「自衛隊違憲訴訟」について(3)

今井 康英

今回は、「自衛隊違憲訴訟」について述べます。 昨年の12月14日、平成の栃木の四十七志がイラク派兵違憲訴訟を提起しました。 私も、この「イラク派兵・違憲訴訟の会・栃木」の原告団の一人です。 私は、そもそも自衛隊の存在それ自体が憲法違反であるという立場から、 この訴訟に参加しました。 私のブログにも掲示してきましたが、 本日、「イラク派兵・違憲訴訟の会・栃木」の第2回総会、記念講演、摸擬裁判を 宇都宮大学国際学部・A棟1121教室で開催しました。

総会では、活動報告、会計報告、事業計画、予算が承認されました。 主な活動日程は、以下の通りです。 提訴以来、3月3日に第1回公判(訴状陳述、原告3人が意見陳述)、 5月12日に第2回公判(答弁書への反論、原告1人が意見陳述)、 9月1日に第3回公判(平和的生存権について弁論)、 11月17日に第4回公判(国側が反論)が行われました。 私も毎回法廷に通い、原告席に着きました。 この間、4月21日に第1回摸擬裁判(第1回公判の再現)、 7月14日に第2回摸擬裁判(第2回公判の再現) そして本日、第3回摸擬裁判(第3回、第4回公判の再現)が行われました。 次回(第5回)公判は、来年3月16日が期日です。

記念講演では、原告側主任弁護士の田中徹歩さんが、 「自衛隊のイラク派遣差止・違憲確認訴訟と憲法」と題して、 この訴訟の意義や自民党改憲案など最近の憲法をめぐる情勢について、 なるべく専門用語を使わないようにして、分かりやすく解説しました。 摸擬裁判では、冒頭に「派兵は決定的違憲」市民訴訟の会・山梨の 事務局長を務められた久松重光さんが、特別証人として、10月25日の 山梨訴訟の判決について、市民の立場から批判する証言を行いました。 「犬の目線の先にあるもの:日本国憲法の平和主義」と題して語られました。

久松さんによると、 甲府地裁の判決文は、政府の答弁書を書き写したものに過ぎない。 いわゆる「門前払い」で、つまり原告には訴えの権利や利益がない。 憲法前文に「われわれは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、 平和のうちに生存する権利を有することを確認する」と 明記されているにもかかわらず、 裁判所は、「平和」と言う概念は理念ないし目的としての抽象的概念であり、 この権利には個別具体的な内容が示されていないので、 具体的な権利や利益を保障するものではないと主張している。 つまり、裁判官たちにとっては「平和的生存権」は、具体的な権利ではない。 したがって、イラク派兵の事実確認は、何もされていない。 まして、その是非や憲法判断には、一言も触れていない。 ところが、判決の翌日の新聞には、 「防衛庁としては、自衛隊部隊の派遣および活動は憲法の範囲内で、 イラク人道復興支援特措法や自衛隊法にもとづく適正なものと考えている」 とのコメントが掲載された。 裁判では、国はこのような主張はしなかったし、判決にも書かれていない。 これが政府のやり方であり、国民はウソを見抜く目を持つべきだと訴えた。

久松さんは、最後にこう述べて、報告を終えました。 「ぼくが、言いたかったのは、目線を低くすればするほど、 この日本国憲法の平和主義の素晴らしさと より深いリアリズムを感じ取れるのではないか、ということです。 なんと言っても国家に戦争をさせないというのが、 権力を持たぬ世界の庶民の夢であったはずですから。 国家が戦争をするようになれば、苦しむのは民衆であることは、 自明の理だからです。」