日本社会研究部会とは

わたなべ ひろし

現在の日本社会はいかなる社会なのか。地球宇宙平和研究所の日本社会研究部会は、「現代日本社会論−私たちはいかなる時代に生きているのか、そして時代にどう向き合うのか」というテーマの下、これまで研究会を行ってきました。

このテーマにもありますように、「近代からポスト近代へ」「20世紀から21世紀へ」「戦後から戦後後へ」という3重の転換期にある現在の日本社会を、い ろいろな角度や視点からリアルに捉え考えていきたいというのが、少なくとも僕自身のこの研究会への参加動機でした。

研究会を発足するに際し、研究会の方針として佐藤智子さんと、次のような点を了解しあいました。この研究会が、アカデミックなものよりも、社会人として現在の日本社会で実人生を送っていて、その変化を日々の生活の中で体感している会員諸氏と現実に即 した議論ができるような場にしたい。さまざまな分野で生活・仕事をされている人たちの意見を、できるだけ幅広く学べ、知る機会となるような場にしたい。以上の方針から、研究会は、土日の週末よりは平日の夜、23区内に会場を探し研究会を実施していくことにしました。

僕にとって、研究会を具体的に進めていくに際し、最も参考となったのはオーストラリア国立大学教授テッサ・モーリス=スズキ氏の次の文章でした。

「自身が存在する場所を全体の中で位置付けるような羅針盤のような議論がなければ、その社会運動は弱体化し、分断されて周縁に追いやられることになる。こ こで求められているのは、更なる新たな大きな物語ではなく、むしろ現代の社会秩序について批判的に議論し、オルタナティブな分析を共有する創造的なフォー ラムの創出であり、世界についての多様な批判的議論を動態的に積み重ねながら理論と実践を橋渡しするような場の形成である」(『世界』2004年7月号、 p.39)

僕は、この研究会が現在の日本社会について「批判的に議論し、オルタナティブな分析を共有する創造的なフォーラム」になればと願い、参加される方々と議論していければと思っています。