日本国憲法第九条の改悪に反対する

中西 治

日本国憲法第九条は次のように規定しています。

「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

② 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」

ところが安倍晋三さんの自由民主党は明10日に公示される衆議院議員選挙の「公約」として、憲法第九条の二つの項を維持したままで「自衛隊の存在を明記する」ことを掲げています。

これはきわめて重要な公約ですが、きわめて奇妙な公約です。

というのは日本国憲法第九条は上記のように「戦争を永久に放棄し」、「軍隊を保持せず」、「国の交戦権を認めていない」と宣言しています。

このあとにどのように書けば「自衛隊の存在」を認めることができるのでしょうか。自衛隊は「軍隊ではなく」、その行動は「戦争ではない」と言わなければならないのです。

実際これまで自衛隊は個別自衛権にもとづく「専守防衛」に徹した「自衛のための組織」であり、「軍隊」ではないとしてきました。だから、「軍隊」と言わず、「自衛隊」と言っているのです。

ところが、2015年に自衛隊が集団的自衛権にもとづき海外でも武力が行使できるようになりました。自衛隊はもはやれっきとした「軍隊」です。「専守防衛」論は通じなくなりました。

それでもなお自民党が今回の選挙で公約として第九条に「自衛隊の存在を明記する」としたのは、安倍晋三内閣が先に行なった集団的自衛権にもとづく自衛隊の海外派兵と戦争行為を憲法第九条のオブラートに包みながら合法化するためです。

自民党が選挙に勝てば、安倍晋三さんは日本国民が外国で戦争する軍隊を認めたと主張するでしょう。

最後に一言。

安倍晋三さんは朝鮮問題で「制裁一辺倒」ですが、その結果朝鮮半島で戦争が起こったとき、安倍晋三さんは本当に米国と一緒に朝鮮と戦うつもりなのでしょうか。そうなれば、朝鮮半島だけでなく、日本列島も戦場となります。それでも安倍晋三さんはいまの強硬路線を貫くのですか。

日本の主権者がどのような選択をするのか。最後は主権者が問われるのです。