「憲法改正問題」について(5)

今井 康英

今回も、前回に引き続き「憲法改正問題」について述べます。

毎日新聞(22日、田所柳子)によると、 自民、公明両党は同日、与党安全保障プロジェクトチーム (座長・山崎拓自民党安全保障調査会長)を国会内で開き、 防衛庁の「省」昇格に関する協議をスタートした。 山崎氏は「省昇格は小泉政権で道筋をつけるべき課題。 次期通常国会に関連法案を出したい」と述べたが、 公明党の山口那津男政調会長代理は 「党内は慎重論が大勢で法案提出を前提とした協議はできない」 と述べ、議論は平行線をたどった。 両党は幹事長・政調会長レベルでは、 通常国会で関連法案の成立を目指すことで基本合意しており、 来春をめどに結論を出す。

時事通信(同日)によると、 この協議で、両党間の溝は埋まらず、結論を来年に持ち越した。 来年の通常国会への法案提出期限となる来年3月15日をめどに 結論を出す方針だ。 席上、山崎座長は「小泉政権の課題として次期通常国会に 関連法案を提出したい」と表明。 これに対し、公明党の山口那津男政調会長代理は 「小泉政権の課題という認識は初めて聞いた。 党内は消極論が大勢なので、 法案提出を前提とした議論はできない」と反論した。

NHK(27日)によると、 同日、額賀防衛庁長官は閣議のあとの記者会見で、 「陸上自衛隊はイラクへの派遣期間が1年間延長され、 国際的には平和協力活動に活躍している姿が定着したのではないか と思っている。今後の自衛隊の活動として『本来任務』にしっかりと 位置づけていく環境が整いつつあるという思いを持っている」と述べ、 自衛隊の海外での国際平和協力活動などを「本来任務」に格上げするため、 自衛隊法を改正する環境が整いつつあるという認識を示した。 また額賀長官は、「与党の間で防衛庁を『省』に昇格させるかどうかをめぐって 積極的な議論が展開されているので、 国際平和協力活動の本来任務化とあわせて、 政治の場でしっかりと形を作っていただきたい」と述べた。

NHK(28日)によると、 小泉総理大臣は27日夜、自民党の山崎前副総裁、 二階経済産業大臣、公明党の冬柴幹事長と会談し、 懸案となっている防衛庁を「省」に昇格させる問題について、 来年9月までの総理大臣在任中に決着させたいという考えを示した。 この中で、山崎前副総裁と二階経済産業大臣は、 与党内で協議が行われている防衛庁を「省」に昇格させる問題について、 「小泉内閣の残された課題であり、速やかに処理すべきだ」と述べた。 これに対し、小泉総理大臣は、「これは国家の基本にかかわる問題だ」 としたうえで、来年の通常国会に必要な法案を提出することを念頭に、 来年9月までの総理大臣在任中に決着させたいという考えを示した。 また、小泉総理大臣は、自民党が民主党と連立政権を組む、 いわゆる「大連立」構想について、 「連立を組んできた公明党の恩義には感謝しており、 公明党に相談することなく民主党と話を進めることはあり得ない」と述べた。

どうやら、政府与党は、海外派兵を本来任務に格上げする自衛隊法改正や 防衛「省」への昇格を、来年9月までに処理する魂胆のようです。 これが実現すれば改憲無用であることは、前回も述べたところです。 護憲派にとっては、いよいよ厳しい冬の時代ですが、 「冬は必ず春となる」という自然の摂理もありますので、 来年もますます奮闘努力せざるを得ません。