歯のはなし

近藤 泉

味覚の秋にちなんで「歯」のことについて、つれづれなるままに・・・。

◆この頃、ずっと気になっていることがあります。

テレビに出てくるアナウンサーやニュースキャスターの歯並びの悪さです。矯正歯科の広告で、欧米の常識では歯並びが悪いとその人の品性までが疑われる、と ありました。その真偽は分かりませんが、ニュースを見ていてそのあまりの不揃いに、この方の親御さんはわが子の歯をあまり覗かずに育てたのかな、ととても 気になります。

今は成人してからでもきれいに治り、歯の裏側から器具をつけ外見にも目立たない矯正があります。少なくともアナウンサーなど人前に出る職業を目指す方は、お金を貯めてでも歯のお手入れをしてはいかがでしょう。

◆歯並びの悪い子ども達も多くなって来ていると感じます。

わが家の息子の歯並びが気になり矯正歯科に見てもらったところ、歯並びは大したことはなく噛み合わせの面で重大な問題が見つかり、顎の骨を削らなくてはな らないところでした。中学生で永久歯が揃い骨の成長が落ち着くちょうどいい時期にあることから、矯正が見事に仕上がりつつあります。歯と顎がこんなに自在 に動くものだということに驚嘆しています。顎の骨まで移動させる本格的な治療に保険の適用がないのは合点が行きませんが、子どもに高い服を着せたり英才教 育をするお母さん達も、まず正しい歯並びをわが子にプレゼントしてあげてほしいとつくづく思います。

子育ては十人十色、相手あってのことですから一律には行きません。しかし、歯が生えて来る4‐5ヶ月の乳児期から永久歯が生え揃う中学生 までの間の「成長に応じた歯の衛生」は親が確実に形に残してやれる子育てです。それは生涯にわたる財産であるからこそ、命名や教育と同じくらい重いのでは ないでしょうか。

◆一日も休まず一生使い続ける「歯」。

歯が健康であるからこそ物を消化し、健康な体を維持することができます。

そればかりか歯は味も感じることができます。差し歯や義歯をしたとたん、食べ物の美味しさが半減してしまうのです。経験のある方にはご理解いただけると思います。他人の目を引き付ける「歯」。口元の美しさばかりでなく表情や発音にも関わってきます。

子どもと親が顔を見合わせ、たくさんおしゃべりする。子どもがにっこり白い歯を見せて笑う。子どもの笑顔を見ながら子育てできたなら、歯並びにも敏感になり、もしかすると美しい日本語をうっとり聞かせてくれるアナウンサーが増えるのかもしれませんね。