トランプ劇場開幕中

中西 治

トランプ劇場は今回の米国大統領選挙運動開始とともに始まっていました。私はそれに気づいていませんでした。

本日、2016年11月9日早暁(日本時間夕方)に共和党大統領候補トランプさんが民主党大統領候補ヒラリー・クリントンさんからの祝いの電話をうけ、米国大統領当選演説をしました。このとき、はっと気づきました。その「演説」がこれまでの「まともでない演説」と比べて、あまりにもよくできた「まともな演説」であったからです。これは良く準備された「劇」だ、「トランプ劇場」だと思いました。

8年前の大統領選挙で米国の有権者は民主党のオバマさんを大統領にし、4年前の選挙で再選しました。この8年間のオバマ大統領の政治は選挙民にとって「満足」すべきものではありませんでした。

トランプさんは選挙民のこの「不満」を敏感に捉え、「貧困」と「格差」を厳しく批判しました。外交問題でも「思い切った」ことを言いました。これが有権者の「心」をつかまえました。米国の有権者は「何をするのか分からない」トランプさんに「賭け」ました。これが「成功」しました。

トランプさんは当選と同時に「まともな演説」をする「大統領」に変わりました。トランプさんは「豹変」し、「序幕」は終わりました。「第一幕」ではどのように演じるでしょうか。トランプさんが「名優」か「大根役者」かは今後の「舞台」によって決まります。

私はかつてヒラリー・クリントンさんが米国史上最初の女性大統領になるだろうと思っていました。2002年9月11日にニューヨークの9.11事件の跡地近くでヒラリー・クリントン上院議員と会い、挨拶しました。

ヒラリー・クリントンさんの今回の敗因は彼女の性格と行動にもあります。旧来の民主党の支持者がヒラリー・クリントンさんから離れました。これが致命傷です。トランプさんの勝因は「敵失」にもあります。

「人の世」は時として今回のような重要な「舞台」を生み出します。これが歴史的な転換をもたらす「大場面」になるかも知れません。「出番」がきたら私たちも「舞台」に上がりましょう。楽しみながら、世の中を変えましょう。