敗戦72年にあたって

中西 治

本日、2017年8月15日は、昭和天皇が1945(昭和20)年8月15日正午にラジオを通じてポツダム宣言受諾を発表し、米国、中国、英国、ソヴェトなど連合国に無条件降伏してから72年になります。

敗戦ではなく、終戦だと言う人がいます。それは誤魔化しです。あの戦争を知らない人です。あの戦争を正当化する人です。

あのとき私は12歳、母や弟、妹たちとともに疎開していた奈良県の県立五条中学校1年生でした。たまたま大阪から来ていた父とともに近くの隣組長さん宅で玉音放送を聞きました。放送は雑音ばかりで、私にはよくわかりませんでした。両親は分かったようです。帰宅後に母が父にひそひそ声で「3代目は国を滅ぼしましたね」と語っていました。

これが私の戦後の始まりでした。

日本国民の多くは戦後70年間、明治以降の日清戦争、日露戦争、第一次大戦、第二次大戦など戦争の歴史を深く反省し、日本国憲法のもと平和国家への道を歩んできました。

ところが安倍晋三内閣は戦後70年の2015年に集団的自衛権の名のもと自衛隊を海外に派遣し、日本を外国で戦争のできる国に変えました。

日本は再び戦争への道を歩み始めています。

このようなときに「グアム攻撃」とか「朝鮮半島攻撃」とかの声が聞かれます。核ミサイル攻撃についての「未熟な認識」も聞かれます。

広島に原子爆弾が投下されたあと急遽、中学校の校庭に全校生徒が集められ、先生が「今回広島に新型爆弾が投下された。これまで黒い服を着るように言ってきたが、今後は白い服を着るように」と指示されたことを思い出しています。

「新型爆弾」は黒い服を着ようが、白い服を着ようが、人間を殺したのです。

朝鮮と米国の戦争好きは戦争を煽っています。日本の一部もこれに呼応して「ミサイル防衛」などとはしゃいでいます。このような論議に乗ってはなりません。

前回、1950年6月に朝鮮戦争が起こったとき、日本はまだ米国をはじめとする連合国の占領下にあり、日本軍は武装を解除され、一兵もいませんでした。米国は急遽「警察予備隊」をつくり、再軍備を始めましたが、日本国内の「朝鮮戦争反対」の声は強く、米国は日本兵を朝鮮に連れて行くことはできませんでした。

しかし今は違います。日本は自衛隊を海外に派遣し、外国で戦争ができるようになっています。現に日本の自衛艦が米国の航空母艦と朝鮮半島周辺で合同訓練をしています。

朝鮮戦争が再発し、自衛隊が米軍と行動をともにすれば、朝鮮半島だけでなく、沖縄を含め日本列島全体が戦場となります。

それは第二次大戦や前回の朝鮮戦争以上の悲劇を朝鮮半島と日本列島にもたらすでしょう。

どこであれ戦争は絶対にしてはなりません。それは地獄です。