この内閣で自公は総選挙に勝てるのか -福田改造内閣の発足にあたって

中西 治

今日(2008年8月1日)、福田康夫首相は昨2007年9月26日に発足した「背水の陣」内閣を改造しました。福田さんは改造内閣を「安心実 現」内閣と名付けました.。私は衆議院の解散・総選挙に向けて挙党一致と人心の一新を図った「選挙実施」内閣であると考えています。

昨年の総裁選挙で福田さんに反対した麻生太郎さんを挙党一致のために幹事長にしました。また、かつて郵政民営化に反対して自民党から追われ、その 後に復党した保利耕輔さんを政調会長、野田聖子さんを消費者行政担当大臣に任命しました。罵詈雑言を浴びせ、刺客を差し向けた小泉内閣時代とは様変わりで す。小泉政治の否定です。総選挙に勝つためです。

人心一新とはほど遠い。17人の大臣のうち4人が留任、3人が党役員からの横滑りです。この7人が内閣のスポークスマンとして毎日のようにテレ ビに登場する内閣官房長官の他、総務・外務・財務・厚生労働・経済産業・国土交通などの重要な大臣の座を占めています。新鮮味はありません。

この内閣で自民・公明の与党は総選挙に勝てるのでしょうか。私は勝てないと思います。現在の三分の二どころか、過半数を獲得するのも難しいでしょう。

2008年7月20日に投開票された埼玉県富士見市の市長選挙で自民党と公明党の推薦をうけて三選をめざした現職が8693票しか獲得できず、惨敗しました。当選したのは政党の支持をうけていない無所属の新人で1万3132票、次点の共産党と市民ネットの支持をうけたこれまた新人の1万2301票 にも遠く及ばなかったのです。いまの日本の有権者の気分を象徴的に表しています。

福田さんは現在の日本が物価高や景気の低迷、年金・医療・雇用などの面で大きな困難に直面し、国民の生活が苦しくなっていることを認めています。福田さんはこれを解決するために国民の目線で正面から改革に取り組むと言っています。言や良し。

その行き着く先は「財政再建」。国民の負担増と消費税の増税です。伊吹財務相や与謝野経済財政政策担当相の発言はこのことを示唆しています。

福田改造内閣は、消費税増税のために、選挙で不利なことを承知のうえで、あえて、これを俎上にのせる「自爆内閣」と言えるのかも知れません。