「世論調査」について(4)

今井 康英

今回は「世論調査」について述べます。

前回のコラムで第3次小泉改造内閣発足直後の共同通信のデータを紹介しましたが、その後も報道各社が次々と調査結果を公表しました。

読売新聞(11月2日)によると、新しい内閣に「期待できる」と答えた人は51%に上り、昨年9月の第2次改造内閣発足直後の調査に比べ 27ポイントもの大幅増となった。小泉首相が進めてきた改革路線がさらに「進む」と見る人も72%に達し、「改革続行」を掲げる小泉政権への期待感の強さ を示した。新内閣の印象については、新鮮さを「感じない」人が54%と半数を超え、実行力のある重厚さを「感じる」人は41%、「感じない」は39%と、 評価が真っ二つに分かれた。政策面でも、外交政策で成果をあげられないという人が54%、社会保障制度改革を実現できないと思う人も56%に上った。

日本経済新聞(11月2日)によると、新内閣の顔ぶれを「評価する」との回答は49%。「評価しない」の24%を大きく上回っており、 「ポスト小泉」候補による改革競争に期待が集まっている。小泉首相が毎年1回の靖国神社参拝を続けていることに「賛成」との意見が47%で、「反対」の 37%を上回った。8月調査では賛成が46%、反対は38%でほぼ横ばい。10月の首相の5回目の参拝に中国や韓国は反発しているが、世論は総じて冷静に 受け止めている。

毎日新聞(11月2日)によると、今回の内閣改造・自民党役員人事について「評価する」と答えた人は53%で「評価しない」の34%を上 回った。人事を評価する人に理由を聞いたところ、「改革を継続する意欲がみられるから」が60%でトップ。「首相に後継者を育てる意欲がみられるから」が 23%で続いた。「評価しない」人の理由は「外交への取り組みに意欲がみられないから」が40%で最も多かった。サプライズ(驚き)に乏しかった反映か 「人事の顔ぶれが新鮮さに欠けるから」も24%あった。また、同(11月4日)によると、小泉首相の10月17日の靖国神社参拝について聞いたところ「賛 成」との回答が50%で、「反対」の46%を4ポイント上回った。参拝前の10月調査で、首相が参拝を続けることの是非を聞いた際には、「反対」 (51%)が「賛成」(44%)を上回っていた。7月、6月、4月の調査でも反対派が上回っており、賛成派が多数派だったのは昨年12月調査以来。首相が 本殿に上がらず「私的参拝」を強調したことや、韓国の反発が抑制的な点が影響した可能性がある。

朝日新聞(11月2日)によると、小泉首相のもとで自民党が「変わった」と思う人が70%を占め、「そうは思わない」の22%を大きく上 回った。新しい内閣の顔ぶれを見て、小泉首相が掲げる改革が「進むと思う」は58%で、「そうは思わない」の21%を大きく上回った。「新しい内閣で一番 力を入れてほしいこと」は、年金・福祉問題が56%で最も多く、景気・雇用対策が17%、行政・財政改革が15%で続き、外交・防衛政策は9%だった。

各社による改造直後の内閣支持率は、下記の通りです。
読売新聞 支持62・5% 不支持20・4%
共同通信 支持60・1% 不支持28・7%
日経新聞 支持56% 不支持30%
毎日新聞 支持56% 不支持31%
朝日新聞 支持55%

テレビ各社も週末(5日、6日)に世論調査を実施しました。JNN(TBS系、11月7日)によると、改造内閣の顔ぶれについては、「期待 できる」が61%で、1年前の前回の改造の時の27%に比べ大幅に増えました。改造内閣が最も重視すべき政策については、年金問題を挙げる人が29%で最 も多く、以下、財政再建が25%、景気が17%などでした。また、自民党が決めた憲法改正の草案に「自衛軍を保持する」と明記されたことについては、賛成 が45%で反対とする43%をわずかに上回りました。

NNN(日本テレビ系、11月7日)によると、「来年9月に自民党総裁としての任期が切れる小泉首相に成し遂げてもらいたいこと」には、 「年金制度の見直し」が38.8%と最も多く、続いて「財政と税制の改革」となっている。自民党内で社会保障目的とした上で消費税率の引き上げが検討され ていることについて、 「税率引き上げを認めても良いか」との質問には、「良いと思わない」と答えた人が48.0%で、「良いと思う」を0.8ポイント上回った。

ANN(テレビ朝日系、11月7日)によると、2007年にも導入に向けた法改正が検討されている消費税の引き上げについて、「やむを得ない」と答えた人が49%と、半数近くが引き上げを容認している実態が明らかになりました。

FNN(フジテレビ系、11月7日)によると、新しい内閣は改造前よりも「期待できる」と答えた人は46.2%で、半数近くにのぼった。小 泉首相の10月の靖国参拝については、「支持する」が47%で、「支持しない」をわずかに上回った。消費税に関しては、社会保障のための税率引き上げを 「容認する」と答えた人は48%で、「容認しない」と答えた人をわずかに上回った。

テレビ各社の調査による内閣支持率は、下記の通りです。
JNN 支持67・4%
NNN 支持62・4%
ANN 支持59・9%
FNN 支持56・9% 不支持29・6%

以上の通り、内閣改造後、55%~67・4%の「支持」を得たことになり、国民の過半数が小泉内閣を支持しているようです。(但し、これを 裏返してみると、20・4%~31%が「不支持」を表明しており、32・6%~45%は必ずしも「支持」していないと言えます。私も、不支持を表明する国 民の一人です。)また、小泉外交には、それほど期待していないことが分かります。

ところで、小泉首相の盟友はどうか?実は、このところブッシュ大統領の支持率が就任以来最低を更新している。例えば、【ワシントン2日共 同】によると、米CBSテレビが2日発表した世論調査では、ブッシュ大統領の支持率は先月6日の37%から35%に下がり、就任以来最低となった。イラク 戦争が米兵の死者数や経費からみて犠牲を払う価値があったかについては「あった」が31%、「ない」が64%と否定的な見方が強まった。つまり、対イラク 戦争で米兵の戦死者が2000人を超えたり、「戦争の大義」が出鱈目な情報によるものであったことが次々と暴露されて、ブッシュ政権の信用失墜が続いてい る。(勿論、原因は他にもあります。)

日本国民にとっては「戦争の大義」などは今更どうでもいいようだが、仮にサマワ駐留の自衛隊員に一人でも戦死者が出たらどうなるか?自衛 隊陣地を狙ったと思われる攻撃は11回を数えたが、今のところ幸いにも、人命には及んでいない。ブッシュ大統領と一蓮托生を決め込む小泉首相だが、内外の 自粛要請にもかかわらず、年1回の靖国参拝を欠かせないのも、それ故かと思えます。「愚かな、指導者達に、ひきいられた国民ほど、あわれなものはない」と いう歴史の教訓を、想起せずにはいられません。