愛知万博にて

その他

投稿者:長谷川薫

つい先日、現在開催中の「愛・地球博」を訪れました。夫の勤務先が愛知万博にパビリオンを出しており、彼もその担当になっているとの事情もあって今 回で既に2度目です。開会直後は一日4万人くらいの人出だったのが、今回は16万人ほどと連日大盛況の模様。緑豊かな敷地は結構広く感じられたものの約 173haで、1970年の大阪万博の半分ほどの広さとのこと。日本で過去4回開催された万博のうち、大阪万博について、当時4歳の私の記憶にあるのは、 祖父の家にあった記念硬貨と「太陽の塔」の写真。一方、夫は修学旅行や家族旅行で訪れており、数々の思い出があるようです。ちなみに、ファーストフード店 に必ずあるシェークはこの時初めて飲み、痛く感激したとのこと。

今回の万博は「自然の叡智(Nature’s Wisdom)」をテーマに掲げ、(1)宇宙、生命と情報(Nature’s Matrix)(2)人生の”わざ”と知恵(Art of Life)(3)循環型社会(Development for Eco-Communities)がサブテーマとなっています。観覧できたパビリオンはごく一部ですが、その中から感じたことをいくつか綴ろうと思いま す。

まず、今回の目玉ともいえる「冷凍マンモス」ですが、同行の姑(72歳)曰く「何かふかふかしてるみたい」。頭部だけとはいえ、保存状態が抜群によく肉 感的なので、1万5000年前という時間がピンとこないほどです。永久凍土という地球の冷凍庫にあらためて感嘆させられます。また、「冷凍マンモス」に続 く手前のフロアには「月の石」も展示されていましたが格別注目を浴びることもなく、この石を見るために大勢の人々が殺到したのかと思うと、隔世の感がしま す。

テレビでも紹介されることの多い「トヨタ館」では、最新型のロボットたちが登場します。楽器を自在に操るロボットは、意外に愛らしく、将来ペット(家 族?)として普及するのかもしれません。そのときは、ロボットへの虐待や飼育(?)放棄などのない世界であってほしいと願うばかりです。ハンドル操作のい らない一人乗りの車など、先の「月の石」同様、数十年後にはありきたりのものになっているのでしょうか。

日本政府主催の「日本館」は、竹やエコ素材を駆使したパビリオンの中で、古き日本と最新技術の双方を魅せるよう趣向がこらされていました。主催国らしく、万博テーマをすべて押さえた内容かと思えます。

各国のパビリオンは、それぞれに興味深いものがあります。中には現地の観光案内所かと思えるようなものもありますが、自国の文化や伝統と現在を違和感なく調和させている展示も少なくありません。いずれの展示にしろ、その国を知る第一歩にはなります。

駆け足で会場をまわるうちに、いわゆる”かけがえのない地球”という言葉がより身近に感じられ、と同時に、常に発展し続けてきた技術革新について 考えさせられた一日でした。今日、技術革新の中に地球との共存という項目は必須です。「人にやさしい」から「地球にやさしい」という観点へ、またそこから 一歩進んで「宇宙にやさしい」まで突き詰めていくと、おのずと「生命の尊厳性」が見えてくるのではないでしょうか。「自然の叡智」ならぬ「人間の叡智」が 求められている時代だとあらためて確信した次第です。