「特定非営利活動法人地球宇宙平和研究所」正式発足1周年記念日にあたって

中西 治

私たちの研究所は2002年5月2日に正式に発足しました。それから1年が経過しました。この間に私たちの研究所は目覚ましい発展を遂げました。設立総会時に45名であった会員は現在では正会員68名、賛助会員13名、計81名の大きな研究所になりました。これもひとえに皆様のご支援・ご努力の賜物であると深く感謝しています。心から厚く御礼申し上げます。

私たちの研究所はこの1年間に多くの活動をしましたが、この機会に今回のイラク戦争をめぐって研究所の内外から寄せられた多くの貴重なご意見に関連して私の考えを述べさせていただきます。それは私たちの研究所の性格と今後の活動に大いにかかわっているからです。

研究所の中にはイラク戦争に反対する声明を研究所として出すべきであるとの強い意見がありました。これはもっともなことです。地球と宇宙の平和をめざす研究所として現に起こっている戦争について意見を表明することは当然です。しかし、私たちの研究所は声明を出さないで、別の方法を選びました。研究所の内外を問わず、この問題についての意見を研究所のホームページを通じて交換するという方法でした。何故このような方法を採ったのでしょうか。

私たちの研究所は地球上に住むすべての人に開かれています。私たちの一致点は地球と宇宙の平和を大切にし、人間の幸せを望むということです。私はこのような考えを持つすべての人に私たちの研究所に入っていただきたいと願っています。

私たちの研究所にはさまざまな考えをもっている方がおられます。今回の戦争についても地球と宇宙の平和を望みながらも、サダム・フセインの支配を覆すためにはイラクに対する攻撃が必要であると考えている方もおられるでしょう。もしも私たちの研究所が今回の戦争を非難する声明を出したとしたならば、その方々の考えを無視し、排除したことになります。私は会員の方が不愉快な思いをされるようなことをしてはならないと思っています。

私は今回の戦争について二度私の考えを率直に述べさせていただきました。その考えはいまも変わっていません。しかし、私は私の考えで研究所の意見をまとめるつもりは毛頭ありません。私は私たちの研究所がすべての人にあらゆる問題について自由に意見を述べる場を提供したいと考えています。そして、それをお読みになられた方々が自分の考えを固められ、それぞれの場で活動されても良いし、活動されなくても良いと考えています。

私自身は2001年の9・11事件に続くアフガンのタリバン政権に対する戦争と2003 年のイラクのフセイン政権に対する戦争などの問題を根本的に解決する方策として、すでに国際連合の拡充・発展と個人およびその集団による新しい地球安全保障機構と地球経済財政金融機構および地球警察の創設を提案しています。また、東アジアの平和を強化するために具体的な提案をし、活動をするつもりです。

歴史は指導者によって作られているように見えますが、実際は民衆によって作られています。指導者が民衆を使っているように見えますが、実際は指導者は民衆によって使われているのです。民衆の願いを正しく理解し、その実現のために努力するとき指導者は英雄となり、天まで持ち上げられますが、民衆の願いから離れ、それに反する行動をするようになったとき指導者は地獄にまで突き落とされるのです。しかも、同じ民衆によってです。私はそのような場面をこれまで何度も見てきました。

サダム・フセインにしてもしかりです。彼が多年にわたってイラクの最高指導者としての地位を維持できたのにはそれなりの理由があったからです。彼はそれまで外国の欲しいままにされてきたイラクの石油をイラク国民のものに取り返したのでした。彼は確かに専制的な指導者でした。しかし、専制的という点ではお隣のサウジアラビアの方がはるかに専制的であるし、アジアには朝に王を批判すれば夕方には捕まって獄に入れられるという国が今でもあるのです。アメリカはサウジアラビアの王侯はアメリカの言うことをよく聞くから守り、サダム・フセインはアメリカの言うことを聞かないから潰すということをしているのです。だから、アラブの多くの人々は怒っているのです。

2003年4月の統一地方選挙で私たちの研究所の方がお二人それぞれ異なる政党から立候補され、見事に当選されました。私はこれを心から喜んでいます。私は近い将来に私たちの研究所の方々が地方公共団体においても国政においてもあらゆる政党から、または、政党に属さずに立候補され、当選され活躍されることを願っています。私は日本国だけではなく地球社会全体でも私たちの研究所の方がさまざまな面で活躍されることを祈っています。そのような人が増えたときに地球と宇宙の平和はより確かなものになるでしょう。

21世紀は地球上に住むひとり一人の人間が地球社会の主人公の時代です。私は私たちの研究所をこの時代にふさわしい組織にしようと願っています。これまでの多くの組織は組織の長を頂点とする階層的な垂直的構造であり、構成員を組織に合わさせようとしてきましたが、私たちの研究所はすべての構成員が平等である水平的構造であり、構成員を組織に合わせるのではなくて、組織をひとり一人の人間に合わせるような研究所にしたいと願っています。現在はひとり一人の人間が地球社会に直接影響を与えることのできる時代です。

私は新たな気持ちをもって正式発足2年目に入る研究所の活動にいっそう積極的に取り組むつもりです。皆様の変わらぬご指導・ご支援をお願い申し上げます。

イラク問題についてはここで一旦論議を打ち切ります。次に朝鮮・韓半島の情勢と有事立法の問題についてご意見をお寄せ願えれば幸いです。