エッセイ22 御用学者について

木村 英亮

国際関係論の講義で、テキストに引用されている文に御用学者ということばがあり、学生に意味を聞かれ、『大辞林』(三省堂)をひいてみた。

まず、「御用」について、「4.政府などの権威にへつらって主体性のないこと」、とある。「へつらう」は、「自分よりも身分・地位の高い 者や強い者に対し、相手の喜ぶようなことをことさらに言ったり行ったりする。おもねる」とある。「主体性」は、「自分の意志・判断によって、みずから責任 をもって行動する態度のあること」。

「御用学者」は、「時の政府や権力者に迎合して、その利益となる説を述べる学者」。 迎合的意見が、権力者の利益になるかどうかはあやしく、御用学者が権力者を誤らせることも多い。権力者の利益になるのは、むしろ反逆者の意見である。しかし、権力者がへつらいから免れ、本当に自分のためになる意見を聞くことは難しい。

多くの情報を集め、自分で判断するのが一番であろう。しかし、その情報が偏ってしまっては処置なしである。

「御用商人」は、「4.近世、幕府・諸藩の御用を務め、特権を得ていた商人」。

「御用大学」ということばはまだない。

「御用」の項の最後は、「御用済み」。