“平和学の教科書”-出版ラッシュ!?

玉井 秀樹

金曜コラムを担当させていただくことになりました。皆勤賞めざして頑張りたいと思いますので、ご指導・ご鞭撻のほど宜しくお願いします。

現在、大学にあって平和学を学び、また、教えるという仕事をしているということもあり、平和学の学び方について考えたこと、感じたことを中心に書かせて いただこうと思っています。もっとも、脱線することの方が多いと思いますが・・・ 第1回の拙稿では、昨年から立て続けに平和学の教科書が出版されている ことについての感想を述べさせていただきます。

私が「平和学」の存在を知ったのは、大学4年になって卒業論文テーマが決まらず、指導教授の研究室で先輩たちの卒業論文集を捲っていた時でした。 初期平和学の業績を扱った論文に出会い、「こんな直截的な“学”があったのか!」と驚きました。そして、学んでいた大学は(現在はここに奉職しているわけ ですが)「人類の平和を守るフォートレスたれ」との建学の理念を掲げているにもかかわらず、なぜ「平和学」が講じられていないのか? と思ったのでした。

これを機に、卒業論文で「オセアニアにおける平和学の現況」を書くことになり、「平和学とは?」を知るところから始めたわけですが、当時(1984年)は、勁草書房から山田浩編『新訂平和学講義』が 出ていた程度で、平和学を概説する教科書といえるものはほとんどありませんでした。川田侃、岡本三夫、高柳先男といった諸先生の書かれた論文を何とか探し だしては、平和学情報を得ていくといった状況だったことを思うと、最近の“平和学の教科書”出版事情は隔世の感があります。

実は、1999年にも“平和学の教科書”が4冊ほど重ねて出版されていたのですが、昨年から今年にかけてすでに8冊も出版されています。平和学を学ぼうとする人に基礎情報を提供してくれる便利なWEB「はじめての方へ:平和学入門」を開設している池尾康志さんが、「最近、ふたたび「平和学」の教科書ブームがやってきた」と書かれている通りだと思います。

池尾さんの表現を借用すれば、1999年は第一次“平和学の教科書”ブームということになるでしょうか。その時は以下の4冊が出ています。

そして、現在の第二次(?)ブームでは以下のような本が出ており、さらに、法律文化社から『オキナワを平和学する!』という本が近々出版されるようです。

次週以降、こうした“教科書”を読んでみた感想を折にふれ書いていきたいと思います。