海上自衛隊のインド洋からの帰国を喜ぶ

中西 治

石破防衛大臣は2007年11月1日15時に「テロ対策特別措置法に基づく対応措置の終結に関する自衛隊行動命令」を発し、インド洋上で米国、英国、パキスタンなどに給油活動をおこなってきた海上自衛隊に2日午前0時で活動を止め、帰国を命じた。合わせて航空自衛隊が日本国内外の米軍基地間で米軍の輸送支援活動をおこなっていたのも中止される。

私はこれを喜ぶ。

2001年9月11日の事件とアルカイダ、タリバン、アフガニスタンとの関係はいまだに定かでない。それを強引に結びつけて米国はアフガニスタンに出兵し、タリバン政権を倒したが、アルカイダの中心者と言われる人は見つからず、泥沼にはまり込んでいる。

同じことがイラクでも起こっている。イラクに大量破壊兵器があるといって米国はイラクを攻撃し、フセイン政権を倒し、フセイン大統領を殺したが、大量破壊兵器は見つからず、ここでも泥沼にはまり込んでいる。

アフガニスタンでもイラクでも事態は米国軍が介入する前よりも悪くなっている。

日本は先にイラクから陸上自衛隊を引き揚げたが、いままたインド洋から海上自衛隊を引き揚げた。残っている航空自衛隊もイラクから引き揚げるべきである。

海上自衛隊をインド洋から引き揚げることによって日米関係が悪くなると言われているが、そのようなことはない。ブッシュ大統領やそれを取り巻く一部の人は残念だろうが、米国人の多くはアフガニスタンとイラクからの米国軍の撤退を要求している。次の大統領は誰がなっても、アフガニスタンとイラクから米国軍を引き揚げることになるであろう。

日本の一部には現在国会に提出されている補給支援特別措置法が参議院で否決された場合、衆議院で三分の二で再議決し、可決すべきであるとか、自衛隊の恒常的な海外派遣のための法律を制定すべきだとの論があるが、これらは論外である。それは先の参議院選挙で示された主権者である日本国民の意思に反する。

テロも悪いが、戦争はもっと悪い。テロは私的な集団や個人がおこなう戦争であり、戦争は国家がおこなうテロである。戦争でテロを根絶できない。

日本は自衛隊を派遣するのではなく、地球上の各地に住む人間の生活の安定と向上に資し、テロの根元を絶つ努力をすべきである。

世界の流れを変えるときである。