パレスチナ問題

その他

投稿者:小林 宏紀

エルサレム旧市街を四角に囲む城壁の中は、四つに住み分けられている。大雑把に言えば、北側を上に見て右上がイスラム教徒地区、右下がユダヤ教徒地区、左上がキリスト教徒地区、左下がアルメニア人地区である。この旧市街の中に、ムハンマドが昇天した起点とされる岩があり、そこには岩のドームが建てられ、イスラム教の聖地となっている。キリストが十字架の刑に処せられたゴルゴダの丘には聖墳墓教会が建ち、巡礼者が後を絶たない。また、ダビデ王の子、ソロモンの時代に築かれた神殿の遺構とされる嘆きの壁には、ユダヤ教徒が祈りを捧げる。ユダヤ人とパレスチナ人は、それぞれエルサレムを民族の象徴とし、宗教問題の側面をも越えて、エルサレムに政治的主権を及ぼしたいとする。しかしながら、四つに住み分けられている旧市街を過去から現在に至るまで見渡した時、ここに物理的な仕切りがあったわけではなく、対立のみが続いていたのでもない。今、世界が不可分の領土問題の象徴のように見ているエルサレムであるが、その歴史の途上では、多民族共存の一大事例であったのだ……

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