「憲法改正問題」について(3)

今井 康英

今回も、「憲法改正問題」について述べておきます。

本日、第163特別国会が召集され、第3次小泉内閣が発足しました。 郵政民営化法案の成立を最優先するため、全閣僚を再任したところですが、 特別国会終了後に、内閣改造、党役員人事を行うようです。 小泉首相自身の任期については、来年9月の自民党総裁任期までと、明言しました。 私見ながら、小泉さんは今まで 「私の任期中には、憲法を変えません。消費税を上げません」 と言ってきましたので、もし、 いよいよ憲法を変える気になったり、そろそろ消費税を上げてもよいと判断したのなら、 彼は辞めることを躊躇しないでしょう。 但し、党内外から任期延長論が次々と出されていますので、 本人の希望通り、来年9月に退任できるのか、どうなるのか本当のところは分かりません。 なにせ彼は稀代の「策士」ですから、政権延命のためにどんな奇策を用意しているのか、 やすやすと見抜けるはずもありません。

一方、議席の上では惨敗して岡田代表が辞任した野党第1党の民主党は、 43歳の前原・新代表を選出し、世代交代が進みました。 (彼が9条2項否定の改憲論者であることは、やや気になるところではありますが) 菅・元代表と比べれば、国民に歓迎される選択だったと思われます。 これで、自民党の次期総裁も、ある程度「若さ」を求められることになりそうです。 政権交代は叶いませんでしたが、政界の世代交代を前へ進めたことに関しては、 国民にとって良いことだったと思われます。

さて、問題は憲法改正論議の行方ですが、 古い見方で恐縮ですが、改憲派は自民、公明、民主などで国会の大勢を占めており、 護憲派は僅かに共産、社民の両党だけと言って良い情勢ですから、 今後4年間に、いっそう改憲論議が進むことは間違いありません。 現に14日の各派協議会では、「憲法常任委員会」の設置で自民、公明、民主が基本合意し、 共産、社民が反対したと報道(時事通信など)されました。 その後、「憲法調査特別委員会」の新設で話がついたようですが、 いずれにしても、改憲手続きを定める「国民投票」法案を審議していくことになりました。 国会では改憲に向けて着々と大政翼賛会(あるいは、改憲大連立)が形成されつつあります。 しかし、国民世論の中には「9条を守れ!」と言う声も徐々に拡大していくと思われます。 今回の総選挙で共産、社民の両党に上積みされた100万票の有権者の願いは、 これに尽きるのではないかと思います。私も、その一人です。

朝日新聞山梨版(9月15日)によると、 「9条の会inやまなし」の世話人代表をする長坂町の主婦田嶋節枝さん(61)は 衆院解散後、小泉首相の「郵政民営化を問う総選挙は、将来の国民投票のリハーサルだ」 という趣旨の発言に嫌な感じを抱いた。 改憲を問う国民投票は早ければ09年にも実施される見通しだからだ。 総選挙では、耳に心地よい「改革」を短いことばで訴えた自民が大勝し、 政策を説明しようとした民主が無残に敗れた。 「改憲も『イエス』か『ノー』かで単純に問われたら、なすすべない。 自民躍進の結果を見てぞっとした」 来年5月、憲法をテーマにしたミュージカルを甲府市内で開催する。 ワンフレーズに惑わされない有権者を国民投票までに1人でも増やしたいと考えているそうです。 私も、「九条の会・栃木」の一員として、また「9条を広める会」の一員として、 大いに声を上げていきたいと思います。