外国語があなたを変えていく(5)

浪木 明

私の部屋には二つのグローブ(球体)があります。一つは地球儀、もう一つはミラーボールです。時は1979年、国際関係論に取り組み始めた私は、六 本木や新宿のディスコに足繁く通い、輝くミラーボールの下で青春の汗を流し、サングリアで喉を潤していました。そして、このミラーボールこそ私の「多重人 格」のシンボルとなったのです。

複数の外国語に取り組んでいくと、自身のコア(核)となる人格に様々なアングル(角度)が加わっていきます。この構造を見事に立体化したものがミ ラーボールなのです。ミラーボールは一見一つの球体でありながら、その球面は多数のミラーから成っています。その一枚一枚が人の「格」であるならば、ミ ラーボールはまさに「多重人格」の象徴といえます。ここで使う「多重人格」には、否定的な意味合いは一切ありません。ミラーの数が多ければ多いほど人間の 幅が広がり、世界のどこに行っても通用する「世界市民」の要件となるのです。

私はダンスが大好きです。「舞踏会」という響きには懐かしさと憧れさえ感じます。3才頃までに人間としての基盤(コア)が出来上がると言われます が、比喩的に言えば、その外側を覆うミラー=マスク(仮面)はその気さえあれば交換可能であり、これこそ未知と既知を往復する貴重な道具なのです。つまり この道具=マスクを手に入れたら、誰でも世界各地のマスカレード(仮面舞踏会)に参加できるのです。なんと楽しいことでしょう!

このコラムが一部の読者の方から、「ユニークな視点だ」「面白い発想だ」との声を頂いておりますが、私が四方八方に放つミラーボールの光を受け止め てください。少しでも納得して行動に移せたなら、あなたはもう「多重人格」の扉を開いたことになるのです。外国語学習はいつでもどこでもスタートできるの です。もちろん、外国語学習だけが「多重人格」を実現する訳ではありません。私の場合は、演劇・ダンス・ミュージカルも大いに役に立ちました。これらにつ いては別の機会に論じます。

有り難いことに、このコラム執筆を通して自分を見つめ直し、新たな決意で外国語研鑚に一層熱が入っております。酷暑の中、連日9時間に及ぶ英語指 導にあたっておりますが、疲れません。アーノルド・トインビー博士曰く、「究極の才とは、仕事と遊びとの境を曖昧にさせる才能である」 あなたも「多重人 格者」になりませんか?毎日、楽しくなりますよ。次回は、真夏の夜の「シャルウィーダンス?」です。