エッセイ21 公正な立場

木村 英亮

新聞に一定の立場があることを、偏っているとして悪いことであるように非難する人がいる。しかし、それぞれの新聞に方針があって、それに基づいて報 道が行われるのは当然ではなかろうか。事実を偽ったり反対意見を無視するようなことは論外であるが、公正、中立ということは、意見をもたないことではな い。

日本では、教科書の検定官のような見方をする人が多いように思われる。もちろん、教科書も検定などすべきではない。評価は使用する教員に委ねるべきであろう。教員に後見人は要らない。間違いの多い教科書は、文部科学省が介入しなくても、たちまち淘汰されるであろう。

同じようなことは、人についても言える。立場がはっきりとしていて、ある問題について、こういう意見であろうと周辺の人が推測しうるよう な生き方は、望ましいことである。それは、政治家や政党についても同じであろう。基本的な問題について、綱領で決めていないような政党は、政党とは言えな い。この意味で、小泉首相は、自民党を政党にしたのである。

権力や贅沢など、そのときの利害のままに意見をかえるような人、まったく意見が推測できないような人は信頼をうることはできない。

研究者も政党も同じである。