エッセイ 43 スポーツの世界の国際化

木村 英亮

朝青龍が横綱になって数年経ち、はじめは日本人でなくて残念という人もいたが、おかげで今では相撲もすっかり国際化し、白鵬(モンゴル)、琴欧州 (ブルガリア)ら、日本人のもたない魅力で角界を豊かにし、ファンの層を広げている。国技といわれる分野で、日本人が外国人に対するスタンスを学び、知ら ず知らずのうちにナショナリズムを克服していくように見えるのは面白い。

相撲は勝ち負けが単純でわかりやすく、それだけに基本が大切である。強い力士は、小手先の技巧でなく王道で勝っている。また、実力を発揮するため健康管理が重要であることもよく判る。舞の海らの解説も相撲と同じく無駄がなくすばらしい。

春場所のなか、米国サンディエゴで開かれた第1回ワールド・ベースボール・クラシックの決勝戦で王貞治監督率いる日本チームがキューバに 10対6で勝ち優勝した。数年前には想像もできなかったことで、冬季オリンピックでの不振を忘れさせた。韓国もベスト4に入り、アジア勢の強さをアピール した。米国の経済制裁を受けているキューバは、賞金をカトリーナの被災者に贈ることになっていると報道されている。

スポーツの世界では、選手の自主性や監督のイニシアチブが尊重されているようであるが、教育の世界では教師に対する統制が強められてい る。スポーツの世界のように結果として日の丸が揚げられのではなく、まず日の丸を強制しようとしている。このような教師の手をしばり、命令するようなやり 方は、教育の衰退につながる道であり、日本の将来を暗くするものである。

軍事力や経済力だけでなく、スポーツ、教育などさまざまな分野で競争がおこなわれ、国際化が進むことは望ましい。そのさい当然のことであるが、競争は国際的に通用するルールで行われなければならない。