「自衛隊違憲訴訟」について(2)

今井 康英

今回は、「自衛隊違憲訴訟」について述べます。

毎日新聞(11月30日)によると、政府は29日、自衛隊のイラク派遣を1年間延長する方針を固め、12月14日を派遣期限としている基本計画の変更を同月9日に閣議決定する方向で与党との調整に入った。撤退時期は明示しないが、イラク南部サマワで公共施設の復旧や医療など人道復興支援を行っている陸上自衛隊については、今年末にも発足する新政府のイラク統治が順調に進むことを前提に、来年中に撤退させる方針。また、共同通信(同日)によると、政府は本日、12月14日に期限を迎える自衛隊のイラク復興支援活動を1年間延長する最終方針を固め、自民党幹部に説明した。イラク復興支援特別措置法に基づく基本計画の変更を12月8日に閣議決定する意向を示し、自民党側も了承した。南部サマワに駐留する陸上自衛隊については、来年5月ごろをめどに撤退させる方向だが、依然不透明なイラク情勢を考慮し、1年間の幅を持たせた。

これらの報道によると、閣議決定の日付はともあれ、自衛隊のイラク派遣を1年間再延長する方針であることは間違いないようです。実は、サマワから撤退するのには3ヶ月ほどの期間を要すると言われていますので、第8次隊を派遣した時点で実際は延長せざる得ない事態になっていました。時事通信(11月15日)によると、イラクに派遣された陸上自衛隊の第7次、8次復興支援群の激励を終えて帰国した林直人西部方面総監は同日、熊本市の同総監部で記者会見し、サマワ滞在中、宿営地周辺に砲弾が落ちたことを明らかにした。治安状況については「バグダッドとは状況が違う」と前置きした上で「すべてが安全ということではなく、予断は許さない。時々(砲弾が)落ちてくるわけだし」と話した。西日本新聞(11月27日)によると、第8次イラク復興支援群の立花尊顯群長(48)=都城駐屯地司令=が25日夜、イラク・サマワの宿営地からテレビ電話を通じ、都城駐屯地(都城市)で記者会見した。 現地の治安については「サマワは比較的安定しているが、バグダッドを中心に起こっているさまざまな事案が、サマワでも起こらないとはいえず、油断せず活動を続行する」と語った。私見では、このような総監や現地部隊長の報告があるにもかかわらず、それでもサマワが「非戦闘地域」(イラク特措法第2条3項)であるという理由が分からない。「自衛隊が活動している地域が非戦闘地域だ」と平気で言える人が首相でなければ、そもそも派遣などできる地域でないことは明白だろう。

朝日新聞(11月29日)によると、26、27日に実施した世論調査で、来月に期限が切れるイラクへの自衛隊派遣の延長について賛否を聞いたところ、「反対」が69%で過去最多となった。内閣や自民支持層でも、反対は6割近くに達した。「賛成」は22%だった。賛否の理由についても聞いたところ、反対の理由では「派遣先が危険だから」が35%を占めて最も多く、「アメリカとの関係を重視しすぎているから」が23%で続いた。賛成の理由では、半数以上の57%が「国際貢献になるから」を挙げた。また、「賛成」と答えた人に、派遣期限を延長する場合に撤退時期についても方針を示すべきかどうかを聞いたところ、その68%が「示すべきだ」と答えた。これらのデータを、日米同盟偏重の小泉首相はよくよく考えるべきだ。

共同通信(10月23日)によると、英国防省がイラク国民を対象に実施した秘密の世論調査で、回答者全体の45%が駐留英米軍に対する攻撃は正当化されると考えていることが分かった。23日付の英紙サンデー・テレグラフが伝えた。英米など多国籍軍がイラクの治安改善に役立っているとの答えは1%足らずで、南部サマワに自衛隊を派遣している日本政府にとっても無視できない結果だ。調査によると、英米軍に対する攻撃を支持するとの回答は、英軍が管轄する南部マイサン州では65%に達した。サマワを含むムサンナ州の数字は不明。多国籍軍の駐留に「強く反対する」としたのは82%で、3人に2人は駐留によって治安が悪化したと答えた。この分では、サマワに駐留する自衛隊が人道復興支援に「役立っている」と本気で思っているイラク国民も1%足らずに違いない。これらのデータを「国際貢献になるから」と思っている日本国民も、よく承知しておくべきだ。イラク国民は、日本国民ほど外国軍の駐留に寛容ではないことを知るべきである。