第2回講演会 梅林宏道(NPO法人ピースデポ代表)

事務局

アジアの平和と脱軍備
2004年11月21日(日)14:30-16:30
かながわ県民センター711号

umebayashi2004.jpg

ピースデポを作るときの一番大きな課題は、市民の力で平和の為のフルタイムの活動者を維持できるかどうかであった。日本の戦後の平和運動は政党や労働組 合、宗教団体に依拠して活動者を維持していたが、市民の資金でやることが大切だと思っていた。現在ピースデポでは3名の専従者が働いている。

冷戦後、日本の平和運動において東アジアで平和の仕組みを作ることが最大のテーマであった。だが今までは平和運動の側にもそのような発想があまりなかっ た。冷戦期にはソ連の脅威など米軍の日本における存在理由がいろいろ強調されてきた。その脅威がなくなった今、私たち平和運動に構想があれば、軍縮や米軍 削減を勝ち取ることができるはずである。

日本政府側はソ連の脅威がなくなり、別の論理で国民を納得させる必要があった。それが1995年から始まった日米安保再定義である。その時に私たちは、 軍事力を必要としない安全保障の仕組みを提起した。それは脱軍備でどう平和をつくるのかというビジョンと基地が作り出す弊害に対して抵抗する論理を含むも のである。95年から96年にかけての沖縄での反基地運動により、安保再定義は失敗したと考えている。

現在、グローバルなテロとの闘いという新しい状況に活用できる軍事同盟が日米安保体制として作られつつある。このような中、東北アジア非核兵器地帯条約 がそれに対抗する平和的手段の第一歩である。日本の東北アジア地域の安全保障政策は、日本の核武装かアメリカの核の傘かという二項対立の枠組みにあった。 だがこの条約はこうした枠組みを変える具体的で実現可能な提案である。この条約は法的拘束力を持ち、日本は中国の核攻撃を受けず、北朝鮮は米国の核攻撃を 受けない仕組みを作ることになる。違反すれば国際司法裁判所が条約違反として、制裁を提起できる。また非核兵器地帯を作ることにより、この地域の緊張を緩 和し米軍への依存度を減らすこともできる。

この条約を実現化させるために、「スリー・プラス・スリー構想」を提案した。この地域の非核兵器国である日本、韓国、北朝鮮の三か国を中心的な担い手と して、米国、ロシア、中国というこの地域に強い利害をもつ核保有国三か国を支援国家として関与させるものである。核保有三か国は、前者の三か国の非核地帯 化を支持し、また核の脅しや攻撃をしないという義務を持つことになる。この条約は現実と理想をミックスしたものであり、各国の反応は比較的よく、問題は日 本政府が今後どうするのかである。すぐに実現できなくても、日本政府がこのような考え方に立つと示すことは、北朝鮮問題を解決していく上でも大いにプラス になるに違いない。