エッセイ 33 奴隷根性について

木村 英亮

安倍晋三官房長官は記者会見で、沖縄の普天間飛行場の移設計画について、地元の納得がなくとも、「日米協議整えば決着」と述べたと報道されている(『朝日新聞』、2006.3.7付)。

アメリカとの関係について、日本政府の態度には腑に落ちないところが多々ある。ここで問題になっている米軍再編のための沖縄の普天間基地 の移転についてもそうである。日本は「思いやり予算」として、本来アメリカが払うべき基地整備や運営のための費用を自発的に負担している。その上今回は、 住民が反対している地域に航空基地を移そうというのである。日本本土においても、基地を受け入れたいという地域はないようである。 そもそも米軍は、日本を守るためにいるはずであるが、日本とはだれなのであろうか。住民が反対する基地が軍事的に有効に機能するかどうかあやしい。米軍基地があるほうがかえっ て危険なのに、どうして金を払ってまでいてもらうのだろうか、という疑問をもつ人は多い。戦後60年間米軍基地の存在に慣れ、住民や、市長、知事の反対するなかで、まずアメリカと決め、経済振興策でなんとかなだめようとし、だめなら法律を改正して知事の権限を奪おうという。

このようなことは、ふつう独立国の政府はしない。

2004年8月、普天間基地に隣接する沖縄国際大学の建物に米軍大型ヘリが衝突炎上し、調査にも日本人は立ち入れなかった。たとえばハー バード大学の傍に日本軍の基地があり、ヘリが墜落するといったことは想像できない。もしそんなことがおこったらアメリカ人はどうするであろうか。