日本政界再編劇第一幕、上演中

中西 治

2007年日本政界再編劇第一幕コメディー(喜劇)「小沢代表辞任申し出の場」は上演中です。

事実は小説よりも奇なりと言いますが、事実は芝居よりも面白いです。

主役は小沢一郎さん、端役は福田康夫さんです。

小沢さんは福田さんと合意した民主党と自民党との大連立を民主党幹部が拒否したからと言って、2007年11月4日に民主党代表を辞めると言いだしました。

またかという感じですが、民主党指導部は必死になって小沢さんの慰留に努めています。どの人も小沢さんに代わって代表となり、迫りくる総選挙で勝つ自信がないのです。

民主党幹部が恐れているもう一つは、小沢さんが代表を辞め、何人かの国会議員、とくに参議院議員を伴って離党し、自民党に戻るか、新党を結成して 自民党と連立を組むことです。そうなると、自民党が衆参両院で多数派となり、民主党は両院で少数派となる可能性があります。元の木阿弥です。

はたして何人が小沢さんと行動をともにするのでしょうか。小沢さんは副総理格で入閣できるでしょうが、他に何人が大臣になれるのでしょうか。自民 党が欲しいのは参議院議員です。衆議院議員は有り余っています。それに間もなく選挙です。民主党から衆議院議員が移ってきたら、自民党の候補者調整はいっ そう難しくなるでしょう。ありがた迷惑です。

このような話に民主党の何人がのるのでしょうか。小沢さんは辞任という大きな観測気球をあげ、党内外の反応を見ています。まだ辞意を撤回しようか否かと迷っています。

福田さんは例の鳩が豆鉄砲を食らったような表情で「びっくりした、びっくりした、びっくりした」と短いせりふを三回繰り返しました。心なしかほく そ笑んでいるようでした。私も笑ってしまいました。福田さんは大連立構想について「あうんの呼吸で」と言いました。小沢さんの辞意表明は福田さんへの謝意 表明です。ここまでは短い出番ですが、端役が主役をくっています。

小沢さんも福田さんもともに大連立を望んでいること、外国に自衛隊を出したいことがはっきりしました。違いはどういう条件で出すのかです。兄たりがたく、弟たりがたしです。

外国に軍隊を送るとき、最初は人を助けに行くとか、不正をただすためと言います。さあ、これから外国に人を殺しに行くぞと言ったら、賛成する人はいません。外国への軍隊の派遣は何と理屈をつけても人と人が殺し合う戦争になるのです。

再編劇第一幕はまだ続いています。