第5回6者協議の成功をよろこぶ

中西 治

北京でおこなわれていた中国・朝鮮・韓国・ロシア・日本・米国の第5回6者協議が2007年2月13日に朝鮮半島の非核化についての合意を確認する文書を採択して閉幕した。

朝鮮半島の非核化について6者協議は2005年9月19日の第4回会議ですでに合意に達していたが、その後、朝鮮がロケット実験や核実験と称する実験をおこなったために、この合意が反古になったかの感があった。それが今回の合意で生きていることが確認された。私はこのことを心からよろこんでいる。

朝鮮は前回はすべての核兵器と核計画を放棄する代償に軽水炉型原子力発電所の提供を受けることになっていたが、今回はすべての核施設を解体するかわりに重油100万トンに相当する経済・エネルギー・人道支援を受けることになった。朝鮮は米国からテロ支援国家の指定を取り消し、対敵国通商法の適用を止め、金融制裁問題を30日以内に解決するとの約束を取り付けた。朝鮮と米国との国交正常化交渉がニューヨークでおこなわれることになった。

1950年6月の朝鮮戦争勃発以来戦争状態にあり、1953年7月の休戦協定締結後も敵対関係にあった朝鮮と米国との関係が正常化し始め、朝鮮半島は大きく平和の方向に動き出した。

朝鮮は多くのものを得た。朝鮮外交は強かである。

日本と朝鮮との国交正常化交渉もおこなわれることになった。拉致問題が両国関係の大きな障害となっているが、このさい発想を転換し、あらたな対応が必要である。そうでないと、この問題そのものも解決しないし、日本は北東アジアの平和と安全の機構から疎外され、孤立する可能性がある。日本人の理性と英知が問われている。