二酔人四方山問答(20)

岩木 秀樹

B:この前、多くの税金が皇室に使われているという話があったけれど、今回の清子内親王の結婚に伴って、一時金とかいう名目で、1億5千万円以上が支給されるらしいよ。これって税金だよね。

A:そう、羨ましいね。ぼくもその千分の一の15万円でもいいから欲しかったよ。それはそうと、皇室費や各地の御用邸や皇居、そして様々な骨董品や芸術品などの全ての皇室財産を合わせると膨大なものがあるらしい。

B:今、「聖域なき財政改革」とか言われているけれど、皇室関係は例外なのかな。でもこんなことをしていると、かえって世論の反発を招き、皇室の存続を危うくしかねないと思う。

A:そうだね。ただ皇室や宮内庁も生き残りに必死だ。民間からお嫁さんを捜したり、皇族の仲むつまじい映像を公開したりして、ソフトなイ メージを作っている。また天皇は、「憲法を守るように」、「日の丸・君が代を強制しないように」との発言や、サイパンでの韓国人や沖縄出身の戦死者の墓参 りなど平和の象徴の役割を果たそうとしている。

B:そうなんだ。でも若者の間では天皇制への無関心は半数を超えているし、天皇制を維持するための大きなコストを考えると、あっさりいらないと考える人も増えてくるかもしれない。

A:また皇室の様子は芸能人と変わりなくワイドショー化されている。ただ雅子様、愛子様と急に改まった口調で言われるけどね。おもしろいの はそのすぐ後で、急に威圧的な口調で、「金日成・金正日親子の世襲による体制」などと朝鮮が報道されていることだ。あれっ、皇室も世襲ではなかったかなと 思ったよ。

B:そうそう。この前、朝日新聞に載っていたんだけど、天皇家って125代続いているんだってね。

A:いや、僕のうちはもっと古いよ。アウストラロピテクスから換算すれば、何万か何十万なのかわからないくらいになるよ。僕がこの世に今存在していることを考えれば、僕の家も万世一系だ。

B:まーまー、そうだろうけれど。そりゃ、どこかで途切れたら、今存在していないし、万世一系ではなくなるけれど。

A:ところで、この万世一系という言葉は、男系のみが一貫しているということで明治憲法でうたわれたんだ。

B:そうそう、僕のおじいさんは歴代の天皇の名前をそらんじていたよ。

A:そうだな、現在70代以上の人は戦前の教育を受けていたので、「神武・綏靖・安寧…」と暗記されられていたからだ。ちなみに日本古代史研究では、実在の天皇は15代の応神以降と考えられている。

B:え、実在しているかどうか怪しい人まで数えているの。ずるいな。じゃあ、僕の家もこじつけて300代続いていますとか言おうかな。

A:神武から125代の現天皇まで124回の継承があったけれど、色々な継承があったらしい。直系継承が69例、兄姉弟間継承が27例、その他の継承が28例で、そのうち非嫡出子(側室の子)は55人とされている。

B:へー、直系ばかりでないんだ。

A:遠い血縁への継承は、皇位をめぐる争いや、継承者不足の危機を乗り越えるためだったんだ。

B:どのくらい遠い親戚からの継承だったの。

A:一つの例は、25代の武烈に男子がいなかったため、15代の応神の五世の孫が現在の福井県から連れてこられ即位した26代の継体がいる。約200年隔たった傍系からの継承で、王朝が変わったとの説もあるくらいだ。

B:そんなにさかのぼったの。本人もビックリしたろうな。自分が天皇の子孫だとは知らなかったりして。

A:継承争いで有名なのは、壬申の乱だ。38代の天智の後継をめぐって、息子の39代弘文と弟の40代天武が内戦をした。他にも南北朝の争いなど多くの継承争いが存在する。

B:天皇家の歴史は抗争、戦争の歴史だな。兄弟や親子、親族で殺し合いをするなんて、血塗られた一家じゃあないかな。

A:僕は天皇家が好戦的で、家族愛に乏しい一家だとは思わない。むしろ権力がそうさせたと言えると思う。権力を維持・継承するために殺し合いをしたという側面がある。現在の天皇家は政治権力はそれほど持っていないので、争う必要はない。

B:そうか。でも今でも皇太子と秋篠宮との対立が報道されているけれど。あれって継承争いかな。

A:週刊誌レベルの報道だから当てにならないけれど、全くないとは言いきれないと思う。女性天皇を認める皇室典範が改定されると、秋篠宮は 皇位継承順位が2から3に落ちる。また皇室典範改定のタイミングにもよるけれど、秋篠宮家が天皇家になる可能性がほとんど無くなってしまうからだ。

B:いやー、大変だね。天皇家に生まれるのも辛いね。僕の結論は庶民でよかったということかな。それと税金は大事に使って欲しいということだな。