「靖国参拝問題」について(6)

今井 康英

今回は「靖国参拝問題」について述べます。

私のブログでも、このカテゴリへの投稿は200件を超えました。 共同通信(11月30日)によると、 小泉首相は同日午後、自民党本部で講演し、 自らの靖国神社参拝に中国と韓国が反発していることに触れ 「靖国問題は外交カードにはならない。 今の時期、多少ぎくしゃくした問題があっても、 長い目でみれば理解されるだろう」と述べ、 これまでの姿勢を変える考えがないことを強調した。 靖国参拝については「まさに精神の自由だ。日本人が批判するのも分からない。 中国、韓国が批判するのも分からない」と重ねて反論。 日本の外交方針に関して「日米同盟をしっかり築き、 そして世界の各国と仲良くしていく方針を当分変えてはいけない」と述べ、 対米関係を優先する意向を示した。

人民網日本語版(12月4日)によると、 国務院の温家宝総理は1日、人民大会堂で仏フィガロ紙のインタービューに応じた。 「欧州訪問に続き、クアラルンプールを訪問されるとのことだが、 日本の首相と単独で対面するか、または中日韓3カ国首脳会合 という形で対面することはあるだろうか」という質問に対し、 温総理は次のように答えた。

中日関係は困難な次期にあり、この局面をもたらした責任は中国側にはない。 1895年、中日甲午戦争(日清戦争)で、日本は中国の台湾を占領した。 1931年の「9・18事変」(柳条湖事件)では、日本は中国の東北3省を占領した。 1937年の「7・7事変」(盧溝橋事件)では、日本は中国への全面的侵略を開始した。 中国の人民は8年に及ぶ非常に困難な抗戦を行い、莫大な民族的犠牲を払った。 死傷者の数は3500万人に達する。 中日韓には2千年余りにわたる交流史があり、友好が主な流れになっている。 長期的に見れば、中日韓の善隣友好関係の発展は、中日両国の人民の根本的利益に役立つ。 中日関係の問題点は、日本がいかにして歴史問題に正しく対処していくかということだ。 しかし、日本の国内にはいつも、侵略の歴史を認めず、軍国主義を美化する一部の人がいる。 特に日本政府の指導者が靖国神社を何度にもわたり参拝していることが、 中国やアジアの人々の感情を大きく傷つけている。 長期的、安定的な中日友好関係を発展させることは、 われわれのゆるぎない方針であり、最も困難な時にあっても、この方針は変わらない。 日本政府は「中日共同声明」など2国間関係に関する3つの政治文書の原則を必ず順守し、 歴史を鑑(かがみ)とし、未来に向かわなければならない。 しかし残念なことに、日本の指導者は頑なに誤った態度を貫いている。 これは中日間の正常な関係の発展、特に指導者間の接触の障害となっている。 われわれは日本の指導者ができる限り早く実際の行動により誤りを正すよう望む。 中日の指導者がクアラルンプールで会合できるかどうかは、ここにかかっている。

時事通信(12月7日)によると、 9日からマレーシアで開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)と日中韓による 「ASEANプラス3」外相会議の際、日中韓3カ国や日中、日韓の個別の外相会談が いずれも見送られる見通しとなった。 小泉首相の靖国神社参拝に反発する中韓両国が会談に難色を示しているためだ。 既に12日の「ASEANプラス3」首脳会議の際の3カ国や個別の首脳会談も行わないことが 固まっており、「ASEANプラス3」の枠組みを利用した首脳、外相レベルの 中韓両国との会談がすべて実現しないという異例の事態となる。

この分では、日本と中韓両国首脳との間では関係改善の見込みはなさそうです。 日清戦争以来の靖国神社の存在意義を考えれば、 中韓両国がこの問題で折れることはありえないと思います。 アジア諸国が、この問題で日本を支持することも期待できないはずです。 小泉首相が意地を通していくほど、アジアで日本が孤立化していく気がします。 日米同盟礼賛、靖国参拝続行だけの首相では東アジアの盟主になるどころか、 東アジア共同体の一員とさえ見なされなく恐れが出てきました。 来年9月で首相を辞任すると本人が言っているのですが、 果たして、それまで日本の対アジア外交は持ちこたえられるでしょうか? 自衛隊のイラク駐留も1年間再延長するようですが、いつまで無事でいられるでしょうか? それでも世論調査では、小泉人気は50%以上あるようですが、 このことこそ、私は「分からない」と言いたくなります。