子どもから教わること

その他

投稿者:長谷川薫

2年程まえに、娘が通う小学校で3年生の「総合的学習(国際理解)」の時間をいただいたことがあります。知り合ったばかりのカザフ人女性をゲストに 招き、3コマ分の授業を担当していただきました。彼女は日本人と結婚して、来日数年。カザフ大学在学中にソ連が崩壊し、経済的・政治的混乱の中、大学生活 にも就職にも相当難義したという30代前半の方です。

昨今のサッカー人気のおかげで、「カザフスタン」の名前は多くの男の子たちが知っていましたが、何せ「ソ連」を知らない世代。事前準備には、相当悩まされました。簡単な地理・自然・学校制度・食生活などなど、9歳の子どもたちの興味をひきそうな内容に絞りました。

ビジュアルなものに目がいくのは当然ですが、意外だったのは、歴史、とりわけ冷戦時の話しに皆興味津々だったことです。「ソ連の時代は、日本とカザフの 間の行き来はあまり許されていませんでした。普通の人は全然行けませんでした。ソ連とアメリカはあまり仲がよくなくて、日本はアメリカと仲がよかったか ら。でも、今は自由に行けるようになりました。」との説明に聞き入っていました。

子どもたちからは「仲が悪かったのに、ソ連とアメリカが戦争をしなかったのはなぜですか?」との質問が出され、講師は言葉を選びつつ「それは、戦争がおきないように、粘り強く話し合いをしたからです。」と答えていました。 実感のこもった話しは心に残るのか、授業後の感想文の中に、「戦争が起きなくてよかった」と書く子が何人もいたそうです。

毎日のように戦場がテレビに写しだされている時代にあって、その異常に麻痺することなく、とにかく戦争は嫌だ!という子どもたちは正直だし、本当に健全だと思います。

何かと議論の多い「総合的学習」の時間。労多いことと思うのですが、失くしてしまっては「もったいない」限りです。大人(先生)の側にもきっと思わぬ収穫がありますよ。