「世界情勢」について(2)

今井 康英

今回は「世界情勢」について述べます。

15日、ブッシュ大統領が2003年10月以来2年ぶりに来日しました。本日、京都迎賓館で日米首脳 会談が行われ、共同記者会見がありました。日本経済新聞(11月16日)によると、会談内容について、小泉首相は「国際社会での日米関係の重要性、世界の 中の日米関係という視点から話をした」と説明。さらに「日本にとって米国はかけがえのない同盟国。日米関係が良ければ良いほど、中国、韓国、アジア諸国は じめ世界各国と良好な関係を築けるというのが私の基本的な考え方だ」と表明した。また、「日本の一部に日米関係が良すぎる、緊密すぎ、日本の方向性を失う という議論が一部にある。日米関係にマイナスが出たら、他国との関係を強化して補えばいいという考え方が一部にあるが、私は全く採っていない」 と、日米関係の強化を外交政策の中心に置く姿勢を改めて強調した。

毎日新聞(同日)によると、実際の会談では、二人のやり取りは次の通りであった。

大統領 この地域の平和と安定を維持するために日米同盟は不可欠だ。首相の指導力の下でこれが強化された。

首相 日 米関係は日本にとって最も重要だ。敗戦後60年間、努力して平和の中で繁栄してきたが、これは日米関係が維持、強化されてきたからこそ実現された。日米関 係より、国際協調にもう少し比重を移してはどうかという議論があるが、これは自分が取る考えではない。日米関係がよいからこそ、中国、韓国、東南アジア諸 国連合(ASEAN)諸国、すべての国とのよい関係が維持されてきている。

大統領 よい考えだ。中国から見たら、よい日米関係があればこそ、中国は日本との関係、米国との関係も強化し、よいものにしなくてはと思うのではないか。

一方、【ソウル16日共同】によると、中国の胡錦濤国家主席と韓国の盧武鉉(ノムヒョン)大統領は16日、ソウルの青瓦台(大統領官邸)で 会談、小泉首相の靖国神社参拝を念頭に、歴史問題が北東アジアの協力と発展に否定的影響を与えてはならないと批判し、「正しい歴史認識」が地域の安定の基 礎になるとの認識で一致した。靖国参拝への直接の言及は避けながらも中韓首脳が参拝中止で連携する姿勢を明確にしたことで、来月の第1回東アジア首脳会議 を前に、日本の対アジア外交は厳しい対応を迫られそうだ。【ソウル16日時事】によると、中韓両国は、靖国問題を「北東アジア」全体の問題として参拝反対 に向けた共同歩調を取ることで、日本をけん制する狙いがある。また、双方は北朝鮮の核問題について、朝鮮半島非核化への目標を定めた6カ国協議の共同声明 履行に向け努力することで一致。 胡主席は中国が南北朝鮮の平和統一のため、建設的な役割を果たすことを改めて表明した。

さらに、【釜山16日共同】によると、麻生太郎外相は16日午後、韓国釜山でロシアのラブロフ外相と会談し、21日に東京で行われる日ロ 首脳会談での合意を目指していた北方領土問題をめぐる共同声明などの政治文書について「日ロ双方の領土問題に対する原則的立場が隔たっている」として、作 成は断念せざるを得ないとの認識で一致した。日ロ首脳の公式訪問の際に政治文書の署名が見送られるのは極めて異例で、領土問題をめぐる溝の深さを示した形 だ。

私見ながら、小泉首相が「日米同盟」を強調すればするほど、日本の近隣外交がこの地域で平和と安定を維持していくのは、いよいよ困難にな る気がします。日本の首相が靖国神社参拝を続け、自衛隊が「自衛軍」となり、ますます米軍と一体化するのが、隣国にとって安心を与えるものなのか、不安を 与えるものなのか?靖国神社建立以来の歴史を反省するとき、隣国は勿論のこと、日本国民の少なからずも、「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起こるこ と」を心配せずにはいられないに違いない。現に、対アフガニスタン戦争や対イラク戦争には、参戦しているのだから。今はまだ日本軍に戦死者が出ていないので「惨禍」が起きているように見えないだけだ。