中国遼寧省阜新市日本帰国者ビジネス協会

植木 竜司

中国遼寧省阜新市に、本年5月「阜新市日本帰国者ビジネス協会(以下、ビジネス協会)」が設立されました。この協会は日本から帰国した留学生や研修生を主体とする公益団体です。

私は昨年10月より今年3月まで阜新市に滞在していたのですが、滞在期間中ビジネス協会の前身となった「日本語コーナー」に参加しており、本年8月15日より本協会の日本本州連絡代表に任命されました。そこで、今回はこのビジネス協会について日本の皆様に紹介させていただきたいと思います。

以前本サイト上でも何度か紹介させていただいたことがありますが、阜新市は中国の東北部に位置する遼寧省にある一つの市です。

同じ遼寧省内にある大連市や瀋陽市に比べ、国外における認知度が低く、市内で外国人を見かけることはほとんどありませんが、阜新市から外国へ留学や仕事で行く人は多く、日本に留学生や研修生として来る人も数多くいます。ビジネス協会は、そのような留学生・研修生として日本滞在経験がある人や個人的に日本や日本語に興味を持ち勉強を続けている人たちが設立した協会です。

阜新市は「炭鉱の町」として知られていますが、近年は石炭が枯渇しつつあり、経済構造の転換が図られています。そうした中で、市政府は炭鉱業に変わる新たな産業の模索や海外企業の誘致等を積極的に進めています。日本への働きかけもしており、今年4月には経済貿易代表団が訪日しました(「中華人民共和国遼寧省阜新市人民政府代表団の歓迎宴」を参照)。そのような環境の中で本ビジネス協会は設立されました。会員、名誉会長には阜新市人民政府の多くの局長や副局長、また副市長等も名を連ねています。

具体的には商務・税務・法律及び金融など各方面のコンサルティング業務、交流会などの実施による相互交流の場の提供、研究討論会及び各地の会員間の相互訪問活動の組織、阜新の商工団体及び他国の類似団体との交流活動、インターネット上のホームページによる宣伝活動等を行っております。

このビジネス協会には、企業や政府関係者以外にも大学教員や日本語学校の日本語教師など多くの教育関係者が参加しています。会長は阜新市博文外語学校校長の武林奇さんが務めておられます。私はこのビジネス協会が、ビジネスの面のみに限らず、多方面で阜新市と日本の関係を強め、友好関係の促進に貢献する協会になるのではないかと期待しています。

以下は、董久峰副会長へのインタビューです。

植木:ビジネス協会設立の目的は何ですか。
董:阜新の対外政策・各商工業・自然資源などを宣伝すること、阜新商工業企業・社会組織と日本各商工業企業・団体・個人との交流・協力・発展を促進すること、国内各商 工業企業の発展を導くこと、阜新の対日企業誘致・資金導入の拡大・経済の転換および発展を推進することに貢献することです。

植木:ビジネス協会にはどのような方が参加されていますか?
董:日本から帰国した留学生および研修生を主体とし、日本との交流や協力を望み本会を支援する人々が参加しています。2005年9月阜新市民政局副局長の趙作奎名誉会長は1年3カ月の努力を経て日本大学のグローバルビジネス科の修士として卒業し阜新に帰ってきました。それから阜新にいる留学や研修生として日本滞在経験のある人たちと相談してビジネス協会を設立しました。

植木:阜新の産業について紹介してください。
董:火力発電、風力発電、機械設備製造業、農業および補助プロダクト処理業、サービス産業と職業教育産業などです。今の阜新には豊かな労働力資源があり、職業教育産業は全国にも有名です。私は、特に阜新の進んだ教育環境を基にして阜新の人々に日本語教育や日本企業必要な職業教育を行い、労働力を活かしていくべきであると考えます。合作学校や合作大学を作る事も考えられます。

植木:最近の中日関係・中国人民の対日感情をどのように考えていますか?
董:中日関係は複雑な問題です。日本政府は真摯な歴史観を持ち、勇敢に中国及び アジア周辺国を侵略した事を認め、受害国と受害人民に対して反省の態度を示し、 そして他国の許しを得てから一緒に未来を向かう、一緒に友好かつ平和な世界に向 かうべきであると考えます。また、感情と言うのはさまざまな要素で決められると 思いますので、たとえば、お互いの歴史観・異なる価値観への理解、文化交流・民 間交流、経済関係等を進めていく必要があります。今年4月温家宝総理訪日や、日中友好文化体育交流年活動、安倍前首相や福田首相の対中態度などにより中日友好は深まっていると信じています。