「世界情勢」について

今井 康英

今回は、「世界情勢」について述べます。

このカテゴリでは、今や、アメリカでのイラク反戦運動の象徴となっているシンディ・シーハンさんの活動を紹介しています。ロイター(8月6日)によると、同日ブッシュ米大統領が米テキサス州クロフォードに保有する牧場兼私邸の近くに、およそ70人が集まり、米軍のイラク撤退を訴えた。ホワイトハウスの報道官によると、ハドリー大統領補佐官(国家安全保障問題担当)らは、シンディー・シーハンさんらとおよそ45分間面会し、訴えに耳を傾けた。シーハンさんは、面会の前に記者団に対して、「なぜ息子を殺したのか、息子は何のために死んだのか、大統領に尋ねたい」と話していた。

西日本新聞(ワシントン8月11日青木忠興)によると、シンディ・シーハンさん(48)がブッシュ米大統領に駐留米軍の撤退を訴えるため、テキサス州クロフォードの大統領私邸近くでキャンプを続けている。大統領は十一日、私邸の牧場で会見し「彼女の立場を厳しく受け止めている」と同情を示したが、「敵に誤った合図を送ることになる」と撤退論は退けた。シーハンさんの息子、ケーシーさんは二〇〇〇年に陸軍入隊。昨年四月、イラクに派遣され、五日後に戦死した。まだ二十四歳だった。カリフォルニア州在住のシーハンさんは牧場近くの道路脇にテントを張り、反戦の垂れ幕を掲げて「息子のように若者を無駄死にさせるべきではない」と訴えている。共感する反戦活動家らが抗議行動に加わり、支援を始めた。シーハンさんは「息子の死まで、一人では何も変えられないと思っていたが、多くの人に支えられた一人は主張を届けることができる」と語った。

ANN(テレビ朝日系、8月22日)によると、イラク戦争で息子を亡くした母親が、ブッシュ大統領の滞在するテキサス州で、抗議活動を展開しています。彼女を支援する人も駆けつけ、「反イラク戦争」の象徴的な存在になりつつあります。シーハンさんが、炎天下での座り込みを始めたのは、今月6日。ブッシュ大統領が夏休みを過ごす牧場のすぐ近くです。「何のために息子は死んだのか」と大統領に問いただしたいと訴えるシーハンさんのもとに支持者らが集まり、テント村ができました。集まった人の多くは、イラクで息子らを亡くした母親たちです。座り込みから2週間目、シーハンさんは母親の容体が悪化したため、急きょ、テント村から離れることになりました。その後も、母親たちは彼女の帰りを待ち続けています。たった1人の母親が始めた戦いが、静かな声となって全米に広がろうとしています。

JNN(TBS系、9月2日)によると、実はブッシュ大統領は去年、カリフォルニアの基地で戦死者の遺族と会った際、シーハンさんとも面会していました。しかし、今回はブッシュ大統領は側近を送り、シーハンさんの話を聞きましたが、自ら会おうとはしませんでした。「『今すぐ米軍がイラクから撤退すべき』との彼女の考えは聞いている。しかし、それはこの国の安全保障にとっては間違いだ」(ブッシュ大統領)ガソリン価格の高騰や出口が見えないイラク情勢に対する不信感からブッシュ大統領の支持率が低迷する中、一人の母親の行動はブッシュ大統領の再選で勢いを失っていた「反イラク戦争」の動きに再び、火をつけました。しかし、ブッシュ政権は10月に予定されているイラクの憲法草案をめぐる国民投票などのために、むしろ部隊の数を増やそうとしています。8月31日、ブッシュ大統領はハリケーン「カトリーナ」被害の対応のため、夏休みを切り上げワシントンに。一方、同じ31日、シーハンさんはワシントンでの反戦集会に向かうバスツアーに参加しました。「誰一人として、このウソとごまかしに基づいた戦争で死ぬべきではありません。私たちはイラクを侵略し占領すべきではなかった。私は日本人にも自衛隊を撤退させるよう働きかけてほしい」(シーハンさん)

毎日新聞(9月24日、ワシントン笠原敏彦)によると、同日イラク戦争に反対し、駐留米軍の即時撤退を求める反戦デモが、ワシントンのホワイトハウス周辺で行われた。終日繰り広げられたデモや集会には10万人を超す人々が参加し、イラク開戦(03年3月)以来、首都では最大の反戦抗議運動になった。主催団体は当初10万人の参加を予想し、AP通信によると、警察当局はその数に達したと見ている。一方、主催者側は実際の参加者数を30万人としており、デモの規模は予想を超えて大きく膨らんだ模様だ。米兵の息子(当時24歳)をイラク戦争で失ったシーハンさんが集会で「あと何人の子どもたちを犠牲にしたいのか」と訴えると、参加者らは「もう一人も許されない」とシュプレヒコールを繰り返し、駐留米軍の即時撤退を求めた。反戦デモは、ハリケーン「リタ」の米南部上陸と重なり、ブッシュ大統領は被害対策の陣頭指揮のためホワイトハウスにはいなかった。この日はロサンゼルスやサンフランシスコなど米国各都市のほか、東京やロンドンなどでも反戦デモが行われ、世界各地で反戦ムードが高まりをみせた。

同日、栃木県では「九条の会・栃木」設立記念集会が県教育会館大ホールで開催されました。県内各地から約600人(主催者発表)が参加しました。私も、その一人です。イラク戦争に反対している世界の人々の運動と、平和憲法を守り、9条の精神を広めようとする私たちの運動が同時進行していると感じずにはいられませんでした。また、「反戦の母」シンディ・シーハンさんの活躍が物語るように、母親が先頭に立ってこそ、反戦平和運動は本物の運動になると思います。