました。まだ間に合います。朝鮮も、日本も、中国も、ロシアも、米国も、これ以上、「目には目を」といった対応を繰り返してはなりません。

どの国も核戦争をするわけにはいかないのです。そんなことをすれば、とくに、朝鮮と日本のような隣り合った小さな国は、戦争が始まった途端に、あっという間にともに廃墟と化すのです。ロケットが発射されたことを知った時には、ロケットはもうとっくに日本の上空を通過し、はるか彼方に飛び去っていることを今度の出来事を通じて日本人はよく知ったはずです。

核戦争が始まってからでは遅いのです。

日本と朝鮮、米国と朝鮮、日・朝・韓・中・露・米の6か国は対話と協議を再開し、朝鮮半島・北東アジア・東アジア・世界の非核武装化を実現しなければなりません。ときあたかも、核兵器の廃絶を要求する声と運動が地球全体に広まり、高まりつつあります。

いまこそ人間は理性の声に耳を傾けなければなりません。私たちはホモ・サピエンス(知恵の人)なのですから。